国交省と経産省、JC08モード燃費値の表示を義務づけ
4月以降に型式指定を受ける自動車から

今回義務づけられるJC08モードでは、細かい速度変化で運転を行うとともに、エンジンが冷えた状態からスタートする測定が加わる(出典:国土交通省 燃費測定モードについて)

2011年3月22日発表



JC08モード燃費の表示例。すでに一部のモデルでも表示されている

 国土交通省と経済産業省は3月22日、乗用自動車および貨物自動車のエネルギー消費効率の測定方法について、現在用いられている10・15モード測定法から、より実走行に近いJC08モード測定法に移行するため、「乗用自動車の性能の向上に関する製造事業者等の判断の基準等」等の一部を改正すると発表した。これにより、4月以降に型式指定を受ける自動車はJC08モード燃費値を表示することが義務づけられ、2013年以降は継続生産車も含め、すべての車両がJC08モードによる測定方法となる。

 自動車の燃費値は、国土交通省が定めた方式(10・15モードおよびJC08モード)で測定しており、市街地や郊外での走行を想定した一定のパターンで走らせ、燃料の消費量から燃費を算出している。

 計測時は実際に自動車を走らせるわけではなく、試験場の測定器のローラー(シャシダイナモメータ)に載せ、車両重量ごとに負荷重量を変化させながらその場でタイヤを回転させて燃費を測定する。

 10・15モードは1991年に導入された測定方法で、策定当時のユーザーの自動車使用環境をもとに走行パターンが定められたことから、実走行燃費値とカタログ燃費値が異なるケースが間々あった。

 今回導入されるJC08モードは、ユーザーの使用環境の変化や測定技術の進歩を踏まえ、実際の走行と同様に細かい速度変化で運転するとともに、エンジンが暖まった状態だけでなく冷間時からスタートする測定が新たに加わっており、10・15モードよりも厳しい測定が行われることになる。これにより、算出される燃費値はおよそ1割ほど低くなるとしている。

 また、排気ガス規定もこれまでは10・15モードにより測定した排気ガス量を規制対象としていたが、4月以降に型式指定を受ける車両は、すべてJC08モードによる測定方法になる。

 なお、2013年2月までの間は、10・15モードにより排出ガス基準を満たす自動車があることから、10・15モード燃費値のみの表示が認められている。

(編集部:小林 隆)
2011年 3月 22日