トピック
【短期連載】スバル 水平対向エンジン60周年に寄せて 第3回
雪山も山道もどこでも行ける! ムービーカメラマン鈴木康聡がスバルを愛してやまない理由
- 提供:
- 株式会社SUBARU
2026年5月28日 00:00
60周年記念イベントを販売店で開催
スバルは、水平対向エンジンの誕生60周年を記念して、5月23日~24日、30日~31日に全国統一展示会「SUBARU BOXER 60th 記念祭」を各地の販売店で開催する。
展示会では、エンジンの歴史や開発思想、技術的特徴を紹介したヒストリーパネル展や、歴代エンジンサウンドの試聴、エンジン模型の展示など、さまざまなコンテンツが楽しめる。
また、店頭ではマイスバル会員向けに、歴代エンジンをモチーフにしたラバーキーホルダーを1つプレゼント。デザインは「EA52」「EJ20」「GE33」「EZ30」「FA20」「FB20」「CB18」の計7種類が用意されている。ファン垂涎のプレゼントに関して、詳しくは店舗スタッフに問い合わせいただきたい。
ほかにも、店頭での試乗でプレゼントがもらえるなど、お楽しみコンテンツが盛りだくさんの展示会となるので、詳しくはSUBARU BOXER 60th記念祭の特設サイトをチェックしてほしい。
今回の短期連載では、スバルの水平対向エンジンが誕生60周年の節目を迎えるにあたり、各方面からのメッセージを3回にわけてお届けする。最後の第3回は、スキー関連の映像撮影のため20代から国内外を巡る鈴木康聡さんのエピソードを紹介する。
1980~90年代に放送されていたスキー専門番組「SKI NOW(スキーナウ)」をはじめ、スキー関連のムービーカメラマンとして長年活躍している鈴木さんは、大の山好き。2024年には尾瀬国立公園「原の小屋」の支配人をワンシーズン務め、運営から遭難者救助、荷上げまで多様な業務をこなした経験もある。また、23歳で「アルシオーネ」を購入し、現在の「レガシィ アウトバック」に至るまで、36年にわたりスバル車を乗り継いできた生粋のスバリストでもある。スキーと山を愛する鈴木さんの人柄と、彼の活動を支えているスバル車との深い関係性を紐解いていきたい。
スバル車との出会い
スーパーカーブームなどもあり小学校時代からクルマに興味を持っていた鈴木さん。しかし、ムービーカメラマンの助手として働き始めた20代前半は、スキー撮影のため1年の半分をヨーロッパや南半球などの海外で過ごす多忙な日々を送っていた。国内撮影でも機材を積んだ大型ワンボックスカーでクルーたちと移動していたため、「自分のクルマは必要ないし、乗る時間もない」という状態だったという。
そんな鈴木さんが念願のマイカーを購入したのは23歳のとき。「若いころの男って、やっぱりメカメカしいものが好きだし、クルマへの憧れもありますよね。そんな単純な理由から、自分のクルマが欲しいと思うようになったんです」と当時を振り返る。1980年代後半から90年代初頭の自動車業界は、ターボ全盛期。少年時代から自動車雑誌を愛読していた鈴木さんは、クルマを持っていなくてもスペックやメカニズムに関する知識は豊富で、スバルの代名詞である「水平対向エンジン」の存在も当然知っていた。「予算が限られるなかで手が届く中古車を探しましたが、やっぱり自由に、いつでも好きなときに遠くまで行きたいという憧れがあり、結果としてスバルを選択しました」と、クルマ選びの動機を明かす。
念願の相棒、スバル「アルシオーネ」を手に入れた鈴木さんは、伊豆や房総半島へドライブに出かけた。さらに山好きが高じて、奥多摩や丹沢の林道といった砂利道(グラベル)にも好んで足を運ぶようになる。「険しいオフロードではなく、未舗装のグラベルなどを高速かつ安定して移動できる乗り物。それこそが、スバルが昔から目指している姿だと思うんです」と鈴木さん。当時はジープやパジェロ、ランクルといった本格四輪駆動車が注目度を上げていた時代。そんな中、普通の乗用車を4WD化して車高を上げるという独自の道を切り拓いたスバルに、鈴木さんは心惹かれた。「スバルの何がすごいかって、レガシィ アウトバックやフォレスター、かつてのレオーネなども含めて、ラインアップに4WDじゃないクルマがほぼないことなんです。他社だと、SUV風のデザインでも実は2WDという車種がむしろ主流だったりしますが、スバルは、当たり前のように『水平対向エンジン×4WD』というスタイルを貫いている。そこが本当にすごいなと思います」。
水平対向エンジンへの思い
スバルの「水平対向エンジン」は、クランクシャフトに対して左右水平にピストンが配置されて回転する機構のこと。鈴木さんは、「このエンジンがクルマのど真ん中に位置しているからこそ、実は4WD化がしやすいんですよ」と語る。また、「エネルギーを生み出す源がクルマの中心にあり、そのパワーをそのまま真っ直ぐ後ろへ伸ばして後輪に振り分けることができます。スバルの設計が何より一番素晴らしいと思うのは、このレイアウトのおかげで左右の重量バランスが完全に均等になる、左右対称の『シンメトリカルAWD』というシステムに仕上げられる点ですね」と理想的な設計を高く評価。さらに、「4WDこそ最も安定したクルマのあるべき姿だ、というスバルの思想を感じます。だって、わざわざそんな手間のかかる機構を追加しなくてもクルマは動くのに、当たり前のように4WDにする。そこにはメーカーのモノづくりに対する強いこだわりと、熱い思いを感じますね」と熱弁する。
