トピック
MotoGPはキャンプでゴー!
不肖・高橋、ツインリンクもてぎの駐車場でテント泊!
- 提供:
- 株式会社モビリティランド
2018年11月6日 00:00
すっかり忘れていた、というかオファーされたのが年始のことだから仕方ないと言いたい。某日、例によってCar Watch編集部から電話。話を聞くとツインリンクもてぎに持っていくテントをどうするか? というお話。何を言っているんだ君は……と、ここで思い出した。10月、秋。秋と言えば食欲の秋、そしてMotoGPの秋である。今年も栃木県芳賀郡茂木町にあるサーキット、ツインリンクもてぎにて「2018 FIM MotoGP 世界選手権シリーズ第16戦 MOTUL 日本グランプリ」(以下、MotoGP)が開催されるのだ。
そういえば今年の頭だったか、確かにオファーがあった。ツインリンクもてぎがビッグレースの観客にキャンプ、車中泊などを薦めているのでそれを実際に体験してほしい@2018 MotoGPという話だった。そして秋の気配が日ごとに増す今、その準備を具体的に始めようというのである。特にキャンプならテント、寝袋、その他いろいろと必要となるからだ。
話は分かった。この不肖・高橋、アウトドア達人(自称)の名に懸けて見事なテント泊をご覧に入れよう。そしてMotoGPをしっかり観戦してレポートしようではないか! もちろんここでいつものパターン。レースに関しては「ちゃんと分かっている人」が書くので、私はノータッチでOK。それよりツインリンクもてぎとMotoGPがいかに楽しいか、楽しめるかをレポートせよという話である。
サーキットと言えばレース、レース観戦と言えば食事! そして今回はそこにキャンプ、車中泊という楽しげな要素が追加される。ならば徹底的に楽しもうではないか、ツインリンクもてぎのMotoGPを! ちなみに2018年のMotoGPは10月19日の金曜日から始まり、21日の日曜日で幕となる。私もCar Watchの編集担当も仕事の都合があったため、ツインリンクもてぎに入るのは土曜日の早朝とし、車中泊の関係上クルマで移動することになった。
そんなこんなで始まった不肖・高橋の珍道中、さてどうなることやら。
車中泊もアリ、キャンプもアリ!
そもそも「なんで車中泊やキャンプなの?」と思われた方も多いと思う。例えばツインリンクもてぎには立派なホテルがあるし、近隣の都市、例えば宇都宮市ならホテルは山ほどあるはずだ。ではなぜに車中泊やキャンプなのか? まず何よりビッグレースのホテル争奪戦はそう甘くない。慣れた観客たちは予約が可能になった途端に動き始め、近隣都市のホテルも含めてすぐに一杯になってしまう。もちろん、この予約レースに参戦という手もあるが、それとは別の方法が車中泊やキャンプということだ。
まず何よりワクワクするよね、車中泊とかキャンプって。冒険のような雰囲気があるし、キャンプならではの楽しみもたくさんある。テントの前にテーブルと椅子を用意して、コンロでお湯を沸かして淹れるコーヒーとか(紅茶、ココア、緑茶もアリ)最高じゃないですか。車中泊だってタープをクルマの横に張ってそこで休憩したり飲食すれば、アウトドア気分を満喫できる。車中泊も連泊だと厳しいかも知れないが、例えばMotoGPならフル参戦しても2泊3日。これなら楽しさの方が疲れを上まわるだろう(土日参戦なら1泊2日だし)。
余談ではあるが、ツインリンクもてぎレース観戦時の宿泊地として代表的な宇都宮市では、偶然にもMotoGPと同じタイミングで自転車のビッグレースが開催されたのだ。このため宇都宮市内のホテルはバイクレース目当て、自転車レース目当ての宿泊客で大賑わい、どこも一杯だった。そういった状況ならなおさら、ホテル泊ではなく車中泊やキャンプを選択肢として積極的に考えてはどうだろうか、そんな話である。キャンプ、楽しいし。
ツインリンクもてぎの場合、事前に駐車券と一緒に購入できるテント泊エリアが用意されている。複数の場所に分散されていてそれぞれ広さも値段も異なるのだが、テント泊エリアの場合はテントを設営したままにできる(後述)。こちらのチケットもやはり大人気らしく、発売されたらすぐに入手した方がいい。RCコースサイドキャンプステイ、V字オートキャンプサイト、SSWコースサイドキャンプステイなどなど。事前に調べておいてターゲットを決め、発売日を待つのが正しい姿勢だろう。
