CES 2017

クアルコム、「Android 7.0」を統合した「Snapdragon 820A」搭載IVIを初披露

パナソニックと共同開発したIVIシステムをクライスラー「300」でデモ

2017年1月5日(現地時間) 発表

 クアルコムの子会社クアルコム・テクノロジーズと、パナソニック・オートモーティブは、最新の「Android 7.0」機能を統合した次世代車載インフォテインメント(IVI)システムを共同開発し、「CES 2017」会場で初披露した。クアルコムブースでは次世代IVIシステムを搭載したクライスラー「300」でデモンストレーションを行なった。

 今回発表した次世代IVIシステムには、クアルコムの「Snapdragon 820A」を採用。最大600Mbpsのダウンリンクおよび150Mbpsのアップリンク速度の通信をサポートするLTEモデム、カスタムビルドのクアッドコアCPU、DSP、ビデオ処理機能と複数の高精細ディスプレイのサポートするGPUなどを採用している。

クアルコムとパナソニックが共同開発した「Android 7.0」機能統合の車載インフォテイメントシステムのデモ

 実際に300に搭載されたデモ機を体験すると、インパネ中央に設置された表示パネルでGoogleマップやGoogle音声認識の機能がスムーズに動作する様子が確認できるとともに、エアコンの温度調節機能といったクルマ側の制御にかかわる部分についても、メカニカルな操作スイッチと表示画面のスクリーンタッチの両方で操作できる様子などが示された。

 クアルコムとパナソニックが共同で開発したこのIVIシステムは、IVIシステム開発に関わるOEMの開発時間とコストを抑えるとともに、IVIを搭載したクルマにおいては時間の経過とともに古くなってしまう機能を進化させることを目標にしたという。

 そのほかにもクアルコムブースでは、カメラとオブジェクト認識機能を活用して自車位置精度を高めるシステムや通信機能を活用した運行管理システムなど、次世代IVIシステムに向けた周辺アプリケーションの展示も行なっていた。

 プレスリリースにおいて、クアルコム・テクノロジーズのオートモーティブ部門担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャであるパトリック・リトル氏は、「優れた直感的な車載インフォテインメントシステムを実証できる業界リーダーとのエキサイティングなコラボレーションでした。パナソニックオートモーティブとGoogleと協力しながらスナップ自動車ソリューションを継続的に進化させて、Androidの高度な機能とサービスを提供できることを楽しみにしています」とコメントしている。

クアルコムのブースに展示されたクライスラー「300」
カメラとオブジェクト認識システムを組み合わせて自車位置精度を高める周辺アプリケーションの展示
サービス事業者のメンテナンスに向けた車載機との通信が断絶したポイントを示すBtoB向けの提案なども
クアルコムの「Snapdragon 820A」を活用している