トピック
高橋敏也の「2016 NGKスパークプラグ 鈴鹿2&4レース」観戦記
おっさん、鈴鹿へ行く! 鈴鹿サーキットはパラダイス!?
(2016/5/25 00:00)
私にとって鈴鹿8時間耐久ロードレース(鈴鹿8耐)はロマンである。ということは、もちろんその鈴鹿8耐が開催される鈴鹿サーキットはまさに聖地。ラブライバーにとって神田明神が聖地であるのと同じように、鈴鹿サーキットは私にとって聖地なのである。もっとも、仕事とかタイミングとか、そういった諸事情により私が鈴鹿サーキットを訪れる機会はなかった。そう、Car Watchで仕事を始めるまでは!
Car Watch様のお陰をもちまして、私もついに鈴鹿サーキットを訪れることができた。しかも、自らのクルマをドライブし、あるいは自らのバイクであるカワサキ Z1300に乗ってである。日ごろなにかと私をないがしろにしたり、無理難題をふっかけてくるCar Watchではあるが、このことには心から感謝したい。
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でもってCar Watchから着信。
編集部:「鈴鹿サーキットで開催される『2016 NGKスパークプラグ 鈴鹿2&4レース』(以下、鈴鹿 2&4)というイベントを見に行きませんか?」
高橋:「鈴鹿 2&4? それはいったい何ですか?」
編集部:「なんと2輪のレースと4輪のレースが同日開催されるという夢のようなイベントです」
高橋:「おお!それは素晴らしい! で、私はそのレースをリポートすればよいわけですな?」
編集部:「あ、リポートはいいです。普通のおっさんが鈴鹿サーキットに遊びに行くというのが今回のテーマですから」
高橋:「何を言っているのかね、君は」
ま、いつもの流れである。要するに、首都圏からどこかへドライブに行きたいとか、ツーリングしたいというときに、鈴鹿サーキットは最高のターゲットなのではなかろうか? と、そういう話なのである。なので、それを普通のおっさんである私に証明しろと、そういう話なのだ。ちなみに、レースの方は別の人がリポートするので問題なし。私は鈴鹿サーキットまでの旅を楽しめばいいということだ。そんなおいしい話に乗っからない手はないと、おっさんは三度の鈴鹿サーキット行きを即断したのであった。
なお、開催された全日本スーパーフォーミュラ選手権の決勝レースの結果などは関連記事を参照していただきたい。
東京から向かう鈴鹿サーキットは最高の目的地
某地図ソフトによれば、私の自宅から鈴鹿サーキットまではクルマ(バイク)で387km。平均60~70km/hで走れば6時間と少しで到着する距離である(ほぼ全行程で高速道路を使い、途中の休憩なども含めた感じの設定)。ストイックに走れば5時間以内に短縮することも可能だろうが、今回の目的は「遊びに行く」なのだ。急ぐより「楽しむ」ことが重要となる。
そして400km弱の387kmという距離感。これがいいのである。今回は1泊2日の旅をシミュレーションしたのだが、例えば渋滞を避けて早朝に都内を出発して鈴鹿サーキッに向かったとする。途中で数回、たっぷりと休憩したとしても7時間後には到着している計算だ。早朝の6時に出発したとして7時間。13時には鈴鹿サーキット入りとなる。宿泊先に向かう前にかなりの遊び時間を確保できるわけだ。
一方、その距離感はどうだろう? あくまで普通のおっさん、私個人の感覚では以下のようになる。これはバイクによるツーリングを想定したものだが、クルマであっても休憩時間や目的地に到着してからの遊び時間を考えればこんな感じになるだろうか。
・1km以下 歩こうよ……
・150km前後 ショートツーリング
・300km前後 ミドルツーリング
・500km以上 ロングツーリング
そう、都内から鈴鹿サーキットに向かうのは、個人的な感覚だとミドルツーリング(ドライブ)なのである。ショートツーリングなら日帰り、ミドルツーリングであれば1泊2日ぐらい、ロングツーリングなら数日間の旅行。逆の言い方をすると、1泊2日の旅はミドルツーリングであり、都内から鈴鹿サーキットぐらいまでがちょうどいい距離なのだ。ショートでは物足りないが、ロングとなるとスケジュール的に難しい。1泊2日のちょうどいい旅、私にとってはそれが鈴鹿サーキット行きなのだ。