水平対向エンジンはかつて、その低重心さゆえにボンネットを薄く設計でき、フロントのダウンフォース(車体を路面に押し付ける力)を高められる利点があった。今となっては古い時代の話かもしれないが、デザインや空力性能におけるこの優位性はスバルの強みだった。「2代目の愛車は『アルシオーネSVX』。空気抵抗を示すCd値で、初めて基準値となる0.30を下回る数値を叩き出したのがこの名車です」と、鈴木さんが語るように、低重心化には多大な利点が存在する。
スバルを乗り継ぐ理由
撮影の仕事で各地をめぐる鈴木さんは、さまざまなクルマを運転する機会が多く、そうした折に自分のクルマと他社のクルマとの明確な違いや、愛車の強みを実感するという。クルマは、最も重い部分を中心に集め、低い位置に配置するのが最も安定するが、「水平対向エンジン」は、まさにエンジンルームの左右中心に据えられている。鈴木さんは、「だから、一般的なエンジンに比べて一番重いパーツを路面に近いところへ持っていくことができ、その結果、クルマが抜群の低重心になり、走りの安定感へとつながっていきます。高速道路でもブレず、狙ったラインにピタッとタイヤがトレースするような、オンザレール感覚をもたらしてくれるんですよ」と、走りの魅力を熱心に伝える。
この「乗ればわかる」という感覚は、鈴木さんのメインの仕事であるスキーとも深く共通している。ハイスピードで滑ることを想定したアルペンレースモデルや基礎スキーの上級者用モデルは、スキーやブーツなどの足下を重く硬く設計することで滑走の安定性を生み出すからだ。道具の構造が走りに直結するスバル車とスキーには、「使えばわかる」という感覚、信頼ともに強い親和性がある。
鈴木さんの愛車は、最初の2台こそクーペだったが、3台目からはワゴンの「レガシィ ランカスター6」へと移行した。仕事でマイカーを使う機会が増え、撮影機材などの荷物を積載できるようにと考えたからだ。それでも「どこにでも行けるクルマ」というスバル車への愛着は一貫してブレず、その高い走破性は実際の現場に向かう山道や雪道で実感している。また、2024年に尾瀬国立公園の「原の小屋」で支配人を務めていた時期も、主要な登山口の1つであり、標高1591mに位置する鳩待(はとまち)峠までの険しい山道を、この相棒とともに通い続けていた(鳩待峠は一般車両は入ることができないが、山小屋など尾瀬の関係者は許可証をもらい入ることができる)。
レガシィのツーリングワゴンは、日本におけるステーションワゴンブームの先駆けとして知られる存在だ。発表当初は、セダンの荷室を広げた形状の車種は「ライトバン」と呼ばれ、貨物を積む安価な商用車というイメージがあった。しかしスバルは乗用車でその概念を覆し、ワゴンに上質なシートを据え、さらにパワーのあるエンジンを搭載。荷物が積めて、人が快適に乗れ、走りも楽しめる高性能なステーションワゴンへと最初に進化させたのが、まさにスバルのレガシィだった。
全日本スキー連盟のオフィシャルサプライヤーを務めたスバルは、当時からスキーヤーへ車両を提供するなど、雪道に強いブランドイメージの確立を戦略的に進め、1980~90年代のスキー専門番組「SKI NOW」では、鈴木さん自身もレガシィの撮影を経験している。鈴木さんはその背景について、「雪道に強いイメージが根付いたのは、単にプロモーションの成果だけではない」と指摘する。「大前提として、水平対向エンジンによる低重心やシンメトリカルAWDといった、雪道でも圧倒的に安定して走れる確かな技術力があったからこそです」と、スバルの真価はその基本性能にあると分析している。
鈴木さんが惚れ込むスバルのモノづくり
2026年に乗り換えた鈴木さんの新しい愛車は「レガシィ アウトバック」の5代目(BR型)だ。一般的なクルマは、新車の発売から数年後にデザインなどを少し変えるマイナーチェンジを行ない、その後にフルモデルチェンジを迎えるのが主流だ。しかしスバルは、新型が出た後も1年ごとにどんどん改良を重ねていく特徴があり、中古車を選ぶ際も、年次改良ごとに「A型、B型、C型、D型」と細かくわけられ、D型が出たあたりで、ビッグマイナーチェンジを行なうのが定番となっている。
鈴木さんは、このスバル独特のサイクルについて「少しでもいいクルマにするために、お客さんからの不具合の情報やメーカー自身が気づいたマイナス面を、毎年リアルタイムに改善している証拠です。スバルはそうした1年ごとの進化を惜しまない、生真面目な会社なんです」と言葉に力を込める。続けて、スバルのルーツである中島飛行機や、名戦闘機「隼」のエンジン技術が今のスバル車のエンジンにつながっていること、さらに、本社のマンホールの蓋が中島飛行機の時代のデザインになっていることなどまで、鈴木さんの話は尽きない。
仕事仲間によると「本質的にすべてがちゃんとしていないと納得しない実直な性格」と評される鈴木さん。その妥協を許さない職人気質な人柄だからこそ、スバル車の高い性能だけでなく、企業の誠実なモノづくりの姿勢まで、すべてひっくるめて惚れ込んでいるのだろう。
