※2018 MotoGPで発売された駐車券の情報はコチラ
ではそういったチケットを購入できなかった場合はどうなるのか? 2つの選択肢がある。まず1つは車中泊をするという選択肢。これはどの駐車エリアであっても、ルールさえ守ればOKである。そしてもう1つの選択肢は、初日早朝にツインリンクもてぎに入り、先着順のテント泊エリアを確保するというものだ。もしそれでエリアが確保できればラッキー、できなかった場合は……。
なお、ツインリンクもてぎの宿泊スタイルはホテルだけでなく、実にさまざまだ。最近ブームとなっているグランピングをはじめとして、バイクライダーが手ぶらでツインリンクもてぎを訪れ、キャンプができるプレミアムライダーキャンプなどなど。お値段はそこそこするが、こういった宿泊プランを選択肢に入れるのもアリだと思う。
※場内の宿泊プラン情報はコチラ
車中泊、キャンプの楽しみ方
駐車券とセットになったテント泊エリアを確保できなかった。当日申し込みのテント泊エリアも確保できなかった。こりゃもう車中泊しかないか……まだ諦めるのは早い! 例えばわれわれの場合、当日のテント泊エリアを狙ったがあえなく一杯。だが、N5駐車エリアにある臨時でテント泊が可能なスペースに案内してもらった。これは土曜日早くに行ったからできたこと。なぜなら、その臨時エリアも一杯になる可能性があるからだ。
このテント泊エリア以外のスペース(要するに駐車場の一部)では17時からテント設営が可能で、翌朝7時には片付けるのがルール。今回のMotoGPだと金曜日に来場、2泊3日の場合は金曜日に設営していったん片付け、土曜日夕方にもう一度設営することになる。そして日曜日の朝7時に片付けて撤収となる。片付けの手間はあるが、もともと駐車スペースなのだから仕方ない。今回、われわれの場合はN5駐車エリアの周辺部に誘導された。そこにクルマを置いてその脇、もちろんほかのお客さんの邪魔にならないスペースにテントを張ることができた。
一方、車中泊はというと、先ほども書いたがレース開催期間であればどこに駐車してもOKとのこと。ただしアイドリングストップなどのルールはあるので、そのあたりはしっかり確認してほしい。また、駐車した場所によっては水場やトイレが遠いかもしれないので、そのあたりも要確認だ。
あとは基本的に普通の車中泊、テント泊と同じである。10月のツインリンクもてぎともなれば夜間就寝時の防寒具は必須。車中泊であってもブランケットの数枚、寝袋などをしっかり準備してほしい。今回のMotoGPは珍しく土曜日、日曜日と快晴で、むしろ日差しが厳しく暑いぐらいだったが、夕方日が傾くのと同時に気温は急降下。土曜日の夜半には気温が10℃を下まわった。寝袋やブランケット、状況によっては使い捨てカイロなどを併用したい。
なお、コンロやガスストーブなどはしっかり安全を確認できるベテラン以外は使わない方がいい。テント泊の醍醐味、焚き火に関しては直火禁止。焚き火台やコンロなどを使用することになる。
さらに、暗くなってからトイレなどに行く時に使用するライトやランタンも用意したい。駐車エリアはナイター用の照明で照らされているが、それでもかなり暗いのだ。それと忘れがちなのが飲み物。夜中に自販機まで行かずに済むよう、事前に用意しておきたい。
そして今回分かったこと。折りたたみ自転車のようなサブの移動手段があるとビックリするぐらい便利! とにかく広いんだわ、サーキットって。トイレに行くにも自販機へ行くにも、かなり距離がある。そんな時に大活躍してくれるのが折りたたみ自転車なのだ。バイクで持っていくのはさすがにつらいが、車中泊やクルマで行ってテント泊というならぜひ持っていきたいものだ。
細かい点は高橋が七転八倒している写真とキャプションを参照してほしいのだが1つ、1つ忘れてはいけない重要なことを。そう、風呂! お風呂に関してだ! 私などは「んなもん一晩ぐらいだったら市販のボディタオルで拭いて我慢しろ」とか思うのだが、中には「どうしても風呂に入るんじゃあああ!」という人もいるだろう。そんな人々に情報を提供すべく、Car Watch編集担当が22時を過ぎてからあえて折りたたみ自転車でツインリンクもてぎ名物「のぞみの湯」に向かった。