鈴鹿サーキットまでのルートのメインは新東名高速道路となる。移動が速いというだけでなく、安心・快適なことも大きなポイントだ。また、各所にSA(サービスエリア)やPA(パーキングエリア)があるため、休憩や食事でも利便性が高い。おっさん同士のツーリングや、家族連れのファミリードライブに最適のルートと言えるだろう。特に最近のSAは設備が充実しているので、「SAに必ず寄る」SA巡りなどもわるくない。
ツーリングにしろドライブにしろ「走るのが楽しい」という人も多いだろう。それとは別に、目的地に到着してからのアクティビティが楽しみという人も多いと思う。歳を取ってもそこはそれ、ツーリングもドライブもスケジュールを考えているときが一番楽しいのは遠足と同じ。参加者(場合によっては家族)全員が楽しめる、バラ色のスケジュールを考えてみてほしい。
今回の私の鈴鹿サーキット行きは、仕事ではあっても「ドライブ、ツーリングを楽しむ」シミュレーションである。話が来たときは自分のバイクで行こうかとも思ったが、取材機材がある上にCar Watch担当者が同行するとのこと。ならばとクルマを使ったドライブをシミュレーションすることにしたわけだが、まあね、ファミリードライブの雰囲気は出ないわな。ともかく、こうして私の新型プリウスは、おっさん2人の発する加齢臭とともに鈴鹿サーキットを目指して新東名高速道路をひた走ったのであった。
鈴鹿サーキットを食べ尽くす(大げさ)!
天気はいいし、まだまだ新しい新東名は快適。SAの設備は充実しているし、食事も旨い。これで隣に座っているのが愛する家族であったりすれば何も言うことはないのだが、いかんせんプリウスの助手席に座っているのはおっさんである。「あなたがおっさんを見るとき、おっさんもまたあなたを見ているのだ」という格言があるかどうかは知らない。とにかく、都内を朝の6時に出発した我々は、途中でさんざんSAなどに寄り道をしたにも関わらず、午後には鈴鹿サーキットに到着することができた。
4月23日、土曜日。すでに鈴鹿サーキットは賑わいを見せていた。それも当然で、当日は鈴鹿 2&4の予選。レース観戦というものは予選を見て注目すべきチームを決めておき、翌日の決勝に挑むのが自然な流れだからだ。どうしてもスケジュールが合わないというなら決勝のみの観戦でもいい。しかし、どうせなら予選と決勝はセットで楽しみたいものだ……。と、ここで話の都合上、時系列が前後することをお断りしておく。
4月24日、日曜日。サーキットの朝は早い。8時にはMFJ全日本ロードレース選手権 JSB1000のウォームアップ走行が始まり、8時50分にはスーパーフォーミュラのフリー走行が始まる。「決勝が見られればいいから」という人だって、フォーミュラ3選手権 第2戦 決勝が10時5分には始まるのだ。サーキットにはレース好きが集まるわけで、出遅れると“駐車場を探して三千里”なんてことにもなりかねない。早めの行動開始はレース観戦の鉄則である。
ちなみに駐車場に関して。F1日本グランプリ期間中を除いて鈴鹿サーキットの駐車場料金はクルマだと1000円、バイクで500円となっている(ともに1日料金。クルマは一般的な乗用車の場合)。駐車場はかなりの大きさで収容台数も多い。だが、人気のビッグレースとなれば、その大きな駐車場が埋まってしまうのもまた事実。したがって、鈴鹿サーキットの駐車場に駐めたければ早めに入るのが一番なのだ。ただ、もし駐車場がいっぱいでも慌てないように。鈴鹿サーキット周辺には民間の駐車場もあるので、そちらを利用することも考えたい。
サーキットでは早めの行動が鉄則、よって宿では朝食を摂らない! 「ポリシーと健康のため絶対に朝食を摂るのだ」という人は、鈴鹿サーキットまで向かう途中にコンビニがあるので、そこを利用するという手もある。だが、あくまで主目的は鈴鹿サーキットである。サーキットに入ってから食いまくるというのが正しい姿なのである。なので、サーキット内のお店がフル稼働するお昼近くまでは我慢して、目当てのお店が開いたら鈴鹿サーキット フード祭りの開幕である!(注:腹を空かせるのはいいとして、夏場は水分補給を怠らない! これも鉄則)。
旅の楽しみ、その1つにして最大のものは食! そして鈴鹿サーキットは、大変ありがたいことにフードスポットだらけなのだ。軽食であればいくつも楽しめるが、比較的ガッツリしたものだと数をこなすのはキツイ。それでもせっかく鈴鹿サーキットまで来たのだから、楽しめるだけ楽しみたい。だからこそ腹を空かせての入場をお勧めしているわけで、私もCar Watch担当者も実際にそうしてみた。というわけで、4月24日には決勝レースを横目に見ながら(だってリポートは私の仕事じゃないし)実際にやってみた!
