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日産、航続距離を“初期モデルの2倍”の400kmに高めた新型「リーフ」

モーター出力などを向上させたハイパフォーマンスモデルを2018年発売予定

2017年10月2日 発売

315万360円~399万600円

10月2日に発売される新型「リーフ」

 日産自動車は、EV(電気自動車)の5ドアハッチバックモデル「リーフ」をフルモデルチェンジして10月2日に発売する。価格は315万360円~399万600円。なお、日産はこの発表に合わせ、2018年にモーター出力やバッテリー容量などを向上させたハイパフォーマンスモデルの発売を予定していることも明らかにしている。

モデル原動機駆動方式価格
SEM572WD(FF)3,150,360円
X3,513,240円
G3,990,600円
新型リーフ

 リーフは2010年12月に初代モデルが発売され、外部から充電された電気だけで走る“100%電気自動車”。走行時にCO2を排出することがなく、災害発生時などにバッテリーに蓄えた電気を外部供給できるといった独自性の強い魅力を持ち、これまでに28万3000台をリリースして「世界で最も売れている電気自動車」となっている。

モーター出力を最高出力110kW(150PS)/3283-9795rpm、最大トルク320Nm(32.6kgm)/0-3283rpmにパワーアップ。リチウムイオンバッテリーの容量も40kWhに向上し、JC08モードの航続距離は400kmを実現

 2代目のリーフでは、「EM57」型モーターとリチウムイオンバッテリーで構成される「e-パワートレーン」が進化。モーターを制御するインバーターを高出力化したことにより、従来型で最高出力80kW(109PS)/3008-10000rpm、最大トルク254Nm(25.9kgm)/0-3008rpmを発生していたところから、最高出力110kW(150PS)/3283-9795rpm、最大トルク320Nm(32.6kgm)/0-3283rpmにパワーアップ。モーターならではのわくわくさせる加速性能を大きく高め、0-100km/h加速のタイムを初代リーフから15%短縮したほか、60-100km/hの中間加速は加速時間を30%短縮しているという。

 リチウムイオンバッテリーの容量もこれまでの24kWh、または30kWhから40kWhに向上。JC08モードの航続距離を初代モデルのデビュー当初(200km)から倍増となる400kmに引き上げている。

 なお、これまでと同じサイズを維持しながら40kWhの大容量化を実現した新開発のリチウムイオンバッテリーは、急速充電による80%充電の完了時間が従来の30分から40分に伸びているが、これは充電できる総量が増加したことの影響を受けたもの。新たに採用した電極材によって大電流で継続的に充電できる時間が従来型から向上しており、充電開始から同じ30分が経過した時点での充電量は新型バッテリーの方が多いという。

新型リーフの走行イメージ。最高出力を初代モデルの80kW(109PS)から110kW(150PS)、最大トルクを254Nmから320Nmに高めて加速性能を向上させたほか、40kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載してJC08モードの航続距離は400kmを実現した
「セレナ」「エクストレイル」に続いて自動運転技術「プロパイロット」を導入

 昨今の日産では、卓越した技術を自社のクルマに与えて新しい価値をアピールする「ニッサン インテリジェント モビリティ」を展開。このニッサン インテリジェント モビリティは電動化技術による「インテリジェント・パワー」、知能化技術による「インテリジェント・ドライブ」の2つを柱として取り組みが進められ、量産EVとしてインテリジェント・パワーの象徴的存在に位置付けられてきたリーフに、2代目からもう1つの柱であるインテリジェント・ドライブの自動運転技術「ProPILOT(プロパイロット)」を導入。Gグレードに標準装備し、Xグレードでも16万2000円高でオプション装着できる。

 また、2代目リーフでは高速道路の単一車線でアクセル、ブレーキ、ステアリングを自動制御するプロパイロットに加え、駐車の開始から完了までボタン1つで自動制御する「プロパイロット パーキング」を新採用。2016年11月に発売した「ノート e-POWER」で好評の「e-POWER Drive」を進化させた「e-Pedal」も搭載している。

 プロパイロット パーキングでは駐車場内でシステムを起動し、センターコンソールのカーナビ画面に表示された駐車可能なエリアのなかから駐めたい場所を選択。そこからはシフトセレクター前方にある「プロパイロット パーキングスイッチ」を押し続けることで、ステアリング、アクセル&ブレーキ、シフトチェンジ、電動パーキングブレーキのすべてを駐車シーンごとに自動制御。電動パーキングブレーキが作動して駐車が完了するまでの全手順を任せることができる。Gグレードに標準装備するほか、Xグレードにもオプション設定(21万600円高)。

Gグレードに標準装備、Xグレードにオプション設定する「プロパイロット パーキング」

 プロパイロット パーキングの作動中にプロパイロット パーキングスイッチを押す以外の操作が行なわれた場合、ブレーキ操作では駐車が継続され、ブレーキの踏み具合によって車両を停止させることも可能。ブレーキがリリースされれば駐車が再開される。プロパイロット パーキングスイッチを押す指が離れたり、ステアリング操作が行なわれたときは駐車を中断。この状態からプロパイロット パーキングスイッチが再び押し続けられると駐車の制御が再開される。唯一アクセル操作が行なわれたときは安全性を優先し、駐車制御は解除となってNレンジにシフトチェンジされ、電動パーキングブレーキが作動。画面表示と警告音で制御停止の注意喚起が行なわれる。

