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注目されるカービューティープロの「カーラッピング」 高い技術力で愛車に個性を与え、イメチェンやリフレッシュも
- 提供:
- 株式会社カービューティープロ
2023年4月24日 00:00
クルマのコーティングなどを手がけるカービューティープロは、ボディコーティングをはじめ、クルマをきれいにし、快適にするサービス「カーディテイリング」を行なっている企業。最近はコーティングや特別な洗車などのショップが「カーディテイリング」を名乗りはじめたことで、だいぶ聞きなれてきたところではあるが、カービューティープロでは、さらに一歩進め、クルマに個性を演出する「カーラッピング」も手がけている。
そもそもカーラッピングとは?
カーラッピングは名前のとおり、クルマに何かを貼り付けてくるんでしまうこと。以前からあるものとしては、広告が印刷されたフィルムをクルマに貼り付けて動く広告にしてしまうこと。そして、企業のクルマでは以前からは社名を記載することがあったが、一歩進めて企業名だけでなくロゴやイメージまで表現することができる手段として、「コマーシャルラッピング」はかなり一般化し、バスやタクシー、電車などを丸ごとラッピングする手法は非常に多くなっている。
そして、今、増えているのが、クルマの外装イメージを変えるカーラッピングだ。例えば、今のクルマのボディカラーに飽きてしまった場合や、もう少し今よりも個性を演出したいなどの要望があれば、塗装ではなくフィルムの貼り付けによる「ラッピング」で演出することもできる。
また、ラッピングで表現できるものはカラーの変更だけではない。最近流行の艶消しのマットな仕上がりも、カーラッピングで表現できることの1つ。塗装よりも手軽にマットな質感のボディカラーも表現できるのは驚き。
さらに、カーボン調の表面にすることもラッピングで表現できる。使い方は人それぞれ幅広く応用できるのがカーラッピングなのだ。
スクールを手がけプロを養成するカービューティープロ
カービューティープロでは、以前から、ボディコーティング、ウィンドウフィルム、ウィンドウリペアなどカーディテイリングに関するスクールを開き、養成した技術者が全国で活躍、業界のレベルアップにも貢献するとともに、エンドユーザーによりよいサービスを提供できる基盤を築いてきた。
カーラッピングについても同様で、スクールを開設、技術者を育てている。カーラッピングの講師は伊藤紀章氏。フィルムメーカーのエイブリィ・デニソン・ジャパンが運営する「カーラッピングインストーラープログラム」の最上位であるトレーナー認定試験に日本で最初に合格した人物でもある。
講師の伊藤氏は「カーラッピングは日本ではまだまだ浸透していませんが、海外では塗装と同じくらい身近なものです。なので、海外ではこの色ちょっと飽きたから変えちゃおうというレベルでラッピングしています。また、1台丸ごとフルラッピングしても、1台丸ごとオールペイントしても費用的にはあまり変わりませんが、ラッピングはなんといっても施工スピードが早いのと、元に戻せるという点が大きいです。塗装も上から再塗装すれば元の色に戻せますが、塗装膜が厚くなりますし、いったん塗装を剥離してから下地処理をして再塗装となれば、時間と費用がかかります。さらに、ラッピングはボンネットやルーフだけといった部分施工にも向いているので、遊び心にピッタリです。飽きたらはがせばいいだけですから、もっと気軽にトライして楽しんでほしいですね」と語る。
カーラッピングスクールのプログラムは、カービューティープロのオリジナルのもので、伊藤氏が持つ経験や技術をもとに、どんなクルマ、どんな形状にも対応する技術を身につけられるのがポイント。
スクールではフィルム自体のことを学ぶ座学からスタート
スクールで最初に学ぶことは、まず、ラッピングに使うフィルムについての基礎知識から。フィルムは塩化ビニール製だが、製法によって特徴が異なる。カーラッピングでは基本的に3次曲面に貼り付けていくため、伸びるキャスト製法によるフィルムを使用するが、バスなどの広告ラッピングでは、短期間で貼り直す場合が多く、コスト面で優れる伸びない製法のフィルムを使うことが多いという。
講師としてフィルムメーカーのエイブリィ・デニソン・ジャパンの松本健一氏から、フィルムの種類やカーラッピングに使うフィルムの特性についての説明が行なわれた。また、耐久性や温度に対する粘着力の変化、季節や作業場の環境(温度や湿度)によってどのように施工する必要があるかなど、重要な情報を直接メーカーから教えてもらえるのもカービューティープロのスクールの強みの1つ。
実際にカーラッピング業務を始めたら、クルマの色替えなどのラッピングはもちろん、広告ラッピングを手がけることも想定される。フィルムの特性を十分に理解しておくことは、施工時の技術という点以外にも、顧客のさまざまな要望に合わせたフィルム選びや提案にも重要になるため、この点はきちんと学んでおく必要がある。