まず向かったのは、レース観戦に行くのにもモートピアまで遊びに行くのにも便利なGPスクエア。あまり動きまわりたくないが鈴鹿サーキットの食はしっかり楽しみたいという人はここをターゲットにするといい。常設のフードスポットだけでなく、GPスクエアフードコートにもたくさんのお店が出店しているからだ。
「フードスポットだらけ」というからには、もちろんこれで終わるはずもない。鈴鹿サーキットは広い! そりゃそうだ。全長5807mのコースに18のコーナーがある国際レーシングコースを有するのだから、広くて当たり前。そしてそのコースに沿って要所要所にフードスポットがある。その中でもお勧めは、GPスクエアから観覧車に向かって坂を登って行き、日立オートモティブシステムズシケイン(以前は“カシオトライアングル”と呼ばれていたところ)観戦スタンドの上にあるスポット。最終コーナーも見られるし、食事もかなり充実している。メインスタンドやGPスクエアからさほど遠くないのもポイント。
面白かったのは、ファストフードの年間チャンピオンを目指して各店が競い合うという「FF1グランプリ2016」。年間を通して行なわれるこのイベントは、それぞれのメニューが売れた数で順位が変動する。鈴鹿 2&4の決勝レースが開催された4月22日時点では「鈴から」「牛カルビ串」「ねぎたこ焼き」が上位3チームとなっていたのだが、これがまたファストフードらしい。要するに手軽にパッと食べられるものが上位に来ているようなのだ。年間を通して行なわれるイベントなので、果たして年末にどうなっているか結果が楽しみである。
今回、個人的に思うところがあってフードにはかなりこだわってみた。というか、多少の無理を感じつつもできる限り多くのフードにチャレンジしてみた。そしてあくまで個人的な意見ではあるが、ナンバーワンだったのは「竜鳳」の牛カルビ串。「ま、普通の牛串だろう」と思っていたら、いい意味で裏切られた。柔らかく味もよく、600円という値段以上の価値を感じさせるものだった。ほかにも定番である焼肉ランチ、たこ焼き、から揚げなどなどを試した。じっくり時間をかけて食べ歩いたのだが、やっぱりちょっと多かったかも……。
リポートはしないけど、レースは観戦する!