 このほか、プロパイロット パーキングでは一般的なバックでの駐車や縦列駐車に加え、充電ケーブルが接続されている状態で走り出してしまわないよう充電ポートが車両前方に配置されているリーフに対応するため、前方駐車のモードを用意。また、車線を認識して高速道路でステアリング制御するプロパイロットの技術を使っていることで、これまで他社モデルなどで苦手とされてきた複数の駐車スペースが並んで空いているような状況下でもしっかりとスペース内に駐車できるとしている。

 e-Pedalは、e-POWER Driveと同じく駆動輪(リーフやノート e-POWERの場合は前輪)の回生発電を積極的に利用したブレーキングに加え、状況に応じて4輪のブレーキが併用可能になった。これにより、滑りやすい路面状況でも前輪だけでなく後輪にも制動力を発生させてより大きく減速することが可能になり、バッテリー残量が多いときでも減速しやすくなった。これにより、アクセルOFFでの最大減速度はノート e-POWER(Sモード・ECOモード時)の0.15Gから2代目リーフ(e-Pedal ON時)は0.2Gに向上している。

 また、停車後はブレーキによって停車状態を維持できるようになって使い勝手が向上。日産では「日常のおよそ9割の減速をアクセル操作だけでカバー可能」としている。

 このほかにも先進的な安全装備として、「インテリジェント ルームミラー」「進入禁止標識検知」「車線逸脱警報」「踏み間違え衝突防止アシスト」「後退時車両検知警報」「後側方車両検知警報」などをリーフとして初搭載している。

センターコンソールのシフトセレクター前方に「e-Pedal」のスイッチと「プロパイロット パーキングスイッチ」をレイアウト。プロパイロット パーキングスイッチを押し続けることで、駐車の操作が電動パーキングブレーキの作動まで完了する
「ニッサン IDS コンセプト」からインスパイアを受けたという新型リーフの外観デザイン

 内外装のデザインは、初代リーフは「EVとしてのユニークさ」を強調していたことに対し、2代目リーフでは「クルマとしての美しさ」を追求。外観には2015年に開催された「第44回 東京モーターショー」で世界初公開した「ニッサン IDS コンセプト」からインスパイアを受けたデザインを採用する。

「EVらしい爽快な走りをイメージさせるダイナミックさ」をテーマに、フロントマスクでは日産のデザインランゲージとして導入が進められている「ブーメラン型ランプシグネチャー」「Vモーショングリル」を用いるほか、「氷結」をイメージした深みのあるクリアブルーのフラッシュサーフェイスグリルを設定。リアバンパーにもブルーモールディングを使ってEVのクリーンさを表現している。

初代モデルと同様、充電ポートのリッドをフロントノーズに備えるが、ボンネットに連続するキャラクターラインと一体化して目立たないような処理を施している
ダイレクト照射タイプのLEDヘッドライトを採用
「氷結」をイメージしたクリアブルーのフラッシュサーフェイスグリル
タイヤサイズは205/55 R16、または215/50 R17を設定
ブーメラン型のランプシグネチャー
ボディの要所でエアロダイナミクスを追求。Cd値は0.28となる

 また、ボディ形状はエアロダイナミクスも追求し、Cd値は0.28。ボディカラーは単色8種類のほか、2トーンカラー6種類を用意する計14種類。

ボディカラーは単色8種類のほか、写真の「ブリリアントホワイトパール/オーロラフレアブルーパール」(7万2000円高)などルーフなどを塗り分けた2トーンカラー6種類を用意

 インテリアでも日産の新しいデザインテーマ「グライディング・ウイング」を採用。内装色はシャープなブラックとスマートさを持つエアリーグレーの2色を用意し、シートやドアトリムなどのステッチをブルーにして外観と同じくEVのクリーンさを表現する。また、ステアリングは下側をフラットにした“Dシェイプ”の本革巻きを採用してスポーティな雰囲気を演出している。

 キャビンではEVの大きな魅力の1つである静粛性をさらに高めるため、音の侵入経路となる隙間を緻密な設計により徹底的に排除。ダッシュボードやルーフ、フロアトリムなどに吸音構造を与えたほか、リアドアやリアフェンダー内部、リアハッチなどに吸遮音材を新たに設定して外部の音が車内に侵入しないよう最適化。日産のミディアムクラスセダンである「ティアナ」を凌駕し、「輸入プレミアムブランド並み」と表現される低い車室内の騒音レベルを実現している。

 メーターパネルの中央には7インチのフルカラーTFTディスプレイを設定し、モーターの出力や改正状況、セーフティ・シールドの作動状況、カーナビの情報などを表示する。また、センターコンソールに設定されたカーナビでは、新たにAppleの「CarPlay」、Androidの「Android Auto」に対応(日本仕様ではCarPlayのみ対応)した。このほかに内装のオプション装備として、本革シートを「BOSE Performance Series サウンドシステム」とセットで21万6000円高でオプション設定している。

デザインテーマ「グライディング・ウイング」を採用する新型リーフのインテリアデザイン
緻密な造型で上質感を表現する助手席前方の加飾パネル
カーナビはAppleの「CarPlay」、Androidの「Android Auto」に対応(日本仕様ではCarPlayのみ対応)
内装色はブラックとエアリーグレーの2色。シートやドアトリムなどにブルーステッチが施される

【お詫びと訂正】記事初出時、「プロパイロット」「プロパイロット パーキング」の標準装備、オプション設定のグレード表記が間違っておりました。お詫びして訂正させていただきます。