ニュース

パナソニックとAZAPA、EVの電費を最大化する「モデルベース開発」に成功

実機を作ることなく、シミュレーションの活用で自動車メーカーの要望に対応

2017年5月8日 発表

電動パワートレーンにおける「モデルベース開発」の適用事例

 パナソニックは5月8日、AZAPAと協業している車載用途での「モデルベース開発」の成果として、EV(電気自動車)の電動パワートレーン開発にモデルベース開発を適用することに成功したと発表した。

 近年の自動車開発では、電動化への対応、運転支援システムの実装、ネットワーク化といった高機能化と複雑化が進んでおり、開発の上流工程(設計段階)から徹底的な効率化が求められている。

 この解決策の1つに位置付けられ、重要度が増しているモデルベース開発を対象とした今回の発表では、パナソニックが持つデバイスやコンポーネントのモデル化技術と、AZAPAの車両性能モデル・システム構築技術を組み合わせることで、電動パワートレーンや各種コンポーネントなどEV全体をモデル化。モデル化されたEVを活用して、扱いやすいインターフェースを持つ「EV性能シミュレータ」を開発した。

 このEV性能シミュレータを使うことでEVの上流設計時に実機を作る必要がなくなり、シミュレーションを活用してEVの電費を最大化できるパワートレーンの仕様が早期に導き出せるようになる。これにより、自動車メーカーに対するシステム提案力が強化されるほか、開発期間を大幅に短縮することが期待できるという。

 今後も両社は、このモデルベース開発を自動運転技術などの安全・安心分野、インフォテインメント分野などに展開して自動車メーカーからの幅広い要望に対応。さらに今後は経済産業省が中心になって進めているモデルベース開発の普及促進にも積極的に参画し、日本国内の自動車産業の競争力向上にも貢献したいとしている。