サーキットでリアルに観戦するレースは実にいい。音、匂い、そして風。コース付近にいれば走り抜けるモンスターマシンたちの排気ガスが、音というより振動として身体に伝わってくる。もちろん爆音(「ばくおん」と入力して変換したら、最初に「ばくおん!!」が出て驚いた)も楽しめるのだが、振動を身体で感じるというのはサーキットならではの体験だ。匂いに関して言えば、これはもうサーキットならではのものであり、缶詰にして売ってもらってもいいぐらい。排気ガスはもちろん、エンジンやブレーキ、タイヤが焼ける匂いなども、TVやインターネットで観戦してもこの匂いは伝わってこない。
以前、Car Watchの仕事として初めて鈴鹿サーキットを訪れたわけだが、バイクマニアである私にとって鈴鹿サーキットは鈴鹿8耐そのものなのだ。「いつかは行きたい」と思いながらも、仕事とかタイミングとかそういった諸事情に阻まれ30年。再び鈴鹿サーキットを訪れて思うのは「もっと早く来るべきだった」ということ。目前を駆け抜けるフォーミュラカー、そしてレーシングバイクを見ながらつくづくそう思う。ここにしかない体験があるのだから、ここには早く来るべきだったのだと。
そんな感傷的な理由のほかにも、もっと早く鈴鹿サーキットに来るべきだったと感じた理由がある。若いころならもっとアクティブにサーキットを動けるのではないかと思ってしまうのだ。レース観戦のスタイルは人それぞれ。メインスタンドに陣取って駆け抜けるレーサーたちを見るのもよし、観戦ポイントを小まめに移動して見るのもよし。はたまた観戦しつつ、写真や動画を撮るのもいいだろう。なんにせよ、せっかくサーキットに来たのだから隅から隅まで楽しみたいものだが、そうなると重要になってくるのが「体力」である。
例えば鈴鹿サーキットの場合、数カ所に「激感エリア」というものが設けられている。コース至近に設置されているため臨場感が半端ない。また、コースの近くということで撮影スポットとしても最高なのである。ちなみに激感エリアに入るためにはパドックパスの購入が必要になる。パドックパスは観戦券とは別売りになっているのだが、それがあればピットウォークにも参加できる。レースを楽しむというなら、ある意味で必須と言えるだろう。激感エリアに入るためにも、そしてピットウォークに参加するためにも、ぜひパドックパスをゲットしてほしい(レースによって条件、料金が異なる場合があるので事前にサイトで要確認)。
もう1つのポイント。それはレース観戦に行くのであれば携帯用FMラジオ、もしくはFMラジオ機能が搭載された携帯電話(スマホとも言う)を持っていくことだ。ほかのサーキットと同様に、鈴鹿サーキットでもレースのときには予選なども含めて実況放送を行なっている。だが、サーキットは野外にあるわけだし、コースでは爆音を響かせてクルマやバイクが疾走しているのだ。時として実況放送が聞き取りにくい場合がある。
しかし、鈴鹿サーキットで開催されるビッグレースなら、FM放送が受信できれば実況を聞き逃すことはない。例えば今回の鈴鹿 2&4でも、レース実況を地元FMラジオ局が生放送していたのだ。その名も「SUZUKA Voice FM」(78.3MHz)で、4月23日は9時から16時まで、決勝の4月24日は8時30分から17時30分までクリアな音質で実況をキャッチすることができた。
ビッグレースであればこの生放送を聴けると思うので、事前に情報をサイトでチェックしてFMラジオを持っていこう。これで実況を聞き逃さずに済む。ちなみにヘッドホンやイヤホンも一緒に持っていくこと。私はスマホのFMラジオ機能を使用したが、その機能はアンテナとしてイヤホン(ヘッドフォン)を使用するものであるためちょうどよかった。余談だが、4月24日に行なわれたスーパーフォーミュラ決勝の実況には、ゲストとしてあの「松田次生選手」が登場した。以前にCar Watchの取材でお付き合いいただいたというだけでなく、SUPER GTで大活躍中の現役レーサーが解説するという大変内容の濃い放送だったのが印象に残った。
レースの合間はピットを歩く? それとも遊園地?