N5駐車エリアとホテルツインリンクにある「のぞみの湯」とはかなりの距離がある。ではなぜ編集担当は折りたたみ自転車で向かったのか? 話は簡単、場内ループバスの運行時間をよく調べていなかったのだ。N5とホテルを結ぶ場内ループバスは、われわれが宿泊した土曜日だと20時30分から翌日の1時20分(ホテル最終)まで運行していたのである。そんなに遅くまでバスが運行していないと思っていた編集担当は、結構な距離の結構な坂道を折りたたみ自転車で往復したのであった。
ちなみにこの「のぞみの湯」、例えば土曜日は7時~9時30分まで、そして11時~21時30分まで営業していた。女湯に関しては受け付けが21時までとなっており、男湯に関しては翌1時まで営業が延長された。また女湯の営業が終わると両方とも男湯になったとのことだ(来場者の男女比率によるのだろう)。編集担当が到着した22時30分ぐらいだと待ちが60人ほどいたのだが、すでに両方と男湯になっていたため回転は早く、20分程度で入れたとのこと。料金は大人650円、子ども350円、レンタルバスタオル250円、販売小タオル200円。湯冷めしないように気をつけてね。
ホスピタリティガーデンと新登場のビクトリースタンドラウンジ!
話はテント設営前に戻る。とりあえず駐車スペースとテント設営場所を確保したわれわれが向かったのは、当然のごとく「何か食べられる」場所だ。腹が減っては戦ができぬ、腹が減ってはレース観戦ができぬ。まずは腹に何を入れてから動こうという流れ。ならば向かうのは必然的にホスピタリティガーデンである。
ホスピタリティガーデンは「日本グランプリ観戦の新定番」と銘打たれたスペースで、グランドスタンド前のエリアとなる。観戦券を持っていれば誰でも入れるスペースなのだが、ここではさまざまな食を楽しめるほか、「ホンダコレクションホール開館20周年記念展示 ~所蔵展~」という、貴重な車両を見学できる展示なども用意されている。
また、女性や家族向けサービスも充実しており、特に女性専用スペースとしてパウダールーム(どういった存在なのか、調べて初めて知りました)やフィッティングルーム(同前)などが用意されている。オムツ替えスペースなどは小さなお子さん連れの家族には嬉しいサービスだと思う。
食という点では、私が真っ先に注目したのが「エル・カミオン」、走るクラフトビアバーである。アメリカ直輸入の大型トラックがビアバーに改造され、東京 天王洲のクラフトビールを楽しめるのである。仕事がなかったらここと観戦スタンドを往復することになっただろう。もちろんほかにもワールドワイドで本格的なグルメ・スイーツや、気軽に楽しめる出店がズラリと並ぶ。
そんなホスピタリティガーデンに初めて設けられたのが「ビクトリースタンドラウンジ」だ。このビクトリースタンドラウンジは限定120席のみ販売され、専用チケットで入ることができる。近くに専用駐車場が用意されたり、オフィシャルプログラム(通常1500円)がもらえたりする。V席に隣接するこの空調の効いたラウジンでは、休憩しながら飲み物を楽しむことができるほか、ビュッフェスタイルの朝食や昼食が用意されている。他にもスペシャルゲストのトークショーがあったり、モニターでレース観戦ができたりと、かなりくつろげる空間となっている。
また、ビクトリースタンドラウンジのチケットを持っていると、後述する「セレブレーションアリーナ」で優先的にコースへ入ることができる。実は今回、取材ということでこのラウンジに入れていただきランチを試食させてもらったが、クオリティはかなり高いと思う。ドリンクも充実していて、ゆったり優雅にレースを楽しむというなら限定120席を狙うのもアリだと思った。
ホスピタリティガーデンまできたら、自分の指定席を確認しておきたい。というのも、今回確保した座席はホスピタリティガーデンの前にあって、メインストレートが間近に見られるビクトリースタンドにあるからだ。いわゆるV席というのだが、ここからはメインストレートはもちろん、左手にスターティンググリッド、右手にビクトリーコーナーを見ることができる。自分の座席も分かったし、決勝当日どう動けばいいかも把握した。あとはツインリンクもてぎを楽しむ、もとい、取材する仕事に戻ろう(いえ、ここまでの流れも仕事のうちです)。
