日産と三菱自動車、2013年に「オッティ」「eKワゴン」の次期モデルを発売
軽自動車事業に関わる新会社「NMKV」の記者会見より

NMKVの遠藤淳一CEO(左)と栗原信一COO

2011年6月20日発表



 日産自動車と三菱自動車工業は6月20日、6月1日付で設立された日本市場における軽自動車事業に関わる合弁会社の社名を発表するとともに、事業概要についての記者会見を行った。

 会社名は「株式会社 NMKV」。日産と三菱自動車がそれぞれ50%ずつ出資する合弁会社で、軽自動車の商品企画とエンジニアリングを担うとともに、車両の設計・開発、部品調達も行う。

 記者会見にはNMKVの遠藤淳一CEO(最高経営責任者)と、栗原信一COO(最高執行責任者)が出席し、事業概要を説明した。

遠藤淳一CEO栗原信一COO

 今回合弁会社を設立した理由について、遠藤CEOは「三菱自動車における軽自動車の開発の経験やスピーディな開発力に加えて、日産の特徴であるコストマネージメント、プログラム管理などといった強みを活かした軽自動車の企画開発を行っていけるため」「スピーディな意志決定できる」「徹底したコスト削減を行える」といった点を挙げる。

 また、NMKV設立にあたっては競争力のある軽自動車の企画開発を使命とし、スズキ、ダイハツと並ぶ三強軽自動車グループの一角を担うことを目標に掲げており、現時点での日産と三菱を合算した軽自動車のシェア15%を「20%まで拡大させたい」(遠藤CEO)と語る。

 そのシェア拡大に向けた軽自動車の第1弾として、2013年前半にeKワゴンとオッティ(オッティは三菱自動車からOEM供給を受け日産ブランドからリリースしている軽自動車)の次期モデルを発売することを明らかにした。

 次期eKワゴン・オッティには新開発のプラットフォームの採用と新開発のエンジンを搭載するとしており、「お客様が買ってみたくなるようなクルマを開発していきたい」と栗原COOは述べるとともに、軽自動車としてトップクラスの燃費性能とデザイン性の高いものにしたいと抱負を語った。生産は三菱自動車の水島製作所で行われる。

 また、両社はともに電気自動車(EV)に意欲的だが、「日産と三菱自動車と言えばEV。NMKVとしても、EVを共同でやっていければいいなと考えている」(栗原COO)と、EVの共同開発についても示唆した。

 なお、社名のNMKVは「New Motor」や「NISSAN」「MMC(三菱自動車)」の頭文字からとられるとともに、「K」は翼を広げるような形にすることで大きく羽ばたきたいとの意が込められていると言う。

NMKVの概要。資本構成は日産50%、三菱自動車50%事業概要について合弁会社設立の狙い
NMKVは日本初の日本の自動車メーカー同士のJV(共同企業体)成功モデルにしたいと言う2013年にeKワゴンとオッティの次期モデルを発売する社名のKは大きく羽ばたきたいとの意が込められる

(編集部:小林 隆)
2011年 6月 21日