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新型レクサス「ES」に21万6000円でオプション設定された「デジタルアウターミラー」。パナソニック製カメラ&ディスプレイと、デンソー製ECUで構成

2018年10月24日 発売

21万6000円高(ES300h“version L”にオプション設定)

10月24日に発売されたレクサスの新型「ES」に、量産車として世界初採用された「デジタルアウターミラー」

 鏡を使って後方確認を行なうドアミラーなどに代わる新技術として、これまでモーターショーなどに出展されるコンセプトカーに装着されて注目されてきた「カメラモニタリングシステム」だが、レクサス(トヨタ自動車)から10月24日に発売された新型ハイブリッドセダン「ES」で、「デジタルアウターミラー」の名称で量産車として世界初採用されることになった。

 ES300h“version L”に21万6000円高のメーカーオプションとして用意されるデジタルアウターミラーは、パナソニック製のカメラと5インチディスプレイ、デンソー製ECU(Electronic Control Unit)で構成。標準仕様のドアミラーが設置される場所にレイアウトされるカメラハウジングは、カメラに雨滴が付着しにくい形状、カメラ周辺の温度を高めて霧などの水分付着を防ぐヒーターなどを採用している。

デジタルアウターミラーはES300h“version L”(698万円)にオプション設定。価格は21万6000円高
ブラック塗装されたデジタルアウターミラーのカメラハウジングは、上側のメッキカバーで高級感を演出。LEDウインカーも備えている
雨粒などが直接当たりにくく、走行中の風の巻き込みなども計算した形状となっている

 デジタルアウターミラーはコンパクト化したカメラハウジングによって風切り音を低減し、新型ESで追究している車内の静粛性をさらに高めることに貢献。また、運転席から見た斜め前方の死角を減少させる効果も持つ。

 車内のAピラー付け根部分に設定される5インチディスプレイは、ドアミラーよりも内側にディスプレイがあることでドライバーの視線移動が減り、運転中の疲労を抑制。雨などが降ってドアウィンドウに付着し、ドアミラーでは車両後側方の視界が不明瞭な状況でも影響を受けにくく、夜間走行時に後続車のヘッドライトで照らされている状態でもまぶしさを感じさせない。さらに夜間に街灯などがない場所ではカメラセンサーの感度やディスプレイの輝度を自動的に高め、歩行者や障害物などの存在を分かりやすくしてくれる。

5インチディスプレイは車内両サイドのAピラー付け根部分に配置。視線移動が減って運転中の疲労を抑制できるほか、ドアウィンドウが不明瞭な状態でも車両後側方を確認できる

 このほかにカメラ映像を使うメリットを生かし、ウインカー操作やリバースレンジへのシフトチェンジと連動する「表示エリアの自動拡大機能」も採用。ウインカーを操作した時の自動拡大では、右左折時にイン側の表示内容を増やすことで歩行者などの巻き込みや縁石などへの接触の危険性を減らし、高速道路などの車線変更では、通常のドアミラーで死角となるBピラー付近の状況を確認できるようにする。

 リバースレンジに入れた時は表示エリアの拡大によって、リバース連動ドアミラーで確認できるようになるリアタイヤ付近の様子をよりワイドな映像で表示するほか、自車と接触する危険性がある範囲、安全性が確保されている範囲を色分けしたラインを追加して分かりやすくする。

駐車場内の同じ位置で、シフトセレクターをリバースに動かした時の画面表示の変化。自車のリアタイヤから隣の駐車枠までしっかり映っているほか、ブルーのラインで安全性が確保できるエリア、レッドのラインで接触の危険性があるエリアを示している

 なお、10月24日の発売時点で、新型ESは約2200台の事前受注を受け付けているが、この中でデジタルアウターミラーの装着車は「ゼロ」となっている。

 これは、デジタルアウターミラーは従来のドアミラーと見え方が異なるシーンがあり、レクサスでは販売にあたってユーザーに実際に試乗してもらい、デジタルアウターミラーについて体感してもらってから判断してもらうようにすると販売戦略で定めているから。デジタルアウターミラーのオプション装着を希望する人は注文にストップがかかっている状態で、この新しい装備にどの程度の反響があるかは今後明らかになっていく。