ドライビングスクール

 ドライビングスクールに参加されたことはありますか? 未経験の方は、ぜひ参加してみることをおすすめします。

 日本でもJAFをはじめ自動車メーカーやサーキットが定期的に、もしくは不定期ながら長年開催を続けているものも少なくありません。プログラムは様々ですが、レーシングスクールをのぞけば多くは安全やエコ、そしてスポーツドライビングなどのトレーニングを行っています。日常の運転シーンではなかなか体験できないことが体験でき、同時に、普段から知っておくとよい知識も得ることができます。

 私は10年以上、様々なドライビングスクールのインストラクターをしています。一般企業やグループ/団体のほか、メーカー系では下積みから始めた某ドイツメーカーを離れ、「アウディ・ドライビング・エクスペリエンス」(以後ADEと略す)のチームでインストラクターを務めることになって今年で4年目。使用するクルマ(メーカー)は変わっても、安全運転に対する考え方に大きな違いがないことを実感しています。

ADEではトレーニング用の車両はすべて用意されています。先日のADEでは最新のA1にも乗ることができました

 ただし、プログラム構成は様々。ADEの場合、基本コンセプトはセーフティですが、いくつかのクラスがあって、アウディではそれを「シチュエーション」と言います。基本的にはシチュエーション1~5に分かれ、数字が大きくなるにつれ走行シーンや速度域が上がっていくのです。ただ1つ、シチュエーション5は速度ではなく、ウインターレッスンを意味するので例外です。

 先日、今年初めてのADEのレッスンが開催されました。開催場所は初開催の中部地区。北は山形、南は九州地区から参加者が集まり、土日両日ともにほぼ満員状態。今回はシチュエーション3+ニューモデル・エクスペリエンスということで、通常のトレーニングカーである「A4」のほかに「A1」を使ったプログラムも行われました。アウディは現在、マイカーでのトレーニングは行っておらず、すべて車両は用意されています。

 で、先日はどんなことをやったかというと、スポーツに例えるならフォームにあたる「ドライビングポジション」の取り方と考え方などから始まり、ESPやABSがどんな風に働き、どんな効果が得られるのかを知り、万一の際のクルマの挙動体験や急ブレーキの体験をしました。他にA1を使ってスラローム走行なども楽しんでいただけたようです。

 ドライビングポジションを正しく取るだけで、安全性はもちろんのことアクセル操作が繊細に行いやすくなり、エコドライブにも繋がるんです。またスムーズなハンドル操作が行えるということは、車庫入れがスムーズに行えるようになるだけでなく、万一の場面で障害物を避ける場合にもカウンターステアも操作しやすくなる。

中部地区初のADEは中部国際空港(セントレア)脇の特設コースが会場でした

 参加者はアウディユーザーはもちろん、アウディのユーザーでない方もいらっしゃいます。乗るクルマは違っても、安全運転に対する考え方に大きな違いがないから誰でも参加できるし、ぜひ参加してみていただきたいものです。

 自分の乗るメーカーのWebサイトなどで調べるか、サーキットやJAFで検索してみるとよいでしょう。自分のクルマで参加したい方、自分のクルマでは思い切り走らせるのはちょっと……という方、様々だと思いますが、希望に合ったスクール選びをされるとよいでしょう。

 カタログでは読み取りきれない最新の安全電子デバイスの効果、公道では体験できない/したくない限界性能などを知るのには、とてもよい機会になるはずです。

 ちなみに、次回のADEはシチュエーション4を8月6日(土)~7(日)にモビリタ(富士スピードウェイ敷地内)で開催します。基本レッスンに加え、またまたその頃に登場する最新モデルを使ったニューモデル・エクスペリエンスもあるかも……とのことです。

 詳しくは下記のWebサイトをご確認ください。震災の影響もあり年間スケジュールが発表になっていませんが、8月開催分の募集については近日開始となるようです。

(飯田裕子 )
2011年 6月 16日