トピック
カービューティープロが行なう「美しいクルマ」の作り方
- 提供:
- 株式会社カービューティープロ
2021年12月23日 00:00
街中で見かける“いいな”と思うクルマはたいてい「きれい」である。新車を「いいな」と思う気持ちの中にも「きれい」であることが含まれているのではないだろうか。
そしてクルマが新しい、古いに関わらず「きれい」であれば乗っていて気持ちがいい。そんなことからクルマが好きな人ほど、クルマをきれいな状態で維持することに興味を持つのである。
そんなニーズに対するサービスに「カーディテイリング」がある。まだちょっと聞き慣れない名称だが、こちらは洗車や磨きを軸としたカーケアサービスのことである。そしてこの業界で特に長い歴史を持つ企業がカービューティープロである。
カービューティープロの母体は1976年に創業した輸入中古車ディーラー。その後、アメリカで86年の歴史を持つカーケミカルメーカーの「BAF」社が発売したプロ向けのカーシャンプーやワックス類の日本総代理店となったことをきっかけに、カーディテイリング事業を本格的にスタート。同時にカーディテイリングの技術者を育成する「カービューティープロスクール」を開講したのだが、このスクールこそ日本におけるカーディテイリング業の発展の礎となったものである。
カーディテイリングのプロを養成するカービューティープロスクール
カービューティープロスクールはカーディテイリングの知識を教えるだけでなく、経験豊富で高い技術を持った講師陣による「技能の完璧な伝授」を行なうことが特徴。
講習は東京都世田谷区にあるカービューティープロの施設にて行なっている。そこでは理論学習と実技講習を講習カリキュラムにより3日間~14日間、朝から夕方まで習うという濃密な授業があり、卒業前には筆記および実技の試験が行なわれる。そして合格者に「カービューティープロ認定書」というカーディーリング技術者の証しが渡される仕組みである。
スクールを卒業したあとは個人では独立開業、法人では新規事業としての取り組みにて、業界で活躍することになる。なお、このカービューティープロスクールは2021年12月の時点で2390名の技術者を送り出していて、その卒業生が営むカービューティープロ加盟店は約350社にもなっているということだった。
ちなみに、カービューティープロの技術者は、東京モーターショーや東京オートサロンという世界的な自動車展示会において、例えばワールドプレミアされる展示車の磨き作業や開期中のボディメンテナンスを依頼されるほどのスペシャリストである。そして、こうした人材がPROファミリー(加盟店をこう呼んでいる)のレベルの高さを証明するものにもなっているという。
最新のカーディテイリングの知識と技能を学ぶスクールの内容
カービューティープロスクールには5つの技術習得コースがあるので、そこから紹介していこう。
まずはカーディテイリングと聞いて真っ先に思い浮かべる洗車やボディコーティング、インテリアクリーニングを学ぶ「カービューティーコース」。講習期間は14日間で新車、中古車問わず、そのクルマ本来が持つ美しさを出していくための技術や理論を習得するのだが、現在のクルマでは塗料が進化しており、特殊な塗色の設定もある。また、現在の車両の塗料は、環境負荷軽減を目的に水性塗料が使われており塗膜が非常に薄くなっていることなどもあるため、塗装にあわせた施工を行なうことは必須。そこで講習中は塗料や塗装技術、塗装法なども学べるようになっている。
ちなみに、カービューティープロでは加盟店から報告された塗装等の最新情報などを本社を通じて加盟店で共有しているので、全国の加盟店は常に一定のレベルが保てる仕組みだ。それゆえにユーザーが作業を依頼する際に、「どこがうまいかな?」というような感覚で店舗同士を見比べをする必要はなく、自宅近くにある店舗に依頼すればカービューティープロとしての仕上がりを手に入れることができるようになっているのだ。
そしてもう1つ、カービューティープロコースではエンジンルームクリーニングのカリキュラムもあるのだが、この作業は搭載するエンジンに価値があるスポーツカーやプレミアム輸入車を中心にニーズがあるという。それに高級車の中古車販売業者から商品力を高める目的でエンジンルームのクリーニング依頼があるとのことだった。
