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ホンダ、2017年のSUPER GT参戦体制発表会。Drago Moduloに代わりTEAM MUGENが参戦

GT500クラスに参戦する5チームのうち2チームの体制をツインリンクもてぎで発表

2016年12月14日 発表

2017年シーズンのSUPER GT GT500クラスを戦うTEAM MUGEN
2017年シーズンのSUPER GT GT500クラスを戦うEpson Nakajima Racing

 本田技研工業は12月14日、ツインリンクもてぎ(栃木県芳賀郡茂木町)で2017年のSUPER GT参戦体制発表会を開催した。同社は11月8日にSUPER GT 500クラスに出場していた「Drago Modulo Honda Racing」のレース活動を今シーズンで終了することを発表。その「Drago Modulo Honda Racing」に代わり、来季から「TEAM MUGEN」が同クラスの陣営に加わることが明らかになった。ドライバーは武藤英紀選手、中嶋大祐選手が務める。

 発表会には本田技研工業 モータースポーツ部 部長の山本雅史氏をはじめ、「TEAM MUGEN」から手塚長孝監督、武藤英紀選手、中嶋大祐選手。「Epson Nakajima Racing」から中嶋悟監督、ベルトラン・バゲット選手、松浦孝亮選手が参加。

本田技研工業株式会社 モータースポーツ部 部長 山本雅史氏
TEAM MUGENの手塚長孝監督(左)、中嶋大祐選手(中)、武藤英紀選手(右)
Epson Nakajima Racingのベルトラン・バゲット選手(左)、松浦孝亮選手(中)、中嶋悟監督(右)
発表会会場に置かれたホンダアクセス「Modulo(モデューロ)」ブランドのレーシングホイール。会場ではホンダアクセスが2017年シーズンのEpson Nakajima Racingにホイール供給することが発表された。素材は鍛造アルミ合金(A6000系)で、サイズはフロントが18×12J(インセット40mm)、リアが18×13J(インセット52mm)

 はじめに山本部長は2016年シーズンの振り返りと両チームの紹介を行ない、「SUPER GTの2016年シーズンをここもてぎで先日終了した。ホンダとしては非常に悔しい思いをした1年だったと思う。0勝だったこともあるが、ここにいるドライバー、監督に非常にご迷惑をおかけした。ホンダの中でクルマの開発および色々なことがやり切れていなかったということを踏まえ、非常に反省している」とコメント。そのうえで、2017年シーズンのホンダ陣営としてはチーム、監督、ドライバーの力を借りて何としてでも勝ちにいきたいとし、「現在強い意気込みでチーム体制の構築を図っている。本日は2台のNSX-GTのシェイクダウンを実施することになったので、その2チームの体制を紹介する」と述べ、「TEAM MUGEN」「Epson Nakajima Racing」の体制を紹介。

 まず2017年シーズンからホンダ陣営に加わる「TEAM MUGEN」について触れ、カーナンバーは16、ドライバーは武藤英紀選手、中嶋大祐選手が務めることを紹介するとともに、「武藤選手と中嶋選手はご存知のとおりGT300クラスでコンビを組んでいる経験もあって、今日僕が見ても違和感がなく、来シーズンを楽しみに迎えたいと思う。また、NSX陣営としては初めてヨコハマタイヤを来年採用させていただく。今シーズンのレースを皆様ご覧いただいたとおり、ヨコハマさんは記憶に残るレースがたくさんあって、ヨコハマを迎えることでHonda Racingの戦略の幅が広がるということを確信している」とし、「TEAM MUGEN」という新チームを結成するとともにNSX陣営としてヨコハマタイヤを初採用することが明らかにされた。

TEAM MUGENのNSX-GT。「MOTUL」「YOKOHAMA」「SSR」「NGK」などのステッカーが貼られる

 一方、「Epson Nakajima Racing」では新たに松浦孝亮選手を迎え、ベルトラン・バゲット選手とのコンビで2017年シーズンを戦うことが報告され、「松浦選手には中嶋監督が率いる名門のもと、開発能力をはじめその実力をいかんなく発揮してもらうことを彼にお願いしている。なお、『Epson Nakajima Racing』にはダンロップタイヤと密の関係を継続していただき、引き続き勝利を目指して頑張ってもらいたいと思っている」と紹介。

 山本部長は最後に、残り3チームの体制を2017年1月を目途に発表すると予告するとともに、「2017年、ホンダ陣営は一丸となって全力を尽くして頑張っていきたい。今後ともご支援をよろしくお願いします」と述べ、結びの言葉とかえている。