中央エントランスからグランドスタンドプラザへ
基本、ツインリンクもてぎでは「どこへ行っても」何かが食べられるし、グッズなどが購入できる。これがまたまんべんなくというか、どこからでも近いというか、利便性の高さは国内サーキットでもかなり高い方だと思う。なので観戦の合間などに周辺をぐるっと歩きまわってみることをオススメする。
例えばサーキットへ入場する際、必ず通る中央エントランス周辺。周囲にはさまざまなアクティビティがあるし、売店も多数出ている。中央エントランスからサーキットへ入場すると、正面にグランドスタンドプラザがあり、左手にカフェレストランオークなど食事の売店が並び、右手にはバイクメーカー、用品メーカーのブースや展示がある。
サーキットの基本はレース観戦な訳だが、それだけで終わってしまっては大変もったいない。ぜひいろいろ歩きまわって普段の運動不足を解消してほしい(私だけか?)。ちなみに食事の売店だが、本当に山ほどある。あれこれまわった私の個人的な感想だが、ツインリンクもてぎの売店は全般的にクオリティが高くてコスパもいい。「どれを選んでいいか分からない」ぐらいに数が多いため、迷う人もいるだろう。そんなあなたにオススメしたいのは「行列狙い」だ。要するに、行列ができている売店は美味しいかコスパがいいのだ。迷ったら行列に並ぶ、これ基本。
さて、ここからは中央エントランス周辺、サーキットに入場して右往左往した時の写真を順不同で紹介したい。
待望のロッシが登場! MotoGP前夜祭
20日土曜日、時間はどんどん過ぎていき中央エントランスに面したMotoステージでは16時から前夜祭が始まるという。大変な盛り上がりを見せるというこの前夜祭、いや想像以上に盛り上がっていたのには驚かされた。というか事前に「16時より前に中央エントランスに行かないと、いい場所取れませんよ」と聞いていたので、かなり前に入ったのだがすでにステージ前には観客が。
それもそのはず、この前夜祭ではステージに明日の決勝を走るライダーたちが登壇してトークショーを繰り広げるというのだ。そしてそして、その中にはあのザ・ドクター、バレンティーノ・ロッシ選手も含まれているというのである。もちろんロッシ選手も含めてライダーたちは明日の決勝を走るのだから、優先すべきは自身とマシンのコンディション。一応、登壇時間の目安はあるものの、時間がずれたりキャンセルがあるのは当たり前なのだ。
ファンの前に立てばサービス精神旺盛なロッシ選手ではあるが、レース優先であるが故にこういったステージに立つことは少ない。ぶっちゃけた話、きてくれるかどうかは五分五分という雰囲気なのだ。秋も深まるこの季節、日が落ちるのも早いが、気温が低下するのも早い。そんな中、次々と登壇してトークを繰り広げる世界最高峰のライダーたち。会場の盛り上がりも凄まじく、熱気と人に溢れる訳だが、その裏には「ロッシきてくれるかな?」というそわそわした気持ち……。
そして……。
ロッシきたぁぁぁぁぁ!(以下、繰り返し)
ザ・ドクター、ゼッケン46、世界のロッシが前夜祭のステージに姿を現したのだ。直前までピットで作業をしていたというから、マシンのセッティングなどで到着が遅れていたのだろう。その間、なんとか場を繋いだ関係者の皆さんに敬意を表したい。特に、恐らく突然ステージ呼ばれたであろう原田哲也氏、そして場を繋ぎながらも盛り上げてくれた吉本芸人の皆さんには本当に感謝したい。
夜も至れり尽くせりのオーバーナイトスクエアへ
ロッシ選手の登場で一気に沸騰した前夜祭であったが、それを見終わったら場内ループバスに乗ってわれわれの場合はN5駐車エリアへと戻る。キャンプ、そしてテント泊と言えば本来なら自炊、キャンプ料理を楽しむことになる。しかしここはツインリンクもてぎ、しかもMotoGPの開催中である。食事をしつつ、盛り上がれる場所がちゃんと用意されているのだ。それが「オーバーナイトスクエア」だ。
オーバーナイトスクエアを主催側は「全国から集まったMotoGPファンが朝まで語り合うスペース」と説明している。実はここに1つだけ謙遜(?)があって、オーバーナイトスクエアはもっとスケールが大きい。そう、全国から集まったではなく「全世界から集まったMotoGPファン」という表現の方が正しい。
