DIYでクルマいじり
NAOさんのDIYでクルマいじり
第14回:快適さアップと運動不足解消で一石二鳥! /フロア静音化
(2013/1/16 00:00)
雪道大好き人間の筆者がブリヂストンのスタッドレスタイヤ「BLIZZAK REVO GZ(ブリザック レボ ジーゼット)」を履いてあちこちに行ったため若干連載の間隔が開いてしまった。第14回はフロアの静音化をお届けするが、お時間があったらREVO GZの記事について読んでいただければ幸いだ。
【特別企画】“Wで止まる”スタッドレス「BLIZZAK(ブリザック)」をミニバンで試す(前編)
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20121212_578114.html
【特別企画】“Wで止まる”スタッドレス「BLIZZAK(ブリザック)」をミニバンで試す(後編)
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20121221_579572.html
床面積が大きいミニバンは、フロアカーペットも当然ビックサイズ。作業はかなり大変だが、大掃除・天日干し・静音化・ダイエット効果とよいことずくめのフロア静音化に早速チャレンジしてみよう
ドア、壁、ダッシュ裏、バルクヘッド、仕上げはフロアの静音化
前回エンジンルームやダッシュボード裏を制振防音施工した訳だが、苦労に見合った効果はすぐに体感でき、エンジンルームがちょっと遠くに行ったかのように車室内の快適度が増した。まあ、あれだけ苦労して時間と手間を掛けて効果がなかったら大変な訳だが(笑)、フロントドアを施工すればリアドアが気になり、リアドアを施工すればバックドアが気になり……まさに静音施工もチューニング。
絶対的な騒音レベルももちろん大切だが、クルマ1台まるごとでのバランスも非常に重要だ。特に何もしなくてもミニバンとしては相当静かなヴェルファイアだが、全ドア、サイドパネル、そしてエンジンルームとカウル部まで静音化したことにより、フロアからの侵入ノイズが相対的に気になってきた。フロントシートを取り外すだけでも何重にも被せられた化粧パネルに苦しめられたのは記憶に新しいが、体調・スケジュール・天候の3点セットを整え気合いを入れてチャレンジしてみたい。面積が大きいので作業は大変だが、理屈はドアなどのデッドニングと変わりない。標準状態で防音材などが施工されている個所はメーカーが「ここはウルサイ」と認定している場所なので徹底的に施工し、それ以外の場所も小遣いとスペースの許す限り部材を敷き詰めていく。
筆者の場合面積の○%に施工すれば効果は○○%だとか、そんなことは気にしていない。“出来る限りの施工をしたぞ!”という達成感も大きな楽しみであり、コスト面からメーカーではやらない手間を掛ければ掛けただけ効果として返ってくるのが面白い。制振材は重点個所のみではなくフロア全体に施工し、ニードルフェルトもフロアまるごと全体に敷き詰める。厚さの関係から内装材の収まりがわるくなる場所もでてくるが、そこは智恵と勇気と腕力で工夫しよう。
標準状態のフロア | 施工素材 | 施工個所 |
---|---|---|
吸音材 | 厚手 高密度カーペット | (フロア全体) |
防音材 | ゴムマット+薄手カーペット | (フロア全体) |
吸音材 | ニードルフェルト | (重点個所のみ少量) |
吸音材 | シンサレート | (重点個所のみ少量) |
防音材 | 大きなスチロール成形物 | (フロントシート下) |
防音材 | 固いスポンジシート | (フロア全体) |
吸音材 | ニードルフェルト | (重点個所のみ少量) |
制振材 | アスファルトシート | (重点個所のみ少量) |
鉄板 | 床フレーム | (重点個所のみ少量) |
使用部材は事前に十分用意しておこう
20m巻きのニードルフェルトはコストパフォーマンスが抜群によいのだが、普段見える場所に使うと綿ぼこりが飛びまくったりドンドン毛が抜けて周囲が汚くなるなどの問題がある。またほかの吸音材と比較して潰れにくいため、もともと余裕のない場所に無理に敷くと内装が元に戻せない場合もある。