Epson Nakajima RacingのNSX-GT。「EPSON」「DUNLOP」「Modulo」「GREEN TEC」などのステッカーが貼られる

 以下、発表会に出席した各人から来シーズンへ向けての抱負などが語られたので紹介する。

武藤英紀選手

武藤英紀選手:無限さんとは2012年、2013年と一緒に戦った仲間で、2013年にはGT300でチャンピオンを獲得させていただいた。その名門・無限がGT500で復活するということで、中嶋大祐選手、ヨコハマタイヤさんというパッケージングで1年間レースができるということを非常に楽しみにしている。まだまだ未知数な部分が多いけれど、1つひとつ自分たちの課題をクリアしていけば必ず自分たちが望む結果を手にすることができると思っている。1年間よろしくお願いします。

中嶋大祐選手

中嶋大祐選手:4年間同じチームで走っていたので、そこから環境が変わるということで少し寂しい気持ちもあったが、もともと自分がSUPER GTで走り始めたのもTEAM MUGENだったし、昨日久しぶりにTEAM MUGENのチームウェアを着た時に違和感もなく、むしろ懐かしい気持ちが沸いた。チームとしてGT500に参戦するのはかなり久しぶりになるし、タイヤもヨコハマタイヤさんというまったく新しい環境になるので、少しずつ組み立てていかないといけないなと思う。みんなと協力して強いチームを作っていけるよう自分も頑張っていきたいと思う。

手塚長孝監督

手塚長孝監督:まず本日、TEAM MUGENとして来季のSUPER GTシリーズへの参戦発表をこの場でできたことを本当に光栄に思う。無限としては2012年~2014年をCR-ZでGT300クラスに参戦していて、3年ぶりとなるがGT500クラスでNSX-GTというニューマシンを駆って戦うというまったく新しい挑戦になると思っている。このような中で武藤選手、中嶋選手という経験豊富で頼もしいドライバーがコンビを組んで迎えることを大きな強みだと思っている。また、チームのスタッフに関してはSUPER GTやスーパーフォーミュラで多くの経験を積んだメカニックがいることも、僕にとってはすごく心強い。新しいチームになるが、来季は着実にマシンを作り上げ、2017年は十分戦えるシーズンであると確信して皆様によい結果をお届けできるようチーム一丸となって全力を尽くしていきたい。挑戦と覚悟をもってガンガン突っ走り、ホンダさんやチームのために戦ってみんなで喜びを味わいたいと思っているので、応援よろしくお願いします。

ベルトラン・バゲット選手

ベルトラン・バゲット選手:Nakajima Racingとホンダと4年目のレースになり、非常に嬉しく思う。2017年はダンロップと組ませていただくが、我々まだ勝ちがないということでぜひとも今年は勝ちたいと思っている。松浦孝亮選手をチームに迎えられたのも非常に嬉しく思っている。経験豊富なドライバーなので色々なメリット、強みを我々に与えてくれると思う。全力を尽くしますので応援をよろしくお願いします。

松浦孝亮選手

松浦孝亮選手:自分としても中嶋さんのところで乗ると正直イメージしていなかった部分が多かったが、新鮮な感じでNakajima Racingで仕事をする、ダンロップタイヤを開発する、NSX-GTの車両開発をするというのを楽しみに感じている。バゲット選手も自分と同じでインディカーの経験があったりとか、色々と自分のキャリアとつながっているところがあり、彼のここ数年のSUPER GTでのレースを見ていても非常に面白いレースをしていて、予選でもすごく速いところがあったり、チームメイトとして迎えるにあたってすごく頼もしく思う。中嶋監督とは同じ愛知県出身で、1998年だったかと思うが鈴鹿サーキット・レーシングスクール・フォーミュラ(SRS-Formula)に入校したときに校長先生として非常にお世話になった。いまこういう形で監督のもとで走るのを楽しみにしているし、とにかく全力でNSX、ダンロップとともに表彰台、近い将来優勝を目指して一生懸命走りたい。

中嶋悟監督

中嶋悟監督:2016年は、我々にとってあまり楽しくないシーズンだったかもしれない。しかし、2017年のことを2016年のうちに発表するなんて自分のキャリアの中でもなかなかなかった。それほど気合が入っていると理解していただければと思う。松浦選手は自分のスクールの卒業生でもあり、色々な場所で経験して帰ってきたのかなと、これまでの経験を活かして我がチームを強くしてほしい。バゲット選手も4年目ということで身内として頑張ってほしい。どちらにしても、表彰台の高いところには立っていないので、それを目指して頑張っていきたい。

ツインリンクもてぎではNSX-GTのシェイクダウンも行なわれた