レース観戦を楽しむ上で外せないのがバックヤードを覗くこと。いやいや、合法的かつ人に迷惑をかけずに覗く方法がちゃんとあるのだ。それがすでに紹介したパドックパスである。このパスがあると激感エリアに入れるだけでなく、パドック、すなわち各チームで作業を行うエリアに近寄ることができるのだ(ガレージ内は立ち入り禁止ですからね!)。各チームの作業風景はもちろん、整備中のマシンだったりミーティングや休憩をしているレーサーなどを間近で見られるのである。チームによってはパドック見学者に向けて小さな展示をやっていたりするのが面白い。
そしてパドックパスがあれば、ほとんどの場合でピットウォークに参加することができる。これ! このピットウォークこそサーキットに行く醍醐味の1つと言っていい。ちなみにピットというのはガレージの前で、逆に言うとガレージ裏がパドックということになる。レース中にはマシンが飛び込んできて、レーサーが交代したり給油したり、タイヤチェンジなどを行なう場所である。そこに時間限定ではあるが入場して、ピット側からガレージ内を見学できるのがピットウォークである。
このピットウォークは、各チームにとっても来場者に対する絶好のアピールタイムとなる。マシンの展示はもちろん、レーサーのサイン会が催されたり、ステッカーやうちわを配ったりする。そしてなによりアレですよ、アレ。レースクイーンがマシンの隣に立ってにっこり笑ってくれるのである。ほとんどの場合でプチ撮影会状態になるわけだが、ほかの人に迷惑がかからないよう周囲への配慮を忘れないでほしい。また、チームによってはレースクイーンの隣に立って、一緒に記念撮影を許可しているところもある(許可、不許可はチームによって異なるので必ず現場で確認してほしい)。
もうね、おっさん的にはパラダイスなわけだが、家族連れで行ったときはご家族への配慮も忘れないこと。あまりレースクイーンばかりに気を取られていると、奥さんには呆れられ、娘さんからは「スケベ親父」のレッテルを貼られて、帰りの車内が凍りつく可能性もあるのだから。まぁ冗談は別として、ピットウォークに参加せずしてなんのレース観戦か!と、それぐらいの勢いで激しくお勧めしたい高橋である。ちなみにピットウォークは基本的に別料金、観戦券とは別なので注意が必要。鈴鹿 2&4のようにパドックパスと一緒になっているケースが多いはずだが、念のため事前にサイトで確認してほしい。
さて、今回の鈴鹿 2&4はクルマとバイクのレースが複数開催され、コースを見ればいつも誰かが爆走している状態。これはこれで楽しいし、予選などをのんびり見ているのもまた一興。だが、レースの合間にも楽しみがちゃんと用意されているのがサーキットである。また、例えば鈴鹿8耐のような長丁場のレースだと、ヒマな時間ができるのもまた事実。そんなときはGPスクエア近辺に行ってなにか催し物がないかをチェックし、その上でなにか食べる。そしておもむろにゆうえんち「モートピア」へ向かうのである。子供連れで鈴鹿サーキットに行って子供たちがレースに飽きてしまったときも、やはりモートピアの出番である。
ここで告白します。モートピア、そして鈴鹿サーキット関係者のみなさま大変申し訳ありません。不肖・高橋、鈴鹿 2&4でモートピアを実際に見るまで、正直なめてました。「サーキットに隣接する小さなアクティビティで、レースに飽きた子供たちの受け皿」ぐらい思っていました。ごめんなさい、ごめんなさい。
行ってみて驚いた。まんま遊園地! 本物の遊園地! それがモートピアである。乗り物はたくさんあるし、さすがに時期的に休止中だったが立派なプールまである。夏の鈴鹿8耐のころには、このプールを若い奥様たちがキャッキャウフフと遊びまわっていることを考えると、胸の高鳴りを抑えることができない。まあ、私の個人的な心情は別として、モートピアなら1日遊ぶことができる! これなら家族旅行として、たとえ家族はレースにまったく興味がないというシチュエーションでも対応できる。
鈴鹿 2&4のようなビッグレースだと、モートピアの方も大賑わい。お母さんだけでなく、お父さんも子供連れでモートピアを楽しんでいるようだった(が、しかし。お父さんたちの一定数は“ああ、レース見たい、レース見たい!”と心の中で呟いていたようにも感じた)。あとはまぁ想像なのだが、恐らくおっさん連中であってもモートピアは暖かく迎え入れてくれると思う、たぶん。
休日はレースを観戦しに鈴鹿サーキットに行こう!
