NEXCO東日本、東日本大震災で20路線854キロ区間の被害
高速道路の被害と復旧状況

NEXCO東日本(東日本高速道路)管内の高速道路。緑は緊急交通路、赤は通行止め。東北道 浦和IC~宇都宮IC間は3月19日12時より一般車両も通行可能になる

2011年3月18日発表



 NEXCO東日本は3月18日、3月11日に発生した東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)による被害の状況と、現在の復旧状況を公開した。

 それによると、高速道路本線で20路線854キロ区間、および4つのIC(インターチェンジ)で交通の支障となる被害が確認されている。なお、福島県の原子力発電所事故の影響で立ち入りを行っていない、常磐自動車道(常磐富岡IC~いわき四倉IC 30キロ)については、詳細な被害状況は確認できていないとしている。

被害区間と復旧区間。多くの区間が被害を受けているものの、すでにほとんどの個所が復旧されている

 主な被害路線・区間は以下のとおり。
・東北自動車道 347キロ区間
・釜石自動車道 8キロ区間
・山形自動車道 28キロ区間
・東北中央自動車道 7キロ区間
・磐越自動車道 85キロ区間
・関越自動車道 12キロ区間
・上信越自動車道 15キロ区間
・常磐自動車道 153キロ区間
・館山自動車道 7キロ区間
・東関東自動車道 63キロ区間
・東京外環自動車道 1キロ区間
・北関東自動車道 46キロ区間
・仙台北部道路 10キロ区間
・仙台東部道路 19キロ区間
・三陸自動車道 4キロ区間
・東水戸道路 10キロ区間
・京葉道路 6キロ区間
・東京湾アクアライン 15キロ区間
・富津館山道路 4キロ区間
・圏央道 14キロ区間


常磐道 水戸~那珂(上り)の被害状況(左)と復旧状況(右)
東北道 矢吹~須賀川(下り) の被害状況(左)と復旧状況(右)

交通の支障となる道路本体の大規模クラック、東北道 白河~矢吹(上り)東北道 矢吹~須賀川(上り)
東北道 矢吹~須賀川(上り)東北道 須賀川~郡山(下り)

路面の陥没 23個所(最大深さ30cm)、常磐道 岩間IC2cm以上の路面の段差 174個所(最大100cm)、常磐道 広野~常磐富岡(上下線)

橋梁支承部の損傷3 5支承、仙台東部道路 仙台港北~仙台東(上下線)(仙台東部高架橋)橋梁ジョイント部の損傷46橋56個所、仙台東部道路 仙台港北~仙台東(上下線)(仙台東部高架橋)

ICの被害、仙台東部道路 仙台港北IC仙台東部道路 名取IC

 道路の復旧状況は、3月12日早朝までには、緊急車両の通行を可能とするための仮復旧を終え、12日11時以降順次、緊急車両の通行や物資の輸送に利用されている。

 今後の見込みなどに関しては、東北道 白河IC~本宮IC間(53.4キロ)については、余震の影響で補修済みの大規模クラックが再度破損する事象がたびたび発生していものの、今後1週間以内の可能な限り早い時点での応急復旧完了を目指し、全力で補修工事を進めていくとしている。なお、すでに19日12時に東北道 浦和IC~宇都宮ICを一般車両を含め全車両で利用可能とすることが発表されている。

 いまだ、完全復旧となっていないNEXCO東日本管内の高速道路だが、多くの路線では緊急車両の通行が可能になっており、災害支援に活用されている。以下に災害支援に向かう車両などの写真を掲載する。


(編集部:谷川 潔)
2011年 3月 18日