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ル・マン24時間を主催するフィヨン会長が、トヨタの水素カローラクロスを富士で試乗 2024以降のル・マンで水素自動車の参戦を検討

WEC富士6時間のスタートグリッドで談笑するACO会長 ピエール・フィヨン氏(中央)とTOYOTA GAZOO Racing プレジデント 佐藤恒治氏(左)

 9月9日~11日の3日間にわたり富士スピードウェイ(静岡県駿東郡小山町)でWEC(世界耐久選手権)富士6時間耐久レースが開催されている。富士6時間耐久は、コロナ禍の関係で2021年、2020年は中止に追い込まれ、2022年は3年ぶりの開催になる。

 WEC富士6時間のメインは6時間の耐久レースではあるのだが、久々のFIA(国際自動車連盟)のレースのためか、多数のFIAスタッフも来日していた。FIA WEC CEOであるフレデリック・ルキアン氏、ル・マン24時間レースを主催するACO(Automobile Club de l'Ouest:西部自動車クラブ)の会長でありWECの創設者でもあるピエール・フィヨン氏も来日し、精力的に視察を行なっていた。

 ル・マン24時間レースは近年水素によるレーシングマシンを提唱。MissionH24として2024年からの燃料電池によるレーシングマシンの参加を可能にしようとしている。フィヨン氏は富士6時間でのインタビューに対し、「2024年~2025年に可能にしたい」と水素自動車の導入に言及しており、ル・マン24時間レースにおける水素自動車の参戦可能性は高まっている。ただし、これは水素は使うものの燃料電池車によるものだ。

WEC富士の水素コーナーに展示された、水素燃焼エンジンを搭載する水素カローラクロス

 TOYOTA GAZOO Racingは、富士6時間において水素カローラと同じ水素燃焼エンジンを搭載する水素カローラクロスをグランドスタンド裏に一般展示しているが、この水素カローラクロスによる関係者試乗会を予選日に行なったことを報告している。試乗会は富士のショートコースで行なわれ、フィヨン会長やルキアンCEOが参加。フィヨン会長がステアリングを握り、中嶋一貴TGR-E副会長が同乗していた。

 フィヨン会長自身、燃料電池車「ミライ」を所有し、ル・マン24時間レースの行なわれるサルトサーキットには、MissionH24の関係もあってか水素充填設備も用意されている。現状、MissionH24は燃料電池を搭載するFCEVを対象としたプロジェクトだが、この試乗によって何かが動いてくのかもしれない。