こういうのはどうだろう? ケースその1。クルマに乗って家族と一緒に鈴鹿サーキットに行く。予選観戦、レース観戦に子供たちが飽きたらモートピアで遊ばせる。奥さんがレースに興味がないと言うなら、名古屋でショッピングを楽しんできてもらう。宿泊先は名古屋に確保する。
ケースその2。おっさんが連れだってツーリング気分で鈴鹿サーキットにゴー! 初日はそのままバイクで鈴鹿サーキット入りして、予選観戦やサーキット巡りを楽しむ。そして宿泊地である名古屋までバイクで向かう。その日の夜は美味しいものを食べて大人しく寝る。翌日の決勝レースは、名古屋から近鉄 白子駅、または伊勢鉄道 鈴鹿サーキット稲生駅まで電車に乗る。と言っても、目的地から徒歩圏内にある鈴鹿サーキット稲生駅は電車の本数が少ないので、白子駅からバスやタクシーで向かうのがオーソドックスな方法になるだろう。こうすれば駐車場の混雑に巻き込まれる心配がないうえに、サーキットでビールが飲める(無理は禁物)。やはり名古屋まで電車で戻り、その夜は宴会。翌日に帰京。もちろん決勝当日にバイクでサーキット入りしてもいい。そのまま鈴鹿サーキットから帰京という手もある(少しタフな旅になるが)。
さて、どうして私が「名古屋での宿泊」にこだわっているかというと、敷地内にある鈴鹿サーキットホテルはもちろんのこと、鈴鹿サーキット周辺のホテルまで人気のあるレース前は予約でいっぱいになっているからだ。慣れているレース観戦者は受け付け可能になったらすぐに予約を入れてしまう。そして人気のあるレースだとそれで満員御礼となってしまうため、思いつきで行く場合にはサーキット周辺の宿はまず確保できない。
ならばもう最初から、「宿泊は名古屋」でいいのではないかと考えた。名古屋と言えば旨いものの宝庫。話題になった「名古屋めし 台湾ラーメン アメリカン」を食してもいいが、せっかくの旅行でカップラーメンというのはあまりに寂しい。名古屋でしか食べられない極上のひと品をいただこうではないか!
今回の旅で我々は、鈴鹿サーキット近辺に宿を確保することを考えず、最初から名古屋に向かうことにしていた。そして夜には旨いものを食べようという魂胆である。数ある名古屋グルメからCar Watch担当者が選んだのは……、「あつた蓬莱軒」ですよ、あつた蓬莱軒! ひつまぶしの元祖と呼ばれ、ひつまぶしの本場である名古屋において大人気の老舗である。取材の依頼などはアバウトなCar Watchだが、こういった点は抜かりない。
「鈴鹿サーキットにレースを見に行くのに、宿泊地は名古屋?」というのではなく、むしろ積極的に名古屋近辺に宿泊するというのも1つの考え方ということだ。名古屋で食を楽しむ、名古屋でショッピングを楽しむ、名古屋で繁華街を楽しむ、などなどなんでもいいと思う。鈴鹿サーキットからは名古屋駅まで約60km。道路が空いていれば1時間とちょっとで到着する距離だ。レースは夕方までに終わる場合がほとんどなので、それから出発しても夕食時には名古屋にいられるということである。ただし、夕方はやや道が混雑するようなので注意が必要だ。
東京から400km近く走って行くのだから、メインターゲットの鈴鹿サーキットはもちろん、プラスワンとして名古屋を楽しむというのもいいと思う。おっさん仲間で行ったならまた別の楽しみもあるだろうが、家族でのドライブなら名古屋グルメが一番無難だと思う。
クルマでもバイクでも。レースを観戦し、美味しいものを食べ、そして遊ぶ。まさにこれこそ正しいレジャー。これからも鈴鹿サーキットではビッグレースが目白押し。7月の鈴鹿8耐はもちろん、6月にはスーパー耐久シリーズがあるし、10月にはF1日本グランプリが控えている。真夏を楽しみたいなら鈴鹿8耐がお勧めだし、世界のレースを体感したならF1がお勧めだ。鈴鹿8耐ならあのプールも存分に楽しめるはずだし(プールを楽しめるかは天候によりますが)。
あ、最後の最後に、バイクで鈴鹿サーキットに行くという人で、とくに硬めのブーツを履いているライダーへ。歩きまわるためのスニーカーやウォーキングシューズなどを必ず持っていきましょう。というのも、私も鈴鹿8耐や今回の鈴鹿 2&4で思ったのだけど、鈴鹿サーキットを十分に楽しもうと思うと歩く距離がどんどん伸びていくから。あとは雨合羽ですが、このあたりはツーリングなら持っていくでしょう。今年の鈴鹿8耐は7月28日~31日に開催。機会があれば鈴鹿サーキットでお会いしましょう!
協力:モビリティランド