まあ、分かりづらいな。要するにツインリンクもてぎに集ったMotoGPファンが、場合によっては朝まで楽しめるパーティースペースだと思ってくれればいい。そしてMotoGPファンは全世界から集まってくるということなのだ。実際、われわれもオーバーナイトスクエアに行ったワケだが、海外からの来訪者も多数見られた。
オーバーナイトスクエアのメイン会場は、われらがN5駐車エリアから歩いて行ける場所にあり、那珂川で獲れた鮎の塩焼きといった栃木ならではの食事が用意され、あの! 走るクラフトビアバー「エル・カミオン」が移動してきていたりする。さらにセブン-イレブン(もちろんコンビニの)が臨時の出張店舗を出していたり、照明付きの広々とした椅子テーブルが用意された飲食スペースなどもある。要するに食べて、飲んで、語らえる場所となっているワケだ。キャンプ料理はキャンプに行けば楽しめるが、オーバーナイトスクエアはMotoGPでしか楽しめない。ならばオーバーナイトスクエア一択だ。
ほかにもバイクレースのゲームコーナーやゲストも登場するステージ、映画上映などもあるビッグスクリーンなどもある。隣接する車中泊エリアは「休憩エリア」と「語らいエリア」に別れていて、休憩エリアは22時になったら静かにして明日に備えるエリア。語らいエリアの方はもう少し長い時間会話などを楽しむエリアだが、それでも24時以降は周囲への配慮を求められている。
話をメイン会場に戻そう。ソロツーリングでレース観戦にやってきた、仲間と連れだってレースやサーキットの雰囲気を楽しみにやってきた。人それぞれだとは思うが、ぜひ見知らぬ人々との交流も楽しんでほしい。何せそこに集っているのはレースファン、MotoGPファンなのだ。根底に共通する趣味、話題があるのだから気軽に声をかけて新しい友人をオーバーナイトスクエアで作ってみてほしい。もしかしたら海外の友人を作るいい機会かも知れない。
実際、われわれも(主に編集担当)同じテーブルにいたロッシの大ファンという女性と会話を楽しんだ。近隣都市に宿を確保し、1人できたというその女性、なんと4年連続の来場だそうで、明日の決勝ではSNS仲間と合流するとか。ロッシ大好きなのだが、こと走りに関しては別に好きなライダーがいるという話は興味深かったというか……分かる、その感覚!
食べて、飲んで、飲んで、食べて、飲んで夜も更けていく。オーバーナイトスクエアも楽しいが、本命は明日の決勝なのでそこそこ気分のいいところでテント、あるいはクルマへと引き上げよう。そして暖かくしてグッスリと眠るのだ。明日、どんなレースを見られるかを考えながら。
MotoGP決勝、興奮のセレブレーションアリーナ体験!
2018年10月21日、日曜日。文字どおり雲1つない快晴のもと、ついに2018 MotoGPは決勝の日を迎えた。朝からウォームアップ走行が始まり、11時からMoto3、12時20分からMoto2、そして14時から世界最高峰のバイクレース、MotoGPの決勝レースが始まる。ちなみにMoto3は20周、Moto2は23周、MotoGPは24周で争われる。それぞれ1時間と少し、スピーディでスリリングな展開が素晴らしい。
そんなMotoGP決勝に華を添えてくれたのが百里基地から飛来、歓迎フライトを行なってくれた2機のF-4EJ(改)だ。老朽化に伴いその数を減らしているF-4EJ(改)だが、現在でもそれを運用しているのは航空自衛隊百里基地、第7航空団の第301飛行隊か第302飛行隊。場内アナウンスを聞きそびれてどちらの隊かは不明だが、前後席ともに三佐を揃えてきたところに力の入れ具合を感じる。
先ほど「雲1つない快晴」と書いたが、そんな青空にごついジェット戦闘機の映えること。2輪、4輪に限らず、海外のビッグレースでは戦闘機などがフライパスを展示することはよくあるのだが、それをMotoGPで見られるとは。しかもその機体が今となっては懐かしさすら感じるF-4EJ(改)なのだから、いやが上にも盛り上がる。いや、軍用機に興味のない人でも、あの双発ジェットの爆音を聞けば興奮するはずだ。空にジェット排気音、そして地上にエキゾーストノート、MotoGPの決勝がスタートする。
