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スズキとトヨタ、業務提携に向けた検討を開始

環境や安全、情報技術等の分野で連携を強化

2016年10月12日 発表

スズキ 代表取締役会長 鈴木修氏
トヨタ自動車の豊田章男社長

 スズキとトヨタ自動車は10月12日、両社の協力関係の構築に向けた検討を開始することを決めたと発表した。具体的には、環境や安全、情報技術等の分野で連携を強化するものとしている。

 発表によると、スズキは軽自動車を中心に、価格競争力の高いクルマをつくる技術を一貫して磨いてきたが、先進・将来技術の開発に課題を抱え、危機感を持ってきた。一方、トヨタは環境や安全、情報等に関する技術開発に取り組んでいるが、欧米各社よりも仲間づくり、標準づくりの面で遅れているという。両社が抱える課題を解決するためには業務提携が有効であると考え、検討を開始することになった。

 なお、今回の検討は両社間で公正かつ自由な競争が行なわれることを前提として進めるとし、この提携の構想は両社以外にもオープンなスタンスで将来的には標準化にもつながるものとしている。

 スズキの鈴木修会長は「トヨタは業界トップの企業であり、また、あらゆる先進技術、将来技術を手がける最も信頼できる会社。今回こうしてトヨタとの協業に向けて協議を進められることになり、大変ありがたい。豊田章一郎名誉会長にまず相談させていただき、豊田章男社長にも協業に関心を示してもらい、大変感謝している。スズキの将来のためにもしっかりと協議に臨んでいく」とコメント。

 トヨタの豊田章男社長は「自動車業界を取り巻く環境が大きく変わる今、生き抜くために必要なのは『変化に対応する力』。個別の技術開発に加えて、同じ志をもった仲間づくりが重要となってきている。『もっといいクルマ』づくりと自動車産業の発展に役立つ取り組みであれば、我々は常にオープンな姿勢で検討したいと考えている」とコメントしている。

 両社は10月12日夜、会見を行なう予定だ。