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【SUPER GT 第6戦鈴鹿】最後の"SUZUKA 1000km”を制した4名の優勝記者会見

64号車「Epson Modulo NSX-GT」の松浦選手「最後の鈴鹿1000km勝てたのは本当に嬉しい」

2017年8月26日~27日 開催

左から、GT300優勝の65号車「LEON CVSTOS AMG」蒲生尚弥選手、黒澤治樹選手。GT500優勝の64号車「Epson Modulo NSX-GT」ベルトラン・バゲット選手、松浦孝亮選手

 8月27日に開催されたSUPER GT 第6戦 第46回インターナショナルSUZUKA 1000km "SUZUKA 1000km THE FINAL"の決勝は、GT500は64号車 Epson Modulo NSX-GT(ベルトラン・バゲット/松浦孝亮組、DL)、GT300は65号車 LEON CVSTOS AMG(黒澤治樹/蒲生尚弥組、BS)が、それぞれ優勝した。

 レース終了後(レースの結果は別記事で紹介)には、GT500クラスの64号車「Epson Modulo NSX-GT」のベルトラン・バゲット選手、松浦孝亮選手、GT300クラスの65号車「LEON CVSTOS AMG」の黒澤治樹選手、蒲生尚弥選手、優勝クルーによる記者会見が行なわれたので、以下にその模様を紹介していく。

色々な思いがこみ上げてきて、レーシングドライバーとしてやれると思えたのが嬉しいと松浦選手

司会:それでは優勝した今の気持ちをGT500の2人から

ベルトラン・バゲット選手

バゲット選手:本当に、本当に幸せな気分だ。この4年間はとても辛い日々で、1台しかいないダンロップタイヤの開発は非常に難しい仕事だった。そうした4年間の努力が実って、この大事なレースに勝てるなんて……中嶋さん、チーム、ホンダ、今回全然ミスせず素晴らしい走りを見せてくれたチームメイトの孝亮に感謝したい。まだ信じられないし、本当に本当に嬉しいよ。

色々な思いがこみ上げて涙する松浦孝亮選手

松浦孝亮選手

松浦選手:正直、まだ実感がわかない。いろいろな思いがこみ上げてきて……去年の10月に、ホンダさんからARTAを離れてナカジマレーシングにいってダンロップを立て直してくれと言われて、即決した。それまで19年鈴木亜久里さんのところで走ってきて、亜久里さんには申し訳ないけど結果が出せなくて、こうした中嶋さんのところに移ってきて勝つことができて、自分の力を証明できたし……自分……すみません……(以下嗚咽)

 ホンダさんにはインディカーという世界まで連れていってもらったのにたいした結果を出せなくて、でもこうやっててレーシングドライバーでやれるんだって思えたのがとても嬉しい……

司会:GT300のお2人は今回の優勝でポイントリーダーとして次戦に臨むが、今の感想を

黒澤治樹選手

黒澤選手:ポイントでトップになったのは今知った。気を緩めることなくツインリンクもてぎに向けてがんばりたい。松浦選手もそうだったと思うけど、自分もドライバーとして悩んだ時期があって、チームを今のオーナーと立ち上げた時に裏方としてもやってきたので……今のパートナーの蒲生選手は本当に速くて信頼できるドライバーで、すべての関係者が頑張ってくれた結果で、本当に感謝したい。

蒲生尚弥選手

蒲生選手:正直、今の感想はやっと終わったなということ。変則的なピットのタイミングを採用して、単独で走ろうという作戦で、見えない敵と戦うレースだった。最後のスティントでようやく25号車が前に現れて、前の車と戦うレースになったらよりいい走りができた。車やブリヂストンが用意してくれるタイヤがどんどんよくなってきていて、そうした関係者の皆さんの努力のおかげで勝つことができてよかった。

――ナカジマレーシングのお2人に、今回は予選4位でレースが始まってからも安定していた。いつごろからこれなら上位で戦えるという手応えを感じていたのか?

