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日産、「プロパイロット」「プロパイロット パーキング」「e-Pedal」を導入した新型EV「リーフ」発表会
航続距離400km、最高出力110kW、最大トルク320Nmを実現
2017年9月6日 22:15
- 2017年9月6日 開催
日産自動車は9月6日、フルモデルチェンジして10月2日に発売するEV(電気自動車)の5ドアハッチバックモデル「リーフ」を世界初公開する「New Nissan LEAF World Premiere」を幕張メッセ(千葉県千葉市美浜区)で開催した。
2010年12月に初代モデルが発売されたリーフは、外部から充電された電気だけで走る“100%電気自動車”。走行時にCO2を排出することがなく、災害発生時などにバッテリーに蓄えた電気を外部供給できるといった独自性の強い魅力を持っており、価格は315万360円~399万600円。このほかのグレード体系や製品概要などについては、関連記事の「日産、航続距離を“初期モデルの2倍”の400kmに高めた新型『リーフ』」などを参照していただきたい。
新型リーフは「“技術の日産”の粋を集めたクルマ」と西川氏
世界初公開イベントでは、オープニングでコンセプトムービーの紹介や新型リーフの走行披露、プロジェクションマッピングなどを使った製品紹介などを実施したあと、日産自動車 代表取締役社長兼最高経営責任者の西川廣人氏がステージに立った。
西川氏は新型リーフの発売を正式に発表したあと、「我々日産は初代リーフを発売して以来、お買い上げいただいたお客さまとともに『EVの世界を作ってきたEVの先駆者』としての自負を持っております。そして今、まさに世界が本格的なEVの時代に動き出したというタイミングで、『技術の日産』の粋を集めた新型リーフをお届けできることを、すばらしいチャンスをいただいたと大いに気合いを入れているところであります」。
「初代の持っていた『時代の先駆者としての役割』からさらに進化して、新型リーフは今後の日産のコアとなる実力を持ったクルマであります。日産の『インテリジェント モビリティ』を牽引するクルマだということになります。まず、フル充電の航続距離はJC08モードで400km。現行モデルに対して40%増という飛躍的な向上をしております。次に自動運転の進化。『セレナ』や『エクストレイル』でご好評いただいております『プロパイロット』の技術をさらに発展させた『プロパイロット パーキング』を搭載しております。車庫入れや縦列駐車などを、非常に簡単な操作で安全に行なうことができます。また、『ノート』でご好評いただいているワンペダルで運転操作する『e-Pedal』をさらなる進化版としてお届けいたします。このクルマの販売台数を最終的に決めるのはお客さま、マーケットだと思っていますが、想定から上積みしてほしいと思っておりますし、その可能性は十分にあると思っています」とコメント。2代目にフルモデルチェンジして進化したポイントなどを紹介したほか、新しいリーフに対する自信をのぞかせた。
「新型リーフは単なるEVではない」とスキラッチ氏
西川氏に続いてステージに立ったのは、EV事業の責任者であり、「ニッサン インテリジェント モビリティ」の牽引役である副社長のダニエレ・スキラッチ氏。
スキラッチ氏は冒頭で「まず最初に申し上げたいことがあります。『新型リーフはEVではありません』。もちろん、リーフは100%電気で動くゼロエミッションのパワートレーンを搭載しています。しかし、新型リーフは、ただEVと呼ぶだけでは、このクルマを実現させたインテリジェンスや独創性、イマジネーション、クリエイティビティといったもののすべてをお伝えすることはできません。また、このクルマが持つ大きな可能性も語り尽くすことができないのです。EVはわくわくする技術ですが、それだけで人々をよりよい世界に導くに十分ではないのです。人々をよりよい世界に導くには、より壮大なビジョン、より大胆な戦略が求められます」。
「EVとは想像力の一部であり、わくわくするドライビングとお客さまの経験価値の向上を果たし、よりよい世界の実現に貢献します。これこそがあるべきビジョンです。『新型リーフは単なるEVではない』と言ったのはそのためです。新しいリーフはニッサン インテリジェント モビリティのまさにアイコンであり、ニッサン インテリジェント モビリティとは人々をよりよい世界に導く日産のビジョンなのです」と解説。さらにスキラッチ氏はニッサン インテリジェント モビリティの3つの柱となる、電動化技術の「ニッサン インテリジェント・パワー」、知能化技術の「ニッサン インテリジェント・ドライブ」、コネクテッドカー技術の「ニッサン インテリジェント インテグレーション」について語った。
「新型リーフが走り去るときは強い印象を残していく」とアルベイザ氏
また、新しいリーフの内外装について、4月1日から中村史郎氏のあとを受けて日産におけるデザインの統括をしているアルフォンソ・アルベイザ氏が解説を実施。
アルベイザ氏はまず、「新型リーフは2つのストーリーを語っています。『EVがここまで来たか』ということ、そして『日産のデザインランゲージが向かっている先』についてです」とコメント。初代リーフの開発がスタートした当時、業界には参考にできるような見本がなく、さらにユーザーは「これから到来する新しいパワフルな波」にまったく気がついていなかったと語り、自動車業界とユーザーの日々が大きく変革する祝祭として、独特なデザインシグネチャーが新型リーフに与えられることになったと解説した。
そこからEVのイメージは大きく変化したが、新型リーフでもEVデザインやテクノロジーの最先端にあることから、日産車共通のデザインDNAである「人の心に訴えかける幾何学」をリードするデザインを採用。低重心でスリークなプロポーション、シャープでダイナミックなテイストが感じられ、スタンスを広げたことで安定感が増し、重心が低くなっていると説明し、デザインだけでなく走行性能にも寄与していることを語った、
このほかにもフロントのVモーショングリルが、見る人の視線をボンネットからサイドに誘導。弾丸のような外見とサイドに向かうシャープなコーナーを組み合わせて風切り音の発生も抑制しているという。テールランプやリアウィンドウ、ウイングフィニッシャーを一体化させたことで、クルマ全体が1つのダイナミックな動きでまとめられ、新型リーフが走り去るときには強い印象を残していくという。