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8月19日の“バイクの日”に開催された2輪4社合同記者会見レポート
2輪車の販売状況や今後の発展について報告
2017年8月28日 16:26
- 2017年8月19日 開催
8月19日の“バイクの日”に「サナギ新宿」(東京都新宿区)で開催された「バイクの日スマイル・オン2017」では、開会式前に「2輪4社合同記者会見」が行なわれた。
記者会見には日本自動車工業会 二輪特別委員会 委員長の柳弘之氏(ヤマハ発動機 代表取締役社長)、同副委員長の安倍典明氏(本田技研工業 執行役員 二輪車事業本部長)、同副委員長の浅野剛氏(川崎重工業 執行役員 モーターサイクル&エンジンカンパニー バイスプレジデント)、同副委員長の西河雅宏氏(スズキ 二輪事業本部 技術統括部長)、同副委員長の渡部克明氏(ヤマハ発動機 取締役 常務執行役員 MC事業本部長)、そして日本自動車工業会の常務理事である和迩健二氏が出席した。
記者会見は柳委員長の挨拶から始まり、「ここ数年、こちらの記者会見はバイクの日とセットで行なうのが恒例となっています。さて、昨今の2輪車市場ですが、いろいろな国や地域で経済情勢の変化、市場の変化、ニーズの多様化が起きています。そういったなかで私ども国内4メーカーは着実にビジネスを進めていて、国内4メーカーを合わせた世界の2輪車シェアはだいたい45%くらいという状況です。日本国内市場ですが、現在は原付市場がとても厳しい状況です。しかし大型、中型クラスは堅調な推移をしています。国内4メーカーはいろいろな関係団体から協力をいただきまして市場の活性化に取り組んでおり、いくつかは結果に結びつけることができていると思いますので、本日はそのへんのことを皆さま方に紹介したいと思います」と語った。
続いては渡部副委員長から販売状況などが説明された。最初に取り上げたのは、国内の2輪車状況についてで、「今年の春に行なった大阪と東京でのモーターサイクルショーはともに大盛況でした。どちらの開催も入場者数が過去最大となりました。なお、今回の開催だけでなく、近年は右肩上がりに入場者数が伸びていますので、そういった面からもバイク人気が高まっていると感じております」と堅調さをアピールした。
次にモータースポーツについても触れ、「近年はモーターサイクルスポーツの人気も高まっています。先日開催された40周年の鈴鹿8耐では12万8000人の方がサーキットに来られました。鈴鹿8耐では5年連続で観客数が増加し、MotoGP日本グランプリも当初6万人の観客数だったのが約9万人に伸びていることが、過去5年間のデータに表われています。とくに注目したいのは10代、20代の若い観客が増えているところです。これは2輪車の若者人気が拡大していることを表わすものでもあります。また、全日本選手権では女性ライダーの活躍が目立ってきているのも明るい話題となっています」とのことだった。
また、国内の販売状況についての説明も行なわれ、「2016年は全体で21万台を堅持しており、自動2輪車の販売はまずまず堅調と見ています。上半期のみの販売状況データを見ても前年並みの結果です。なかでも軽2輪(125cc~250cc以下)のカテゴリーは前年比150%となっており、大変好調な動きを見せています。好調の要因としてはスーパースポーツ、あるいはフルカウルスポーツと呼ばれるロードモデルに人気が出ていること。とくにこの排気量帯は20代のエントリー層の購入が増えていて、ここは今後も伸びるであろうと期待しているところです。もう1つ、このクラスを盛り上げているのがアドベンチャータイプというカテゴリーのバイクが出てきたことです。このタイプはホンダ、スズキ、カワサキから発売されていて、多くのお客様に受け入れられています」というように、ここ数年はバイクの販売状況はよいとの報告がされた。
しかし苦戦しているクラスもあった。「原付一種ですが、これは大変苦戦をしています。原付一種というのは通学や買い物など、生活を支える交通手段として普及していますが、少子化、あるいはモビリティの多様化の影響を受けて縮小傾向になっています。今年の上半期の販売状況は前年を越える見通しですが、それでも厳しい状況が続いています」。
「しかし、我々として原付一種は日本では必要なカテゴリーと認識しております。そこでメーカー間で生産面での業務提携を行なったり、さいたま市のプロジェクトに参画して9月からはEVバイクの普及拡大に向けた実証実験を行なったりという行動を起こしています。さらにホンダと日本郵便による電動バイクのインフラ対策など、新しい取り組みも始まります。そして個社ベースでのプロモーション活動や、高校生に対する原付の安全普及活動などを進めています。このようにさまざまなアプローチで需要再生に取り組んでいます」と、原付一種クラスの人気回復へ力を入れていくことが語られた。
議題は切り替わり、業界の取り組みについて語られた。2輪車業界は2014年に「2輪車産業政策ロードマップ」を策定して以降、さまざまな活動を進めてきた。この記者会見ではそうした取り組みのなかから日本自動車工業会 二輪特別委員会として“とくに注目してほしい”という8項目が紹介された。これらについてはスライドと合わせて紹介していく。