バゲット選手:練習走行で2つのコンパウンドを持ち込んでテストしたのだが、雨が降ってる時間があったりして練習走行で使える時間が短かったので、性能をあまり比較することができなかった。そうした時間の中でも選んでレースに使った方がいい選択だった。

――具体的にいけそうだと思ったのはいつか?

松浦選手:このタイヤは富士と同じタイヤ。サーキットによってピックアップしてしまったりがあって、それが課題だった。プライベートテストでもよい時もあれば、わるい時もあった。今回は自分たちが持ってきた中で柔らかい方を使っているのだが、とてもいいグリップを得ることができた。今回のレースでは最後17時過ぎてから、第5スティントぐらいから周りが上がらなくなってきた時に、自分たちはいいグリップを得ることができていた。そこがポイントだと考えている。

――最後のスティントで、アウトラップで飛び出したりとか、17号車にトラブルがあってトップを取り返した後、最後の方はマージンを持って走っているように見えたが?どんな気持ちだったか?

松浦選手:正直、第5スティント走っている時には、リアルに負けるかなとは思っていた。気温がかなり下がっていたので、デグナーの2つめで飛び出してしまった。その後は10周ぐらいはタイムを広げることができた。それからは自分の中でマージンを沖ながら走っていった。最後の5周になってからは早くゴールにならないかと思っていて、残り3周あると思ったときに、残り1周だって聞いたときには本当に嬉しかった。これまでなかなか勝ってないし、最後の鈴鹿1000km勝てたのは本当に嬉しい。

スポーツランドSUGOのレースでぶっちぎっていても勝てない原因は何かと考えたとLEONの黒澤選手

――LEONチームはどうしてすぐにピットに入ったのか?

黒澤選手:元々そういう様々な作戦を考えていて、周りの状況をふまえて考えないといけないと話していた。スポーツランドSUGOのレースで20秒ぐらいちぎってても勝てない原因は何か、レース戦略ももっと考えないといけないというのがあったので、今回があった。検討を始めたのは、菅生のレースの後ぐらいからだ。

――他のチームが真似しなかった時は“やった!”と思ったか?

 たぶんみんなすぐは気がついてなくて、3~4周目ぐらいから真似したと思う。結果がよかったのでやったと言えるけど、もし失敗だったらそうは言えなかった。

――LEONの2人は他よりも長いスティントでいけると思っていたか?また、ベントレーに引っかかっていたが?

蒲生選手:タイヤはいけるだろうというのがあって、いいタイヤを用意してくれた。事前に聞いていたタイヤの情報ではロングもいけるだろうと思っていた。菅生や富士で、ブリヂストンタイヤがAMGに合わせたいいタイヤを作ってきてくれたので。1スティント目でベントレーに引っかかった件は、鈴鹿のコース特性では抜くのが難しくて、ぶつかるとダメだなと思ったので、今は我慢の時だと考えてこらえた。

黒澤選手:僕の1スティント目が最長だったと思うが、BSさんが用意してくれたタイヤが本当によかった。

司会:では後半戦に向けた抱負を

蒲生選手:今までどおり、チームとチームメイトと力を合わせてやっていくだけ、タイともてぎはAMGにあっていると思う。

黒澤選手:勝ったからと気を抜かず、チームを引き締めていきたい、蒲生選手も速いドライバーになってくれたし、BSとAMGのマッチングがよくなっているので、皆で協力して開発を進めて最終的にチャンピオンになりたい。

バゲット選手:ダンロップは、タイはいつも調子がいいので楽しみだ。もてぎはタフなトラックだけど、諦めずに頑張りたい。

松浦選手:黒澤さんが気持ちを切らさずにと言っていたが、僕の場合は気持ち切れそうだ(笑)。ダンロップがここで勝てるなんて誰も思ってなかったと思うけど、ここで勝てた。あとシリーズは2戦あるけど、楽しくやっていきたいなと思っている(笑)。もちろんその時になれば頑張るとは思うが……この1カ月楽しみたい(笑)。