ニュース

8月19日の“バイクの日”に開催された「バイクの日スマイル・オン2017」レポート

バイクの楽しさ、魅力を伝えるとともに安全、安心の意識拡大も進める

2017年8月19日 開催

バイクの日スマイル・オン2017のフォトセッション

 1989年に日本政府によって2輪車の交通事故撲滅を目的として制定されたのが8月19日の「バイクの日」。その日にあわせて日本自動車工業会 二輪特別委員会と日本二輪車普及安全協会と共催で、8月19日に2輪車ユーザーをはじめ、広く一般の人にも交通安全意識の啓発とバイクの日の認知度向上、そしてバイクの楽しさ、魅力を感じてもらうことを目的としてイベント「バイクの日スマイル・オン2017」が開催された。

 2017年の会場は東京都新宿区にある「サナギ新宿」と新宿駅東南口広場 イベント会場で、構成は新宿駅 東南口広場 イベント会場でのバイク展示と「サナギ新宿」でのステージイベントというものだ。

 ステージには日本二輪車普及安全協会の林田武人専務理事と日本自動車工業会 二輪車特別委員会の柳弘之委員長、安倍典明副委員長、浅野剛副委員長、西河雅宏副委員長、渡部克明副委員長、日本自動車工業会の和迩健二常務理事、内閣府代表の金子健氏、警視庁代表の警視庁 交通部 交通総務課 課長の中村彰宏氏、警視庁 新宿警察署 署長の宮橋圭祐氏、さらにお笑いタレントの千原ジュニアさん、南明奈さんらが登壇して、「バイクの日スマイル・オン2017」の開会式を行なった。

日本自動車工業会 二輪車特別委員会 委員長で、ヤマハ発動機株式会社の代表取締役社長でもある柳弘之氏

 開会式では登壇者の紹介のあと、主催者代表として柳氏が挨拶した。

「今回のバイクの日は、内閣府、警視庁交通部、そして新宿警察署の多大な協力をいただいて開催できました。さて、我々バイクメーカーは日ごろ、2輪車を作る仕事をしていますが、2輪車を企画して、デザインして、設計して、実験して、そして生産する。これは非常に面白いことです。また、2輪車には4輪車とは違う運動特性がありまして、それを操縦する楽しさがあります。それに2輪車は、走る姿を見ることでも楽しめます。ヨーロッパが主体のMotoGPというレースは、4輪車レースの最高峰であるF1よりもお客様が集まります。日本でも10月にMotoGPがツインリンクもてぎで開催されます。先日、鈴鹿サーキットでは鈴鹿8時間耐久レースが大変盛り上がりました。このように今、どんどんお客様が増えている状況です。ですから、2輪車は作って面白い、乗って面白い、そして見て面白いという乗り物なわけでございます」。

「ただ、面白い、楽しいを支えるものとして“安全と安心”があり、“正しく乗る”ということが前提です。私どもはお客様がワクワクするものを作りながら、正しく適切に乗っていただけるための環境を作ることを、業界を挙げて一生懸命進めてまいりたいと思っています。本日はそういったことを少しでも感じていただければ幸いと思います」と語った。

警視庁 交通部 交通総務課 課長の中村彰宏氏

 続いて警視庁 交通部 交通総務課の中村氏が挨拶した。

「本日、バイクの日ということでございますが、私も16歳の誕生日の直後に原付免許を取得してバイク通学をしていました。なので、このようなイベントに呼んでいただいたことをうれしく思います。今日はせっかくの機会なので、交通情勢についてお話ししたいと思います。警視庁では年間の交通事故死者数を140人以下にするという目標に向かって、一丸となって交通安全対策に取り組んでいます。ただ、昨年に比べると、残念ながら7月末現在、交通事故の発生件数は増えていていて、負傷者数、死者数も増加しています。こうしたなか、原付を含めた2輪車乗車中に亡くなった方は19人です。2輪車に限っては去年より亡くなった方は3人ほど減少しています。これはみなさま方が安全意識を高く持っていただいたことの結果でないかと思います」。

「さて、2輪車の事故で致命傷になるものですが、頭部のケガが50%なんですが、胸やおなかを強打するものが32.5%と高い数字になっています。しかし、胴部のプロテクターの装着率はまだまだ十分ではないという課題もあります。それだけに、2輪車の事故が多発するところでの街頭活動も引き続き行なってまいります。さらに2輪車実技教室の開催などを行ない、2輪車事故防止のために取り組んでいく所存です」と語った。

 開会式後は、千原ジュニアさんと南明奈さんによるバイクとライフスタイルをテーマとしたゲストトークショーとなる。千原ジュニアさんからはプライベートで2台の大型バイクを所有していることや、芸人仲間でツーリングに行ったときのことなどが語られた。南明奈さんはバイクではなくトライクに乗っていることなどを語った。

