ホンダ、インサイト発表会「新型インサイトは新時代のスタンダードカー」
発表前日に月販目標の予約を達成。「FCXクラリティ」「CR-Z」とシリーズ展開

本田技研工業株式会社取締役社長の福井威夫氏と新型インサイト
2009年2月5日開催
2009年2月6日発売



  本田技研工業は2月5日、新型ハイブリッドカー「インサイト」の発表会を都内にて開催した。

  発表会には、代表取締役社長の福井威夫氏が出席。「1999年に、世界ナンバー1の燃費達成を目標に初代インサイトを発売。その後10年で世界中のマーケットでの自動車への要求や期待は大きく変化し、優れた環境性能が欠かせないものになってきた」と、現在までの自動車に対する要求の変遷を説明。

  「車のあり方や存在価値自体が問われる時代に入ってきて、現在最も有効な環境技術がハイブリッド。ハイブリッドカーを世界に普及させ、地球規模の環境問題に対応させることが重要となる」と前置きした上で、「新型インサイトは新時代のスタンダードカーとして開発した。ホンダにとっても自動車の未来にとっても、ハイブリッドの普及という新しい時代の幕を開ける、大変重要なクルマだと思っている」と新型インサイトへの意気込みを語った。

  特長については、ハイブリッドシステムの大幅な軽量化と小型化を追求したこと強調。生産面においても、鈴鹿製作所のモーター生産ラインを増設したほか、生産部門と開発部門が共同で設計図に立ち返りモーターの設計を見直すなどして、ハイブリッドシステムのコストを約4割削減することに成功したと言う。また、販売面では日本での販売を皮切りに、欧州、北米でも順次販売を開始し、グローバルで20万台の販売を目標としているとした。

新型インサイトのお披露目の模様。飛び交う木の葉がインサイトの形となった後に、実車を披露する演出

開発を担当した本田技術研究所主任研究員の関康成氏
  続けて、開発を担当した本田技術研究所主任研究員の関康成氏が登壇。「福井社長が2006年の5月の記者会見で、低価格な新型ハイブリッドカーを2009年に発売すると発表しました」、と前置きし「当時はまだ、1/4縮尺のクレイモデルを制作している段階で、“2階に上げられてハシゴを外されたな”と悟りました」と、開発にあたってのエピソードをコメント。「その後の開発は大変でしたが、オールホンダの総合力によって完成し、本日紹介できることを心よりうれしく思います」と開発を終えた感想を述べた。

  開発コンセプトは、「新時代コンパクトスタンダード」で、このコンセプトを達成するために「環境に優しい」「使える」「ファン」「廉価」のキーワードをもとに開発したと言う。「環境性能が優れていても、使っていただかなければ意味がない。世界中の多くのユーザーに使っていただけてこそ、初めてその価値が現れる」として、新型インサイトを「優れた環境性能、使い勝手のよい室内空間、軽快で気持ちよい走りを兼ね備え、しかも低価格で提供するという、新しい価値の提案」と説明。「新時代のスタンダードカーとして、世界中の多くのユーザーに満足して使っていただける車に仕上がったと思う」とコメントした。


新型インサイトのハイブリッドシステムの概要4気筒SOHC 8バルブ 1.3リッターの「LDA」型エンジンとIMA(Integrated Motor Assist)システム新設計薄型DCブラシレスモーター
ハイブリッドシステムの動作状況
低燃費運転支援システム「エコロジカル・ドライブ・アシスト・システム」の主な機能
エンジンとモーターの出力性能曲線全グレード共通の主な標準装備衝突実験の模様
生産ラインの模様
エアロパーツやバンブー調インストパネル、シートカバーなどの主なオプション

取締役副社長の近藤広一氏
  販売展開については、取締役副社長の近藤広一氏が説明を行った。発表に先立って営業・サービス部門で勉強会を行っており、「販売の現場からは“多くの人に喜んでいただける、時代を先取りした商品だ”と、力強い言葉をいただいた」とコメント。「自信を持ってお勧めできる商品に仕上がったと思う」と販売面での自信を表した。

  月間販売台数は5000台を目標としており、近藤氏によれば「2月4日時点で、予約件数が約5000台に達している」とのことで、「今後の販売に対する手応えを感じている」とコメントした。今後の販売展開については、新型インサイトをはじめとして、燃料電池車「FCXクラリティ」、スポーツタイプの新型ハイブリッドカー「CR-Z」を順番に展開し、これらをシリーズとして訴求する。「ホンダの環境技術の先進性、ホンダのエコカーの楽しさや夢を伝えて行きたい」と語った。

  最後に、再び福井社長が登壇し、「品質の高い環境性能の優れた車を、より多くのユーザーにお乗りいただける価格で提供したい、という志から開発し、全社が一丸となった取り組みが実現した」と新型インサイトについて総括。「今後もハイブリッドカーをはじめとする、環境対応車のラインナップを充実させていく」と今後の展開を語って発表会を終えた。


新型インサイトのグレードと価格目標月間販売台数現在展開している、ホンダの環境性能をアピールする広告企画「Honda Green Machine」
新型インサイトのTVCM。Honda Green Machineと同様に「ピーナッツ」のキャラクターを起用(右から)新型インサイト、FCXクラリティ、CR-Z

URL
本田技研工業株式会社
http://www.honda.co.jp/
ニュースリリース
http://www.honda.co.jp/news/2009/4090205-insight.html
製品情報
http://www.honda.co.jp/INSIGHT/
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【2009年2月5日】ホンダ、189万円からのハイブリッドカー「インサイト」
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20090205_38577.html

(編集部:大久保有規彦)
2009年2月5日