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【MotoGP 日本グランプリ 2018】マルク・マルケス優勝会見。「安定した成績を残せたのはバイクに自分を合わせるようにしたから」

2018年10月20日 予選

2018年10月21日 決勝

マルク・マルケス選手の優勝会見

 10月21日に行なわれた「2018 FIM MotoGP 世界選手権シリーズ第16戦 MOTUL 日本グランプリ」では、マルク・マルケス選手が優勝し、2018年のシリーズチャンピオンを獲得した。これで、2016年から続く3連覇を達成したことになる。ここでは、決勝レース後の優勝記者会見でのマルケス選手のコメントをお届けする。

ゴール後にドヴィツィオーゾ選手がいなくて残念。これからも「レベル」を上げていく

――今日のレースの感想を。

マルク・マルケス選手:(優勝は)本当にうれしい。今日のレースは思った通りにいけた。(6番手になった)昨日の予選の後は分析を重ねて対策し、そのおかげでウォームアップでは予選よりペースよく走れた。レース前はスタッフに(ミディアムとハード)どちらのリアタイヤをレースで使うのがいいか確認して、ドヴィ(ツィオーゾ)と同じペースで走れている方を選ぶことにした。

 6番手からのスタートだったので、自分に「ファーストラップは完璧にやるぞ」と言い聞かせた。実際に2番手まで追い上げて、ドヴィを集中してマークできるようになったところで、後ろから様子見することにした。最後まで全力で走らなければならなかったけれど、たぶん9ラップくらいのときだったか、アタックを仕掛けたときはミスしてコースオフしそうになった。ドヴィにまた抜かれたけど、それでも食らいついて、最終ラップまでにオーバーテイクできた。

 前戦のタイと似たようなパターンになったわけだけれども、ラストラップでドヴィがコースオフしたと知ったとき最初は、やった! タイトルを獲れた! と思った。でもゴールした後は、彼が近くにいなくて残念な気持ちになった。しかし、すばらしいシーズン、すばらしいレースだった。

――この週末、タイトルにつながったのには何がポイントになったか。

日本グランプリのトロフィ

マルケス選手:1つは(第14戦のスペイン)アラゴンの後。(優勝したことで)自分は戦える、もっと高みに行ける、と感じた。ただ、そういう気持ちになるのが僕はあまり好きじゃないから、他のモチベーションになるものを見つけようと思ったし、それ以降のレースでも、今日のもてぎでも勝ちにいく、と心に誓った。

 今週は最初あまりいい感じがしなかった。でも、(転倒した)フリープラクティス4の後、勝てると思えるようになった。予選は(6位という)ひどいありさまだったけれど、ウォームアップセッションの後、いつものようにスタッフと話し合って、予選のポジションの原因を分析して、優勝するのに十分なレースペースがあることを確認した。

 レース全体から考えて一番重要になると踏んだオープニングラップに徹底的に集中して、前にいるライダーをオーバーテイクしてドヴィに追いつこうとした。それができた後はドヴィの後ろにいるようにコントロールした。彼が違うラインを通ったり、遅かったり、プッシュしたりといった様子を観察して、最後の4ラップは全力を注ぎ込んだ。

――シーズンを通してみると、何がポイントになったと思うか。

左にあるのはウィニングランの時にかぶったヘルメット

マルケス選手:シーズン中は平均的に速く走れるよう懸命にやっている。昨年(2017年)のドヴィを見ると、シチュエーションに応じた適切なマネジメントができていた。僕らのチームは今年そういう点もうまくやれたと思うけれど、それに加えて、僕がもう少しだけバイクに自分を合わせるようにしたのもよかったんだと思う。バイクから得られるものはわずかだったりするけれど、このバイクと自分との歩み寄りが今シーズンの安定につながったのでは。

 厳しい(16位に終わる)結果になったムジェロがシーズン唯一の大きな失敗。それ以外は安定した成績を残すことができた。そのあたりがキーになったと思う。もちろんシーズンを通じてレースを楽しもうとしているし、楽しみながら優勝を狙っている。それが正しいやり方だと思う。

――2019年は(ホルヘ・ロレンソ選手が加わって)また新しいチームでの新しいチャレンジになる。

マルケス選手:毎年、毎シーズン、僕はプレッシャーを感じているし、タイトルに向けて戦うモチベーションも持ち続けている。最後までそういうレース人生を歩んでいきたい。僕らには(上げるべき)「レベル」というのがあるから。とりあえず今夜はお祝いして、次のオーストラリアグランプリでも祝うし、またその次のマレーシアでも、そして最終戦のバレンシアでもお祝いするつもり(笑)。来年1月まで楽しんで、その後はまた2019年シーズンに向けて気持ちを集中させる。それでまたいい結果が出せるように頑張りたい。

表彰台に飾られた「レベル7」のサインボード。TVゲームでの「レベル」を意識したデザイン