千原ジュニアさんは旧車好きで、現在所有していているのは本田技研工業「CB750」と川崎重工業「マッハIII」とのこと。南明奈さんもモータースポーツを趣味としている

 続いて、警視庁・交通安全ステージとして警視庁 女性白バイ隊「クイーンスターズ」と警視庁のマスコットキャラクター「ピーポくん」が交通安全をテーマとしたクイズ形式のショーを行なった。クイーンスターズと言えば東京モーターサイクルショーでも白バイに乗って模範走行やドリル演技を行ない好評だったが、このバイクの日スマイル・オン2017ではステージイベントだったので、白バイでの模範走行などは行なわなかった。

警視庁 女性白バイ隊「クイーンスターズ」と警視庁のマスコットキャラクター「ピーポくん」が登場。バイクの重大事故が多い時間帯は朝の通勤、通学時。そして夜間走行時とのこと
スライドに表示されたバイクに乗るときの注意項目。死亡事故は胸などを強打したことが原因になることが多いので、プロテクターの着用を呼びかけていた。最近は着ぶくれしない薄型のプロテクターも発売されている。また、転倒時の衝撃を吸収するベスト型の「着るエアバッグ」も発売されている

 3番手は「熊本県営業部長兼しあわせ部長」のくまモンによるステージ。くまモンの活動については本田技研工業がサポートしていて、原付スクーターの「ジョルノ」や原付レジャーモデルの「モンキー」でくまモンをイメージした「くまモンバージョン」も発売している。そこで今回は、モンキー・くまモンバージョンのPRで使用した特製ライダースジャケットとヘルメットを着用するイラストと同じ姿で登場した。

熊本県営業部長兼しあわせ部長のくまモンによるステージ。今回はホンダが発売していた原付レジャーモデル「モンキー・くまモンバージョン」のPRイラストと同じライダースジャケットを着用
登場から大きく動き回って会場を沸かせたくまモン。ツーリングの目的地として熊本へぜひ、ということで、熊本の特徴や観光名所を紹介
くまモンステージの締めは「くまモン体操」(2分46秒)

 2回目のゲストトークショー。モデルでタレントの鈴木奈々さん、モデルのパンツェッタ・ジローラモさん、そしてファッションディレクターの森岡弘さんがステージに登場して、バイクとファッションについて語った。

 今回のイベント会場内にはホンダ「レブル250」、ヤマハ発動機「セロー250」、カワサキ「エストレア ファイナルエディション」、スズキ「Vストローム250」という都会が似合う4台のバイクが展示されていたが、その横にはゲストとして登場した森岡さんがセレクトするファッションコーディネートも展示されていた。そして、会場でアンケートに答えた人のなからそれぞれ1名に、展示されている森岡さんコーディネートのバイクファッション(サイズは当選者に合ったもの)がプレゼントされるという企画も盛り込まれていた。こちらは用意していたアンケート用紙がなくなるほど盛況だったようだ。

2回目のゲストトークショーは、バイクとファッションについて。モデルでタレントの鈴木奈々さん、モデルのパンツェッタ・ジローラモさん、そしてファッションディレクターの森岡弘さんが語った
モデルのパンツェッタ・ジローラモさん
モデルでタレントの鈴木奈々さん
ファッションディレクターの森岡弘さん
カワサキ「エストレア ファイナルエディション」向けのコーディネート
スズキ「Vストローム250」向けのコーディネート
ホンダ「レブル250」向けのコーディネート
ヤマハ「セロー250」向けのコーディネート
TVアニメ「ばくおん!!」のステージ

 最後のステージイベントは、2016年4月からクールで放送されたTVアニメ「ばくおん!!」のステージ。登場したのは、メインキャラクターの1人である「天野恩紗」の声を演じた声優の内山夕実さんとアニメプロデューサーの高橋和彰さん。「ばくおん!!」は、秋田書店から発行されている「ヤングチャンピオン烈」で連載中のコミックが原作。バイク×女子高校生の組み合わせで描かれるハイテンション・学園コメディ。この作品には国内バイクメーカー4社とバイク関連企業が全面協力していた。

声優の内山夕実さん。バイクの免許は持っていないが、「ばくおん!!」に参加したことでバイクに興味が涌いたとのこと
アニメプロデューサーの高橋和彰さんは、「ばくおん!!」を担当することになったことからバイクのことを知るため、教習所に通って免許を取ったとのこと
今回のステージは12月6日から発売されるTVアニメ「ばくおん!!」のBlu-ray BOX発売のPRも兼ねていた。詳しくはTVアニメ「ばくおん!!」の公式サイトを見ていただきたい
サナギ新宿の前にある新宿駅 東南口広場では国内バイクメーカー4社のバイクを展示
ホンダ「CB1100 RS」
ヤマハ「SCR950」
スズキ「GSX250R」
カワサキ「Ninja 650」