結果に関してはゼッケン93、レプソル・ホンダのマルク・マルケスが劇的な優勝。同時に5度目のチャンピオンを決めたが、これは2016年以来のことだという。さあ、優勝が決まれば次は表彰式である。ここで国内のMotoGPとしては初めてとなるイベントが行なわれた。それが「セレブレーションアリーナ」だ。簡単に言ってしまえば観客を表彰台近くのコースに入れて、選手を祝福するというものである。
間近に観客がきて歓声をあげれば選手も盛り上がるし、そもそも観客は表彰台を近くから見られるのだからこれほど嬉しいことはない。まさにウィン・ウィンのイベントなのだが、初となる今年はビクトリースタンド、いわゆるV席の観客を中心に誘導したとのこと。私もその中に入ってみたのだが、まずつい先ほどまで決勝レースが行なわれていたコースに出られるのが嬉しいし、表彰台が近くにあって喜ぶ選手を見られたのも感動だった。今年が初めてということで、来年がどういった方式になるかは分からないが、ぜひ今後も続けてほしいイベントだと思う。
レース終わって日は暮れて……
決勝レースは面白かったし、セレブレーションアリーナでコースに突入できたのも素晴らしかった。表彰台をあれほど間近に見られるなら、プラスαの出費も納得できる。テント泊もうまくいったし、食事も(ビールも)堪能した。さて、それでは家に帰るとしよう、そうです、お家に帰るまでがレース観戦ですから。でもって覚悟していた通り、駐車場脱出渋滞発生ですね、はい。ただし今回はMotoGPということで、バイクの来場者が多かったせいか、クルマのビッグレースほどの混雑ではないというのがCar Watch編集担当の意見。
いや、分かっていたのよ最初から。例えばN5駐車場には最終日に約5000台からのクルマが駐車していた訳ですわ。そのクルマがレース終了後、一斉に駐車場出口に向かうのだもの、どう考えたって出口渋滞発生しますわな。そんな中、車中泊に使ったエスクァイアとは別のクルマできていたカメラマン氏は、さすがにレース取材に慣れている。「ひと休み(2~3時間)してから帰りますんで」とのこと。
レース終了後、駐車場から出るクルマで混雑するのは仕方のないこと。ならばこちらものんびり構えてひと休み、三々五々帰路につくぐらいがいいのかも知れない。駐車場所によってはさらに時間もかかるだろうし、時間差通勤ならぬ時間差出場というやつだ。ちなみに、運営側に対してこの出口渋滞に対する意見がかなり寄せられたそうだが、実際の現場は大きな混乱もなく(少なくともN5に関しては)互いに譲り合って粛々と出口へ向かっていた。このあたりはいい意味で仲間意識というのだろうか、そういったものが発揮された結果だろう。
また、駐車場から出た後は比較的スムーズにクルマは流れて、北ゲートには20~30分ほどで到着した。帰路はゲートを出てからが勝負、繰り返しになるが無事帰宅するまでがレース観戦である。ちなみに私と編集担当は東京を目指して、那珂IC(インターチェンジ)から常磐自動車道に乗るルートをとった。途中休憩したSA(サービスエリア)がMotoGP一色になっていたのには笑ったが。ヤマハブルー、ロッシのイエロー、そしてマルケスのレッドが目立っていたように思う。
そこそこ渋滞にハマりつつもクルマは順調に走り、レース終了後にツインリンクもてぎを出て21時過ぎには帰宅することができた。ということは、レース終了後にサーキットのアクティビティエリアや駐車場で小1時間ほどまったりしてから出ても、22時ぐらいには帰宅できるということだ。
いや、今回の取材は実に楽しかった。まず何より観戦初心者にも楽しみやすい、短時間で決着のつくレース。そしてテント泊や車中泊という、それが趣味でない場合は非日常体験となる宿泊も新鮮だった。充実した食やサーキット周辺のアクティビティも楽しめたし、見ず知らずの来場者とのコミュニケーションもよかった。
来年、またMotoGPを観戦するためツインリンクもてぎを訪れよう。そして今度こそ、バイクで来ようと思う。もちろん宿泊はキャンプのテント泊、V字オートキャンプサイトがいいかな。できれば1回はキャンプ飯をやってみたい。予算が許すならV席を確保、ビクトリースタンドラウンジのチケットを確保して、またコースに突入したいとも思う。「来年はどうしよう、どう楽しもう」と思えるレース、それがツインリンクもてぎのMotoGPなのだ。さて、来年が楽しみ楽しみ!