続いて紹介するのは「カーフィルムコース」。こちらは8日間の研修となる。現在のクルマは純正で色の付いたプライバシーガラスを採用していることが多いので、カーフィルムでの室内のシェード効果を求める用途は減った。そのかわりに需要が伸びているのが、赤外線カットフィルム(IRカットフィルム)や紫外線カットフィルム(UVカットフィルム)である。これらを窓に貼ることで、内装や乗員の日焼けを防いだりエアコンの効きをサポートしたりするのだが、近年の夏場の暑さは尋常ではないので、UVやIRカットフィルムの需要はますます伸びていくだろう。
ボディに付いたへこみを特殊技術を用いて短時間で修復する「デントシステムコース」や、ウィンドウについてしまった飛び石傷を修復する「ウィンドリペアコース」の人気も高まっているということだ。
たしかに最近のクルマはボディが大柄になったからか、クルマの乗降時に開いたドアが隣のクルマのボディに当たってしまう事故も増えているという。こうしたトラブルでできるへこみは小さいものなので鈑金に出すほどではない。だけど小さくてもへこみには違いないので放置はしたくない。そんなときに役立つ技術がデントリペアである。
また、飛び石によってフロントガラスのヒビや割れが生じてしまうのも珍しいことではないので、ウィンドリペアのニーズも高い。特にアイサイト等のカメラ付きウィンドウは以前より修理費が高額になっているので「交換より修理」を選ぶ人は多いという。こうしたニーズに対応できる技術を学ぶデントリペアコースの研修期間は10日間、ウィンドリペアコースは3日間の研修期間になっている。
このように、カービューティープロスクールではさまざまな技術が学べる体制を取っているが、すべてのコースで受講者に伝えていることがあった。それが「施工者にとっては作業を行なう1台であってもお客さまにとっては大事な1台であるから、その1台に合うオーダーメイドに近いこだわりを持った作業を行なう」ということ。
こうした姿勢で取り組むことはユーザーの満足度を高めるだけでなく、カーディテイリング技術者としてさらなる技術力の向上にもつながるため、スクールを卒業したPROファミリーにとって初心を忘れないための心得となっている。
ボディケアの逸品、Rコレクションでキレイを実演
さて、ここからは実際の作業を写真を中心に紹介していこう。作業ではカービューティープロスクールや加盟店でも使用するメンテナンスグッズ「Rコレクション」を使う。まずはベーシックな洗車を見せてもらった。使用するカーシャンプーは「R-011 ボディシャンプー」(1320円)。こちらは塗装面のコーティング剤やワックスを落とすことなく、こびりついた汚染被膜やホコリ、泥などを除去する働きを持つ。「R-011 ボディシャンプー」は473mLの容器で販売されていて、使用時は100倍に希釈する。個人で使用する分ならかなりの回数を洗えそうだ。
洗車のあとに撥水コートを試す
洗車のモデルになった本田技研工業の「N-VAN」は汚れが分かりにくいボディカラーなので、洗ったところで見栄えはそう変わらないと思っていた。ところが洗い終わったN-VANはちゃんとキレイになっていた。これはR-001ボディシャンプーの汚れ除去力もあるだろうが、カービューティープロの洗車では普段の洗車でサッと済ませてしまう(体勢的にきついのでしっかりやらない)ところまで、プロならではの目線で適切な道具を使ってていねいに行なうので、キレイになるべきところがちゃんとキレイになっているからそう見えることに気がついた。
ボディコーティングの紹介の前にボディの磨きを見せてもらう
続いてはカービューティープロがもっとも得意とするボディの磨きとコーティングだが、こちらは次回紹介する予定だ。そこで今回はコーティングの前に行なう「磨き」作業を見てもらうことにしよう。
磨きに使用したのは黒色のフォルクスワーゲン「ザ・ビートル」。屋外で見るぶんにはボディはキレイだったが、カービューティープロの施設内にクルマを入れ、作業用のライトで照らすと細かい傷が無数に入っているのが分かったし、傷によって塗装が曇っているようにも見えた。オーナー(Car Watchスタッフ)はかなりショックを受けていた。
このような大きな違いが出たカービューティープロの磨き作業。そしてこのキレイさをキープするために行なうのがボディコーティングである。紹介する内容がとても多いカービューティープロなので、今回はここまでとして、次回、ボディーコーティングの技とノウハウ、そしてその仕上がりを紹介していく。
年末年始はクルマをキレイにしたい気持ちがもっとも盛り上がる時期だけに、今回の記事、そして次回の記事を参考にして、沸き上がってくる「キレイにしたい欲」の対処に役立て、キレイなクルマで年を越そう。
Photo:中島仁菜