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【2017 MotoGP 日本グランプリ】MotoGPのフロントロー3名、Moto2&Moto3のポールシッターによる予選後記者会見
Moto2中上選手、逆転ポールは「狙ってもできないシナリオ」
2017年10月15日 00:32
- 2017年10月13日~15日 開催
10月14日、「2017 FIM MotoGP 世界選手権シリーズ第15戦 MOTUL 日本グランプリ」の公式予選がツインリンクもてぎ(栃木県芳賀郡茂木町、全長4.801km)で行なわれた。その予選後にMotoGPのフロントロー3名、Moto2とMoto3のポールシッターによる記者会見が開かれたので、各人のコメントを紹介する。
MotoGPクラス ポールポジション ヨハン・ザルコ選手(Monster Yamaha Tech 3)のコメント
フルレインコンディションの難しい週末だった。フリー走行ではマルケスが非常に速かったので、どう走ればいいのかを観察して、チームと情報を共有した。そういうこともあって、ウェットコンディションではあったがフリー走行1からフリー走行3までで、かなり改善が進んだ。こういったコンディションは仕掛け時。すべてのライダーが苦戦しがちなので、上位を狙えるチャンスでもある。
予選はもっと時間がほしかった。あと5分もあればスリックを履いてタイムを縮められたかもしれない。それでも予選開始時はウェット用のソフトタイヤを履き、終了直前にウェット用のエクストラソフトに変更して、きちんと機能することを信じられた。(第8戦のオランダ)アッセン以来、今年2回目のポールでとてもうれしい。
(決勝レースの戦略については)明日14時のスタートまでに(天候を見て)判断したい。フラッグ・トゥ・フラッグ(タイヤ変更のためのマシン交換が許可されるルール)で僕たちにマシン交換が必要になるかは分からないが、最初から最後までドライだといい。
ポールポジションからのスタートはアドバンテージがあるし、ペースを作りやすい。雨になったとしても、今週末のウェットコンディションのおかげで、参考になるデータはたくさんある。雨だった場合、グループ(下位で他のマシンに囲まれた状態)だと視界がわるくなるので、フロントローからスタートできるのは重要だ。有利なポジションをうまく活かして先頭をキープしたい。
MotoGPクラス 予選2位 ダニーロ・ペトルッチ選手(OCTO Pramac Racing)のコメント
ずいぶん悩んだが、(タイヤをスリックにするのは)リスクが高かった。予選でピットを出た後の最初のラップ、路面を見るとまだまだ水が残っていて、スリックで走るのは怖いと感じた。結局タイヤはウェット用のソフトを使い、最後にウェット用のエクストラソフトを使った。
フリー走行では5番手付近だったから、2位は予想外でうれしい。ウェットコンディションではマシンに信頼感がなく、苦戦していたが、これで前より自信がもてるようになった。このシチュエーションでのこの結果はとてもハッピー。
明日、(ウェットレースだと)大量の水しぶきが発生するので、前に誰もいないフロントローからのスタートは大事。どんなコンディションでも万全の準備をしている。
MotoGPクラス 予選3位 マルク・マルケス選手(Repsol Honda Team)のコメント
予選、最初はウェット用のソフト、次にエクストラソフトを選んで、いいラップタイムを獲った。その後にスリックを履いたが、ポールポジションのためにレインタイヤで頑張るよりも、スリックでいろいろ試すことの方が自分にとっては大事だった。この週末はずっとレインコンディションでのフィーリングがいい。ただ、明日はフラッグ・トゥ・フラッグでもドライでも、どちらでも問題ない。
(スリックタイヤでの)ラップタイムは確かによくなかったが、わるすぎるとも言えない。それほどプッシュはしなかったし、いいタイムでラップできそうなことも確かめられた。もっといいタイムを刻むこともできただろうけど、リスキーだった。残り4レースあるので、無理せず、怪我しないようにしなければならないが、スリックタイヤについてはポジティブな感触が得られたのが収穫。
Moto2クラス ポールポジション 中上貴晶選手(IDEMITSU Honda Team Asia)のコメント
予選は非常に難しいセッションだった。1周ごとにコンディションが変わり、どんどんドライになっていったから、セッションの最後にスリックタイヤにした。
