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アウディ、力強く躍動的なデザインに進化した新型「A5」発表会
エレガントなデザイン、パワートレーン、先進運転支援システムの3点について斎藤社長がプレゼン
2017年4月4日 20:09
- 2017年4月4日 開催
アウディ ジャパンは4月4日、フルモデルチェンジした新型「A5」の発表会を都内で開催した。価格はA5シリーズが546万円~757万円、S5シリーズが913万円~998万円。
2007年3月のジュネーブモーターショーでデビューした初代A5は当初クーペモデルのみの展開だったが、2009年にカブリオレ、2010年に4ドアクーペのスポーツバックを日本に導入。2代目となる今回の新型A5でも引き続き3つのボディバリエーションを設定しており、スポーツバック4モデル、クーペ2モデル、カブリオレ2モデルが4月下旬から順次発売される。詳細については関連記事を参照いただきたい。
今回の発表会は、A5シリーズのデザインの美しさを写真に収めてもらいたいという同社の思いから、スタジオ内で開催。スタジオでは自動車写真家の小川義文氏によるライティングのもと車両撮影が行なえたほか、新型A5のエクステリアデザインが動物や人間の筋肉美に通じるものがあることから、夏が一番似合う男性・女性を決める大会「サマー・スタイル・アワード」東京大会で優勝経験のあるアウディ ジャパンの松山大氏と、ジャズベーシスト・須川崇志氏の共演で発表会の幕が開けた。
3つのポイントを斎藤社長が解説
新型A5シリーズの紹介はアウディ ジャパン 代表取締役社長の斎藤徹氏が行なった。斎藤社長は「初代A5は美しさとスポーティさを融合した魅力的なスタイリング、4シータークーペとしての完璧な実用性、優れた運動性能と快適性を両立させた走り、そして細部にいたるまでこだわった高い品質がお客様から高い評価をいただいた。そのA5シリーズがより強く、よりエレガントなスタイリングに進化した」として、「力強く躍動的なエクステリアデザイン」「高出力と低燃費を両立する先進のパワートレーン」「先進の運転支援システムとコネクティビティの技術」という3点の特徴について、クーペモデルを前に説明を行なった。
まずエクステリアデザインについては、「A5は“クワトロDNA”を継承するデザインが特徴で、1980年代の『アウディ クワトロ』にそのルーツがある。このモデルはパワーのある駆動力をしっかりと路面に伝えるため幅広のタイヤを用意し、そのタイヤをしっかりフェンダーに収めるためブリスターフェンダーを採用した。このアウディ クワトロをヒントに初代A5はデザインされ、美しいクーペが誕生した。波打つショルダーラインはエクステリアの個性を引き立てる要素であり、そこにも“クワトロDNA”が表現されていた。今回の新型A5はこのモデルをさらに進化させ、そのデザインメッセージは“力強さと躍動感”。特徴的なショルダーラインは多くの動物の肩と腰に見ることができ、大きな力が必要な場所には筋肉がつき、見る者に力強さと躍動感を感じさせる。新型A5の力強く張り出したフェンダーはある意味で筋肉を表現したもの」と説明。
また、ボディサイズが先代に比べ15mm伸びたこと、短い前後のオーバーハング、貝に似ていることから“クラムシェルデザイン”と命名されたボンネットの形状、波型のショルダーライン、Aピラーからはじまる美しい弧を描くルーフライン、AピラーからCピラーに向かって太くなるマットアルミニウム仕上げのウィンドウモールディング、アウディ クワトロを想起させる太いCピラーとフェンダーの膨らみなどを新型A5のエクステリアでの見どころとして紹介するとともに、「シングルフレームグリルの形状が上下にフラットになるとともに、左右の幅を広げてワイドになった。さらにヘッドライトの位置がシングルフレームグリルよりも少し上にもってきたことによって、前から見たときにスポーツクーペに相応しい非常に精悍なイメージを演出している」「リアエンドは清潔感のある水平ラインを基調にし、リアハッチゲートの後端部はスポイラー効果を持たせるためにシャープなエッジ形状になっている。スリムな立体形状のリアコンビネーションランプには標準でLEDテクノロジーが採用される」と解説を行なった。
パワートレーンについては、駆動方式が2WD(FF)になるスポーツバックの「A5 2.0TFSI sport」「A5 2.0TFSI」に新開発の2.0リッターTFSIエンジン(190PS/320Nm)を、4WD車には高性能版の2.0リッターTFSIエンジン(252PS/370Nm)を、S5シリーズにはV型6気筒3.0リッターTFSIエンジン(354PS/500Nm)という計3種類のエンジンをラインアップ。
4WD車の2.0リッターTFSIエンジンについては、先代の同排気量エンジンに比べ41PS/20Nm向上した一方で、軽量化やフリクションの低減、ソフトウェアの最適化などにより燃費は21%改善の16.5km/L(欧州参考値)をマークした。また、2WD車の2.0リッターTFSIエンジンについては「Bサイクルと呼ばれる独自の革新的な燃焼方式とライトサイジングコンセプトを採用しており、2.0リッターの排気量を確保しながら吸気バルブを早閉じするミラーサイクルによって熱効率を高めた。また、圧縮比を11.7に高めることで190PS/320Nmという高性能を維持しながら欧州参考値で17.5km/Lという優れた燃費を実現した」と、その特徴について語った。
そして3点目の運転支援システムについては、「アウディは昨年来、自動運転のレベル2に相当する先進の安全運転支援システムを、新型A4を皮切りにQ7、A7と順次採用を拡大してきた。A4では約8割のお客様がこのシステムを選んでいただいている」と述べるとともに、「新型A5全モデルに必要に応じてブレーキが自動的に作動する『アウディプレセンスシティ』が標準装備される。このシステムのハイライトの1つが『トラフィックジャムアシスト付きACC(アダプティブクルーズコントロール)』で、同一車線内での半自動運転機能として完全自動運転に向けた大きな一歩を踏み出している。65km/h以下で走行中に、レーダー、超音波センサー、フロントカメラを利用したACCのシステムは加減速と必要に応じてステアリングにも穏やかに介入し、先行する車両を追尾するようにコントロールする」。
「65km/h以上で走行している場合には、『アウディアクティブレーンアシスト』が車線維持をサポートする。このシステムは主にフロントカメラを介して車線を確認しており、ウィンカー操作をしないまま車線を逸脱しそうになると、システムが電動パワーステアリングに穏やかに介入して元の車線に戻るようアシストする。これの機能のほか、合計10の運転支援システムが新型A5の安全性、快適性を最大限に高めていく」とコメントしている。
そして新型A5のモデルラインアップについて、斎藤社長は「先代A5はクワトロのみの設定だったが、もっと多くのお客様に選んでいただけるように今回新たに2WD(FF)モデルを設定した。エントリープライスも先代の615万円から69万円下げることができた」と戦略的な価格設定にしたことを述べるとともに、「新型A5にアウディブランドを力強くけん引してもらいたい」としてプレゼンテーションを締めくくっている。