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パナソニック、車載電池事業規模を2018年度は4000億円規模へ
テスラ向けの販売もあり、2015年度の1800億円から2倍以上の成長へ
2016年7月15日 12:00
- 2016年7月8日 発表
パナソニック オートモティブ&インダストリアルシステムズ社は7月8日、車載用バッテリー事業や蓄電事業を含めたエナジー事業に関する取り組み説明会を開催した。オートモティブ&インダストリアルシステムズ社 副社長 エナジー事業担当 田村憲司氏が、将来の事業構造などについて説明を行なった。
同社は現在、リチウムイオン電池を中心に5400億円規模の事業を展開しており、2014年度の実績は5590億円。2015年度の実績は5397億円となっている。この売上げ減少の理由として、ICT向け販売が減少したことを挙げ、今後は成長分野である車載・産業向けを拡大するとの方針を示した。
その背景にあるのは、車載向けリチウムイオン電池市場の拡大が見込まれていること。同社の推定では、リチウムイオン電池市場全体で2018年度は2兆6000億円規模となり、その牽引役となるのが車載および蓄電であるという。
車載の伸びを2015年度に比べて30%増としており、この背景としてCO2や燃費規制が厳しくなることで、EV(電気自動車)やPHV(プラグインハイブリッド車)がこれまで以上に増えてくるとみている。
現在同社は、数多くの車種へ車載電池を納入しているが、2016年6月時点でも2015年3月と比べて増えているという。
将来的に成長を見込む車載向けリチウムイオン電池市場だが、同社はハイブリッド車用リチウムイオン電池については加速性能の向上を、EV・PHV用のリチウムイオン電池については航続距離の延長を目指して開発している。それら電池の性能を上げていくとともに、需要増に対応するために工場を増設。米国 ネバダ州にテスラと連携する電池工場(2016年度生産開始予定)を作るほか、中国 大連にも電池工場を作る。
これらにより、車載事業の売上げを2015年度実績の1800億円から、2018年度は4000億円に引き上げ、蓄電事業の伸びと合わせて5000億円規模を目指すという。
同社は現在、車載用ニッケル水素電池においても大きなシェアを持っているが、このニッケル水素電池に関する開発も続けるものの、(よりエネルギー密度の高い)リチウムイオン電池への置き換えを提案していく。
この売上げ達成のために必要となるのが他社との差別化だろう。それについては、「技術開発で絶対に他社に負けない」ことであるとし、車載電池に関しては急速充電特性や航続可能距離の改善などを図っていく。