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写真で見る アウディ「TT クーペ」「TT ロードスター」「TTS クーペ」

TT ロードスター

 アウディ「TT クーペ」「TT ロードスター」「TTS クーペ」はコンパクトなボディーを持つスポーツカーだ。1998年に初代がデビューした後、2006年には2代目にバトンタッチ。アルミの塊から削り出したかのような個性的なフォルムと、アウディならではのフルタイム4輪駆動システム「quattro」の採用などで多くのファンを獲得しており、累計では50万台以上のセールスを記録している。

 そして、9年振りに登場した新型が今回の3代目となる。ラインアップは前述したように3タイプ。基本となる2ドアクーペのほか、オープントップを持つロードスター、そして「S」が付くハイパフォーマンスエンジンを搭載したスポーツモデルだ。

 エンジンはいずれも直列4気筒DOHC 2.0リッター直噴ターボ(2.0 TFSI)を搭載。TT クーペとTT ロードスターに搭載されるユニットは、直噴に加えて中速&中間負荷以下の回転域ではポート噴射を併用。さらに可変バルブタイミング機構「Audi valvelift」と可変カムシャフトシステムなどを採用することで、燃費効率とドライバビリティを向上。スペックは最高出力169kW(230PS)/4500-6200rpm、最大トルク370Nm(37.7kgm)/1600-4300rpmと、従来型よりパワー&トルクはもちろん、TTクーペのJC08モード燃費も13.0km/Lから14.7km/Lとアップしている。

 一方、TTS クーペに搭載されるユニットはターボチャージャーの過給圧を0.8バールから1.2バールへと高めているほか、ピストン、コンロッド、バルブスプリング、さらにシリンダーヘッドまで高耐久仕様の専用パーツを採用。スペックは最高出力210kW(286PS)/5300-6200rpm、最大トルク380Nm(38.8kgm)/1800-5200rpmとなっている。こちらもJC08モード燃費は11.8km/Lから14.9km/Lへと改善している。

 トランスミッションは全車共通で「6速Sトロニック」を搭載。アクセルOFF時にエンジンをドライブシャフトから切り離すことで燃費を改善する「フリーホイーリング機構」、急発進時のホイールスピン量をコントロールする「Launch Control」を新たに採用している。

 フルタイム4輪駆動システムのquattroは、電子油圧制御の多板クラッチを使った最新世代を搭載する。このシステムでは、一般走行時は2WD(FF)で走行し、前後輪の速度差が生じたり、急加速などより高いトラクションが必要となったりした場合、後輪にもトルクを配分するオンデマンドタイプだ。また、「アウディドライブセレクト」と連動して状況を事前に判断。アクティブに前後輪の駆動力を配分する仕組みも採用している。

 インテリアの注目ポイントとなるのが「アウディバーチャルコックピット」だ。その特長はアナログ機構を廃して12.3インチ、1440×540ピクセルの大型液晶を採用したことにある。GPUとしてNVIDIAの「Tegra 3」を採用し、スピード&タコメータはもちろん、「DIS(ドライバーインフォメーションシステム)」や「MMI(インフォテイメントシステム)」などを美しいアニメーションで表示することが可能となっている。

 ラインアップはTT クーペのみ2WD(FF)と4WDの2タイプを用意、TT ロードスターとTTS クーペは4WDのみとなる。価格は順に542万円、589万円、605万円、768万円。

TT ロードスター

 初代TT クーペのデビューから遅れること1年。1999年に追加となったソフトトップモデルがTT ロードスターだ。乗車定員は2+2のTT クーペに対し、こちらは純粋な2シーター。「アコースティックソフトトップ」と呼ばれるソフトトップはフリースレイヤー層を加えた5レイヤー構造で遮音、遮熱性能をアップ。約50km/h以下なら走行中でも操作可能で、10秒あまりで開閉することができる。

オープン状態。撮影車両のボディーカラーはグレイシアホワイトメタリック
クローズ状態。ボディーサイズは4180×1830×1360mm(全長×全幅×全高)
ボンネット上に「フォーリングス」が付くのはTT系とR8のみ
TTのロゴが刻まれたフューエルキャップ
給油口はキャップレスタイプ。ガソリンは無鉛プレミアム仕様でタンク容量は55L
120km/hで自動的にリフトアップするリアスポイラー。手動での操作も可能
リアにもクワトロのバッヂが付く
マトリクスLEDヘッドライトはオプション。これはカメラで前方を監視、対向車や先行車を発見すると部分的にハイビームの光軸を消灯する機能
リアコンビランプにもLEDを採用
エンジンは、直列4気筒DOHC 2.0リッターインタークーラー付ターボ
マフラーは左右2本出し
タイヤサイズは245/40 R18。アルミホイールはTT クーペ クワトロと同じデザイン
インパネはドライバーを中心としたデザイン
オプションの「Sスポーツシート」。カラーはパロミノブラウンで表皮はファインナッパレザー
ステアリングは下部がフラットなDタイプ。スポーク部にはアウディバーチャルコックピットの操作ボタンなどが付く
センターコンソールはメタルとレザーのコンビネーション
シフト後方にはナビゲーションや車両情報などへのアクセス、コントロールを行うためのスイッチ類。ダイヤル式コントローラーの上部は手書き文字入力が可能なタッチパッドになっている
丸形のエアベントはエアコンなどのコントロールおよび表示機能を持つ
アウディバーチャルコックピット。大型のアナログメーターとGoogle Earthの組み合わせ
Google Earthをメインとした表示
Google Earthの3D表示
通常地図(2D)表示
通常地図(3D)表示
手書きによる目的地検索
手書きによる目的地検索
メニュー画面

TTS クーペ

 AUDI TTのハイパフォーマンスモデル。エンジンは専用パーツを贅沢に使うことにより大幅なパワーアップを実現し、0-100km/h加速は4.7秒を誇る。また、シングルフレームグリルをはじめ前後バンパー、シート、ステアリングなど、エクステリア&インテリアも専用パーツによる差別化が図られている。装備面ではダンパー減衰力をアクティブに制御する「アウディマグネティックライド」、マトリクスLEDヘッドライトなどを標準採用している。

撮影車両のボディーカラーはミストブラック メタリック。ボディーサイズは4190×1830×1370mm(全長×全幅×全高)
フロントグリルのバッヂもTTSになる
リアにもTTSバッヂが付く
リアスポイラーの格納、使用状態
マトリクスLEDヘッドライトの点灯パターン。周囲の明るさを認識しているためハイビームはわずかしか点灯していない
専用パーツを贅沢に使ったパワーユニット。赤いラインがレーシーな雰囲気を盛り上げる
タイヤサイズは245/40 R18。ホイールは専用デザイン
Sスポーツシートを標準装着。ファインナッパレザー表皮でカラーはエクスプレスレッド
レッドステッチを使った専用ステアリング
センターコンソールまわりも赤いステッチが随所に使われる
中央に大型タコメーターを表示する専用表示
地図画面をGoogle Earthに切り替えられるのはTT系と同じ
TT系と同じくマップメインの表示にも切り替えられる
地図の表示変更はメニューから行う
Google Earthの縮尺違い。切り替えはとてもスムーズ

(安田 剛/Photo:安田 剛)