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自工会、バイク人口増加を図る新たな取り組みを紹介
若者にアピールする大学生アンバサダー任命、東京モーターショー会期延長など
2019年7月18日 18:31
- 2019年7月18日 開催
自工会(日本自動車工業会)は7月18日、同団体の二輪車特別委員会の懇談会を開き、2輪車業界の活性化に向けた2019年の取り組みを解説した。より気軽にバイクに乗れるAT小型限定普通二輪免許や、若年層への2輪車普及を目的としたアンバサダーの任命、二輪車安全運転全国大会の復活、各種バイクイベントの開催について説明したほか、10月24日に開幕する「第46回 東京モーターショー 2019」では、2017年の前回と比較して一般公開日の期間が2日間長い12日間としたことなども紹介した。
原付一種は減少も、それ以外は増加傾向に
会合では最初に、自工会 二輪車特別委員会 委員長の日髙祥博氏が2輪車市場の概況を解説。2018年度の原付一種・二種および軽二輪車、小型二輪車の合計販売台数は36万9114台と、史上初めて37万台を割り込む数値となった。特に原付一種の販売台数が14万3129台と顕著に減少しており、日髙氏は軽自動車へのシフトが進んでいること、都市部では電動アシスト自転車の販売が伸びていることなどが要因ではないかと分析した。
ただ、原付一種を除いた販売台数は22万5985台で「ここ12年間で最多」を記録している。これを受けて日髙氏は「国内に1100万台の保有2輪車が存在している現状を考えると、需要維持と市場拡大に向けては既存ユーザーの2輪車利用環境の改善が重要」だとした。
具体的な環境改善策として、自工会ではこれまで取り組んできた駐車場不足の解消、高速道路通行料金の適正化、2輪車通行規制の妥当性の見直しについて今後も関係機関や行政などに訴えていくとともに、徐々に減りつつある「3ない運動」の撤廃に向けた教育委員会への継続的な働きかけも進める。そして、2019年はさらに新たな取り組みもスタートさせる。
その1つが若年層へのアプローチ。日髙氏によると、現在はすでに高齢となってしまったバイクユーザーのなかには、若いころにバイクやそれに関連する情報に触れていたことのある人が多いという。そこで自工会では8名の「自工会二輪車普及アンバサダー」を任命。免許取得費用などをサポートし、若者自身がバイクの情報を発信していくことで、若い世代の潜在ユーザーの掘り起こしを狙う。
アンバサダーはいずれも都内在住の大学生で、「バイクに乗って実現したい夢を持っている」点を重視して選定。現在は2輪免許の取得中とのことで、今後はその「実現したい夢」のためにバイクでどういった経験をしているか、といったような情報・体験談をSNSなどを通じて発信していくという。
また、2018年7月に改正された道路交通法施行規則により、排気量125cc以下のAT小型限定普通二輪免許の教習が最短2日間で修了できるようになったことから、免許取得のハードルが下がっていると紹介。2018年の二輪免許の合格者数では、普通二輪免許全体のおよそ1割となる1万8110人がAT小型限定普通二輪免許を取得しているが、ここ数年はすでに増加傾向にあり、今後はさらなる伸びが見込めるとしている。アンバサダーの取り組みにおいても、このAT小型限定普通二輪免許をアピールポイントの1つとする。
そのほか、2017年にいったん終了した二輪車安全運転全国大会が復活し、2019年8月3日~4日に鈴鹿サーキット・交通教育センターで開催を予定していること、「バイクの日」となる8月19日に二子玉川ライズにて、芸能人らを招いたバイクイベントを開催することなども紹介した。
2019年で46回目となる東京モーターショーは、10月24日~11月4日の日程で東京ビッグサイト(東京都江東区有明)で開催される。「未来の可能性が広がる場になる」ことを見据えて「OPEN FUTURE」をテーマにした今回の東京モーターショーは、会期を2017年の前回よりも2日間長い12日間とし、「よりゆっくりご覧いただける会期としている」と説明。さらに「近隣の臨海副都心エリアなどでの拡充開催を計画している」ことも明らかにした。