最初はできるだけこのコンディションに慣れようとレインタイヤを使うことを決めた。徐々にドライになっていく状況だったが、日本のファンに大きなモチベーションをもらっているので、まずはレインコンディションでの走行に集中して、予選終了直前にタイヤを(スリックに)変えて、頑張った。
とはいえウェットパッチも残っていたので、いきなり速く走ろうと思うのではなく、少しずつタイムを縮めていこうと。最後のラップはいくつかミスをしてしまったが、今シーズン初めてのポールポジションを、このホームグランプリで獲れて本当にうれしい。
レインかもしれない、ドライかもしれない、あるいは両方かもしれないという状況に対応するのはとりわけ難しいもの。もちろんプッシュしたいから、ドライコンディションの方がうれしいけれど、明日目覚めたら天気を確認して、雨だったらウェットのセットアップを準備するし、ドライだったら頑張るだけ。このレースに全力を尽くす。明日のリザルトを楽しみにしていてほしい。
中上貴晶選手の囲み取材での日本語によるコメント
(ポールポジションを獲った最終周は)自分のなかでは完璧ではない。完全にドライのコーナーもあれば、場所によってはリスクを負わなければいけないところ、抑えて走らないといけないところもあって、非常に難しいセッション終盤だった。とにかくミスなく、できるところはプッシュして、守るところは少し守って。
いくつか細かなミスもあった。4コーナーでスピニングしすぎてリアが暴れてアクセルを戻さないといけない状況もあった。でも(2位に)コンマ1秒以上差をつけてのポールだったので(満足)。ミスがなかったらもうちょっと、コンマ4秒か5秒は差を付けられたかなと思うくらい、難しいなかでも攻められたし、狙ってもできないくらいのシナリオでした。本当、最高ですね。
決勝レースを一番先頭からスタートできること、今シーズン初ポールが日本グランプリというのが、ものすごくうれしい。もっと前から(ポールポジションの)常連になっていればよかったんですけど。
まだ予選ではありますけど、こうしていい形で結果を残せたのは、明日の決勝レースに向けてのモチベーションとしてもプラスになる。天候は変わるとは思うんですけど、先頭からのスタートなので、自分の持っている力をウェットでもドライでも、どのコンディションでも出し切るのみです。
(予選終了のチェッカーまで)残り10秒ちょっとで(コントロールラインを)通過できたのはすごくラッキーだったし、そこで最後うまくまとめて逆転ポールを獲れたのはなかなかできないこと。(狙って)やろうとは思っていなかったです。今シーズンはポールを5回獲っていますけど、逆転ポールは初めてだったので、そういう意味では(今季)一番印象に残るうれしいポールになりました。
ドライならいけるという自信はあったので、残り15分くらいで(ピットインして)スリックに変えた。自分としてはウェットでもうちょっと速く走りたかったのと、レインタイヤの感触をつかみたいというのもあって、あまり仕上がっていないレインタイヤでできるだけ周回した。なるべくコース上に止まって周回を重ねて、もう無理だというところでピットインしてスリックに変えたという感じ。
(ピットアウト時は予選終了まで)残り9分もないくらいだったので、大丈夫かなとは思ったが、そこからプッシュして、周回ごとにタイムを上げていった。こういうコンディションはどこが限界なのか分からない。このラップタイムを出せばポールが獲れる、というのは(目安が)ないので、最後までみんなが赤連発(ライブタイミングで区間自己ベストは赤色で表示される)で来ているなかで、最後競り勝てたのはうれしいですね。
ウェットはまだまだ(セッティングできていない)。今日午前中も転倒して、正直、なんで転倒したのか分からないくらいフロントタイヤをつかみ切れていないところがあって、不安がある。ブレーキングは大丈夫なんですけれど、転んだタイミングでは、(アクセルを)開けていったときにフロントがどんどん軽くなっちゃった。ウェットは雨量によってタイヤのフィーリングがすごく違う。
(明日の決勝レースが)ウェットになるのであれば、川ができない程度の土砂降りくらいのほうが、まだ自分としてはつかみやすい。フリー走行3くらいの、乾いてはいないが雨量の少ない状況だと、(全般的に)転倒者が一気に続出している。コンディションの変化でフロントが全然違う動きをしちゃうので。
できるだけそこには対応したいですが、決勝がドライだったら優勝できると思います。それだけの速さがあるし、自信もある。ウェットは正直(自信が)ないです。できるところはいきますけど、ドライほど仕上がりきっていないというか、もうちょっと時間がほしい。ポールからスタートするので、どんなコンディションでも準備はして対応していきたいと思っていますし、絶対いいレースにしたいです。