また、今回のスクールで主に使用するフィルムは、粘着材にエア抜けのための加工、さらに貼り付ける際にボディの表面をスライドできる加工など、施工しやすくなる工夫が施されているが、その特性や施工方法についてもしっかりと学んでいく。
今回のスクールに参加していた堀場康平氏は、鳥取県にてラッピングサービスを開始予定。「県内にはほかにカーラッピングサービスを行なう店がなく、地元でカーラッピングを広めたい」とのことでカービューティープロのラッピングスクールの受講を決めたという。
ラッピングの前にとても重要になるのが下地処理
フィルムに関する座学が終われば、いよいよ実践となる。最初に施工するのはボンネット。基本的にスクールのラッピングコースでは、生徒が持ち込んだ車両を2週間かけて、技術を習得しながらフルラッピングを行なう。完成した車両は、卒業した技術者がお店を開店したときのデモカーとなり、顧客へラッピングの説明する題材にもなるからだ。
今回生徒の堀場氏が持ち込んだアウディの「A7」は、ボンネットのサイズが大きく、周囲の曲面部分も大きい。しかも、ボンネットの折り返し部分に段差があり、「ボンネットとしては施工難易度が高い」と伊藤先生。
最初に練習用として用意されたのは「マットメタリック ガーネットレッド」のフィルム。鮮やかながら落ち着いたトーンの赤系統のカラーとなる。また、カッターやスキージー(へら)、さらに細かいところに貼り込むための専用ツールなど、使用する道具についても、それぞれの役割までを含めてしっかりと説明が行なわれた。
貼り付ける前の重要なことは、ボディ表面の処理。洗車はもちろん行なうが、洗車のあとに水分が残っているとボディとフィルムの間に残ってしまう。昔は霧吹きで水を吹きかけてフィルムの位置を決めて、ボディとフィルムの間にある水を押し出してフィルムを貼り付けていたが、先述したとおり最新のフィルムは強く押さないと貼り付かないスライドできる機能があり、逆に水分があると、あとから熱などで膨らんでしまうことがあるので水分は厳禁となっている。
今回施工するA7は、受講者の堀場氏が中古で購入した車両。ボディには大きな傷やへこみはないものの、跳ね石による若干の塗装はがれがあり、これも施工次第ではフィルム表面に凹凸が出てしまう。練習ではマットなフィルムを使うため、やや目立たないようにはなるが、もし光沢のあるフィルムを顧客が要望した場合は、仕上がりでは凹凸が出てしまう可能性が高い。
このようなことが予測された場合に、どのような提案をするかも、講師陣からアドバイスがあった。フィルムの選び方で凹凸を目立たなくすることができるため、マットなものや、カーボン調など立体的なテクスチャーのあるものを選ぶ方法もある。スクールでは、実際にさまざまなフィルムが用意されているので、車両に貼り付けてみて、その差を確認することができる。
そして、最後に表面の脱脂を行なうが、効率的に行ないながら、長期にわたって安定した粘着力を保つには、必要なケミカルやその濃度にもノウハウがあるという。
いよいよラッピングを開始
まずはおおまかな位置合わせを行ない、不要な部分をカット。この行程もしっかりとした貼り付けには重要。そして、いよいよ剥離紙をはがして貼り付けていく。練習で利用するフィルムは実際に販売している製品と同じもので、スライドさせながら位置を決めていく。実際には1人で作業するスタッフも多いため、1人で作業する場合の位置決めのツールの使い方や、貼り付け技術を持っていないスタッフに手伝ってもらう場合の指示方法など、極めて実践的なテクニックの伝授を織り交ぜながら授業は進行していく。
また、写真や動画では分かりにくい力の入れ方も体で覚えていく。シワがなくフィルムを貼り付けるための力の入れ加減や、力の方向は特に重要だが、マンツーマン指導なので理解しやすい。講師の伊藤氏はスマートに貼り付けていくが、要所要所で強い力で引くところもあり、こればかりは直接講師から教わらないと難しいポイントとなる。
そして、曲面に合わせていく。ラッピングの重要となる部分で、ここはじっくり仕上げていく。貼っているフィルムは練習用でも、本番さながらの仕上がりを目指して作業を進めていく。
今回施工したA7のボンネットの折り返し部分には段差部分があるため、特に工夫しながらの施工が求められる。ヒートガンを使いながら形状に合わせていくが、このA7はさらにボンネットの隙間が左右で異なり、狭くてフィルムを貼り付けにくいところがあったため、さまざまなツールや技術を伝授していた。
ラッピングにおいては、縁取りをおろそかにするとはがれやすくなるため、表面以上に注意して施工しなければいけない部分といえる。
施工技術を学びながら、応用例も学んでいく
