ニュース
【MotoGP日本グランプリ】ホンダのマルク・マルケス選手、ワールドチャンピオン獲得
Moto3クラス参戦の日本人女性ライダー岡崎静夏選手は完走果たす
2016年10月16日 21:28
- 2016年10月16日 開催
10月16日、「2016 FIM MotoGP 世界選手権シリーズ第15戦 MOTUL 日本グランプリ」(以降、MotoGP日本グランプリ)の決勝レースがツインリンクもてぎ(栃木県芳賀郡茂木町、全長4.801km)で行なわれ、マルク・マルケス選手(Repsol Honda Team)が今季7回目の優勝を果たし、同時にワールドチャンピオン獲得を決めた。
2位はアンドレア・ドヴィツィオーゾ選手(Ducati Team)、3位はマーベリック・ビニャーレス選手(Team SUZUKI ECSTAR)だった。
MotoGPクラス、ヤマハのロッシ選手とロレンソ選手が相次いで転倒
気温24度、路面温度36度のドライコンディションでスタートした決勝レース。オープニングラップでホルヘ・ロレンソ選手(Movistar Yamaha MotoGP)が抜け出すと、マルケス選手、バレンティーノ・ロッシ選手(Movistar Yamaha MotoGP)とともに先頭集団を築き上げる。
5周目にマルケス選手がロレンソ選手をかわしトップに立つと、7周目、3番手を単独走行中のロッシ選手がまさかの転倒。レースに復帰するもすぐにピットインし、そのままリタイアとなった。
マルケス選手、ロレンソ選手、アンドレア・ドヴィツィオーゾ選手(Ducati Team)の順位でレースは進み、このまま終了するかと思われた残り5周、ロレンソ選手がスリップダウンしリタイア。その後もマルケス選手はペースをキープしたまま快走し、トップでチェッカーを受けた。
ロレンソ選手、ロッシ選手の2人がノーポイントで終わったことにより、マルケス選手はシリーズランキング2位のロッシ選手に79ポイント差をつけ、3戦を残しワールドチャンピオン獲得を決めた。23歳8カ月での計5回(下位クラスを含めた)のタイトル獲得は、ロッシ選手よりも短い最年少記録となる。
【MotoGPクラス決勝レース結果順位】
1:マルク・マルケス選手(Repsol Honda Team)
2:アンドレア・ドヴィツィオーゾ選手(Ducati Team)
3:マーベリック・ビニャーレス選手(Team SUZUKI ECSTAR)
4:アレイシ・エスパルガロ選手(Team SUZUKI ECSTAR)
5:カル・クラッチロー選手(LCR Honda)
6:ポル・エスパルガロ選手(Monster Yamaha Tech 3)
7:アルバロ・バウティスタ選手(Aprillia Racing Team Gresini)
8:ダニーロ・ペトルッチ選手(OCTO Pramac Yakhnich)
9:スコット・レディング選手(OCTO Pramac Yakhnich)
10:ステファン・ブラドル選手(Aprillia Racing Team Gresini)
日本人ライダーの決勝結果
11:中須賀克行選手(Yamalube Yamaha Factory Racing)
15:青山博一選手(Repsol Honda Team)
Moto2、日本人ライダーの最上位は中上貴晶選手(IDEMITSU Honda Team Asia)の4位
Moto2クラスに参戦した中上貴晶選手(IDEMITSU Honda Team Asia)は、ファイナルラップで3位を巡りつばぜり合いを繰り広げるも、一歩及ばず4位。その他日本人ライダーは14位に長島哲太選手(Ajo Mortorsport Academy)、21位に浦本修充選手(Japan-GP2)、22位に関口太郎選手(Team Taro Plus One)が入った。
Moto3に参戦した日本人女性ライダーの岡崎静夏選手(UQ & TELURU KOHARA RT)は完走を果たす
Moto3クラスに参戦した日本人ライダーは、鈴木竜生選手(CIP-Unicom Starker)が15位、女性ライダーの岡崎静夏選手(UQ & TELURU KOHARA RT)が26位と完走を果たした。
尾野弘樹選手(Honda Team Asia)は、序盤から6人で形成された先頭集団の後方から上位を伺い、最後は激しい3位争いを演じて表彰台に上ったものの、レース後にレギュレーション上の最低重量をオーバーしていたことが発覚し、失格となった。
ワールドタイトルを獲得したマルク・マルケス選手のコメント
マルク・マルケス選手:信じられない、本当に信じられない、勝てて最高の気持ち。今朝はいつも通りの緊張感で、いつものレースだと思っていたし、ここでチャンピオンを決めるとは思っていなかった。
レースウィーク中はロッシがとてもナーバスに感じて、その時点からレースで勝てるかなと思った。最近は、フリー走行をレースのつもりで100%の力で走り、逆にレースでは落ち着いて走ることを心がけていて、今回も同じように頑張った。でも、レース中はロレンソが転倒した後、これは本当にタイトルを獲れると思ってしまい、集中力を失ってしまった。普段なら4速で走るべきところを3速で走ったり、5速のところを4速で走ったり。
チームも本当に頑張ったし、ホンダのホームの日本で優勝できたのは幸せ。(MotoGPでは)初めてのもてぎでの優勝ということもあり、これは大変特別な勝利。今回の優勝は「無理なことはない」と言ってくれた祖母に捧げたい。
今年のシーズンの初めは、(チャンピオンを獲れなかった)昨年のことがあって、アプローチを変えなければいけないとチームとともに考えていた。昨年は全てのレースがファイナルレースのつもりで走っていた。結果、狙っていたチャンピオンを獲得できなかった。そのアプローチはだめだった。考え方を変えて、特に前半はチームが考える通りに走るようにして、僕の気持ちは抑えていた。
チャンピオンになるには、全てのレースに勝つ必要はない。それよりは安定した走りでクラッシュしないでいこう、と言われていたので、完璧主義の僕にとってそうするのは難しかったけれども、ホンダのエンジニアはみんな応援してくれて、「あなたを信じている」と勇気づけられたこともあった。今年のタイトルは自分のキャリアのなかでも最も幸せだと思う。
緊張しているとトイレの数が増えたりすることもあるけれど、今朝は起きてから顔を洗って、ご飯を食べて、トイレに行って、という本当にいつもどおりの朝のパターン。全て何も変わらず、落ち着いて今日という1日を迎えられたので、緊張はなかった。普通のレースだと思ってここへ来たつもりが、タイトルを獲れたのはびっくり。今年は(タイトルを獲った)2014年の時よりずっと大きなプレッシャーを感じていた。昨年はチャンピオンを狙って失敗したのが悔しくて、アプローチを変えなければいけないのが難しかったけれど、その成果が今日出て本当に良かった。
MotoGPクラス2位、アンドレア・ドヴィツィオーゾ選手のコメント
アンドレア・ドヴィツィオーゾ選手:スタートは良かった。バレンティーノにちょっと邪魔されてスロー走行を余儀なくされ、ポジションもロスしてしまったが、気を取り戻して(アレイシ・)エスパルガロを追いかけた。ロッシがクラッシュしてからはロレンソを狙い、でもロレンソも100%(いつも通り)の走りじゃないなと思って、クラッシュに巻き込まれないようにレースを続けた。非常にブレーキに厳しいサーキットなので、ブレーキングポイントにも気を付けていた。
今年のミシュランのタイヤは、どのレースでもリアのグリップはすごくいいが、フロントのグリップを得るのが難しくて、レースの後半になってなじんでくるような状況。それがミシュランの特徴であり、難しい部分。タイヤのリミットとクラッシュが非常に近いので、学ばなければいけないと思っている。