大きな空間に押し込むような用途には向いているが、フロントシート下のような複雑な場所にはエプトシーラーやシンサレートといった比較的高価だが潰れ率が高く、高性能な素材が使いやすい。内装バラシは時間・体力ともに相当パワーが必要であり、また何度も何度も分解を繰り返すと内装が傷むためできれば一発で決めたい。各種部材も予め必要量を見繕って手元に用意しておこう。バラしてみて初めて見つかる隙間や空間、ここは騒音源に違いない……というポイントなどを発見すると、ついつい予定量よりも多く施工したくなるのは人情か。
筆者宅は歩いて1分の近所にカー用品店があるため、作業中に「もうちょっと盛りたいな……」と思うとコストを忘れて買いに走ることも多々ある。とはいえ在庫定数の関係から店の在庫を買い占めても足りない場合もあり、この場合泣く泣く半端な状態でフタを閉めるか、別の店まで買いに走ることになってしまう。何れにしても防音材類は保管していて腐るものでも無し、余ったら「次のクルマで使えばいいや」ぐらいの感覚で多めに用意しておくのがよいだろう。
せっかくなので運転席付近の大掃除と配線整理
最も乗車頻度が高い運転席付近は、どうしても汚れがたまりがち。増築増築を繰り返した各種モニターや機材類のハイダウェイユニットにインバーターにドラレコにチューナーにアレやコレ、助手席や後席に一切ゴチャ感を出したくないので無理矢理機材を押し込まれた運転席シート下は、もはやスパゲッティ・カオスと呼ぶにふさわしい状態。二度とイジることはないと思っていたこの部分だが、フロア静音化のためならば仕方がない。嫌々……ではなくて気合いを入れて作業に取りかかる。えー、はい、、、うん、やっぱりやめておけばよかったかも(笑)。
AC100V系とアンテナ系とアナログオーディオ系と、それぞれのハーネスをゴチャゴチャに混ぜたらノイズが乗ってヒドイ目に遭うのは子供でも分かること。当然、最初に各種機材を設置した際はできるだけ影響が出ないよう気をつけて配線したつもりだ。ところが、機材の追加、機材の交換、アンテナの交換などなど歴史が積み重なるにつれ、結局運転席シートを取り外してみたらご覧のような有様に。我ながら、ヒドい(笑)。いい機会なので全てのコネクタを一旦外し、掃除機も掛けた上で可能な限り配線を正常化していく。
最近は国内メーカーのカーAV撤退縮小が続き、地デジチューナーからはコンポーネント出力が省略され、カーモニターもRCA接続(コンポジット接続)のみの安かろうモデルだらけ、それどころか国内ブランドのカーモニターは選択肢が極めて少なくなってしまった。カーナビがなくてもスマホ/PND(Portable Navigation Device)で満足できる人が増えているご時世だから仕方がないのだろうが、筆者としては何とも残念な限り。地デジにしても、一度コンポーネント接続の画質を知れば、コンポジット接続にはとても戻れないと思うのだが。このモニターたち、大切に大切に使わなくては。
そして、2列目と3列目のフロアもバッチリ静音化
ヴェルファイアのリアフロアはほぼフラットで、2列目シートは大きく前後に動かせるため椅子を取り外すことなくフロアパネルまでアクセスすることができる。3列目シートは跳ね上げればじゃまにならない。作業しずらい点としては全面に敷き詰められている固いスポンジシートと1枚目のカーペットが巨大すぎて、取り外し・取り付けしようとしてもなかなか言うことを聞いてくれないこと。仕方がないのでカッターでちょっとだけ分割してみたところ、作業しやすくなった。一番上のカーペットもあることだし特に副作用はないだろう。今回はもともと入っていた固いスポンジシートを活かすことにしたので、リアフロアについてはエプトシーラーとシンサレートを省略し、レジェトレックスとニードルフェルトのみを全体に施工した。ニードルフェルトはホコリ状の糸くずが飛び散りクシャミが出るのでマスクをするのが吉。
フロントシートの脱着などを含め、ざっと3時間ほど掛かった重労働。結果は皆さんの想像どおり、ちょ~満足!長距離ドライブがますます快適になりそうだ。さて、次回は我が家に新しいセカンドカーが仲間入り。果たしてどんな洗礼を受けるのか、お楽しみに!
※クルマいじりは自己責任で。無理な改造は事故や故障、怪我の原因となる場合があります。もちろん、違法改造はやめましょう。