スクールではひととおりの貼り付け技術を学ぶだけではない。実際に開業すればさまざまな顧客からの相談を受けることになるため、技術を学ぶなかで要望に合わせた応用例なども覚えていく必要がある。
例えば跳ね石などによる小さな塗装はがれがある場合、そのまま光沢処理のフィルムを貼れば凹部が目立ってしまうので、パテ埋めするなどベース処理が必要となる。ただし、パテはフィルムをはがすときに一緒にはがれる可能性もある。そういった場合は傷を隠せるタイプのフィルムを選べば、処理をせずに済む。この素材選び(提案)も立派なスキルの1つとなるのだ。
また、A7はシンプルな形状なので、全体的に見れば貼りやすい車種といえるが、最近のSUVやミニバンはバンパーまわりなど、かなり複雑な形状をしているため、ただ引き伸ばして曲面に合わせるのではなく、分割して貼り付けていく技術も必要になる。その場合、継ぎ目ができてしまうが、その継ぎ目を目立たせない技術と、あとではがれてこないような方法も、講師の伊藤氏は長年の経験で生み出している。
細かな施工方法については、依頼する顧客との相談が必要になる部分もあるが、さまざまな技を身につけておくことで提案できる内容も広がってくる。実際に顧客から受ける要望は実にさまざまなので、応用も含めてプロの技をしっかりと覚えられるのはカービューティープロのスクールの強みだろう。
練習後はボンネットに本番用のフィルムを貼り付ける
練習が終わればいよいよ本番。2週間をかけてA7に「マットメタリック ブリリアントブルー」のフィルムでフルラッピングを施していく。
練習で行なったとおりに位置を合わせ、カットし、剥離紙をはがしてボディに載せていく。位置が決まったらスキージーでしっかりと密着させていく。本番となるため、失敗は許されないが、スライドしやすいフィルムのため、必ずしも1回で完全に密着させるわけではなく、少しずつ場所を決めながら伸ばして曲面に密着させていく。
中央部は最初に位置が決まるが、周囲はシワを伸ばしながらの慎重な作業となる。途中、ヒートガンをうまく使いながら伸ばしていく。ほぼ貼り終えたように見えるところまではスムーズに進むが、実はそこからが長い。シワ取りはもちろん、端からはがれてこないように少しずつ処理をしていくことになる。
「メソッドとして確立しているので、それを伝えたい」
今回スクールの指導風景を間近で見せていただいたが、講師の伊藤氏のテクニックの片鱗に接することができた。伊藤氏は30年ほどフィルム貼り付けに携わっているという大ベテラン。
カーラッピングについても「メソッドとして確立しているので、それを伝えたい」と話し、方法を身につけてしまえばどんな車種が来ても対応することができるという意味も含んでいる。経験のない車種の施工を担当するときは不安になることもあるが、伊藤氏は「決まった動きがあるので、車種によって動きは変わらない」と、基本の動きを身に着けておくことが重要だといい、「大事なところはしっかり持ち帰ってほしい」と技術の広まりに期待を寄せた。
2週間後には技術を身に着けたプロに
カーラッピングのスクールは約2週間。今回は順調に進み、初日でボンネットの貼り付けまですることができたが、2日目以降もボディ各所へのラッピングに挑む。
例えばルーフのアンテナが外せないなら、フィルムに穴を開けてアンテナ部分を逃げる技術が必要になるほか、アンテナにもフィルムを貼るなら小さな3D立体構造への貼り付けテクニックも必要になる。また、前後バンパーが複雑な形状のクルマもあり、処理の方法なども含めてさらに多くのテクニックを身につける必要があるのだ。
そして2週間後、堀場氏は見事A7のフルラッピングを仕上げ、プロフェッショナルの仲間入りを果たした。
最後にフルラッピングについて伊藤氏は「基本的には止まっている状態で、元(ベース)の色が見えないこと。もちろんドアを開けた内側も貼り込むことは可能ですが、そこまで貼るとなるとラッピングの手軽さという部分が薄れます。コストも高くなるので、内側まで貼るのであれば内装を外して塗装したほうが早いです。でも塗装したら簡単には元に戻せない。ですから、止まった状態で、ドアやボンネット、給油口などの隙間から元の色が見えないのがフルラッピングの最低限のラインだと考えています」とフルラッピングに対する考え方を教えてくれた。
このようにカービューティープロは、毎年多くの技術者を育成して起業のサポートまで行なっている。また、過去に巣立っていった技術者とも情報を共有することで、常に最新の技術へとアップデートできるのもカービューティープロならではの特徴。毎年開催されている自動車展示イベントに飾られているデモカーや、サーキットを走るレーシングカーまで、多くの卒業生が手がけているのは、まさにカービューティープロが築き上げてきた技術力とネットワークのたまもの。もしこれを読んで、カーラッピングをしてみたいなと思ったのであれば、まずはカービューティープロスクールに相談してみてはいかがだろう。
Photo:堤晋一/編集部