【インタビュー】STIに聞く、「ランドセル STIバージョン 2012」はなぜ作られたのか 絶対の安全性が求められる自動車メーカーとして価値観を共有 |
7月3日に、STI(スバルテクニカインターナショナル)のWebサイト(http://www.sti.jp/sticollection/randoseru2012.html)やスバルの特約店での予約販売が開始される「ランドセル STIバージョン 2012」。これまでジャケットやサングラス、時計など、STIブランドのさまざまな製品が発売されてきたが、明らかにクルマとは縁遠い製品と言えるだろう。本インタビューでは、このランドセル STIバージョン 2012の企画意図について、STI 営業部 坪川彩美さんにお話をうかがった。
ランドセル STIバージョン 2012。本体色は2種類用意 |
坪川さんは、STIのコンプリートカーをはじめとした最近の製品作りは、「同乗者にも気持ちのよい“運転がうまくなるクルマ”というコンセプトを持っている」と言い、運転をする人だけでなく、一緒に乗る人にもクルマの楽しさが伝わるような製品になっていると語る。
A4ファイルサイズに対応する今回のランドセル STIバージョン 2012は、クルマではなくランドセルだが、STIならではのこだわりを持った作りとなっており、もの作りの部分を子供に訴求していきたいと語る。
ランドセルを選んだ理由としては、「子供が人生で初めて所有する高価な製品」であり、「ほぼ毎日使う製品」であるため。ランドセルには安全性が求められ、絶対の安全性が求められる自動車メーカーとして価値観を共有できる製品であったことも、その一因だと言う。
STIが作るランドセルである以上、安全性や耐久性に配慮してあり「このランドセル STIバージョン 2012は、取っ手の部分をはじめとして各所にリフレクター(反射材)を取り付けてあります。また、ランドセルの各所に打たれている鋲に関しても、反射鋲を使用しており、多様な角度からの光を反射するものになっています」(坪川さん)と語る。また、耐久性については、近年は6年間ランドセルを使おうという流れがあり、それを意識して、素材にはクラリーノ製のものを使用。ベルトも長めの9穴ベルトとなっているほか、ベルトとランドセル本体の結合部に可変機構を採り入れている。これにより、身長160cm以上の坪川さんでも使えるものになっているほか、軽い仕上がりのため、小さな子供の使用においても負担がない。
背面 | 側面 |
各部にリフレクターが配置される | ブラックのSTIロゴ | イニシャルとシリアルが刻まれるプレート。製品版では「00/50」という通しナンバーが刻まれる |
ベルトと本体の結合部。上部は角度が変更でき、下部は支点位置をスライドできる。これらにより子供の成長に対応する |
ランドセルは、キューブ型を採用しており、縫製を工夫することで中の容積を稼げるタイプ。内ポケットに取り付け可能なカールコードも2つ付属するため、1つに携帯電話を取り付け、もう1つに学校のセキュリティカードを取り付けることもできる。
本体色は、ブラックとチェリーレッドの2タイプで価格は6万3000円の限定50個。シリアルナンバーは、色にかかわらず通しで刻まれ、50個の注文が集まった時点で販売を終了する。坪川さんが悩んだのは、この本体色だと言い「チェリーレッドはランドセルとしては人気色なのですが、もう1つをブラックにするかブルーにするか悩みました。ツートンカラーということも考えたのですが、結局ブラックにしました」とのこと。本体色によって、内部に刻まれるSTIロゴのカラーも異なっている。
キューブ型を採用しており、容積を稼ぎ出している。A4ファイルサイズに対応する | この部分に入るSTI製の時間割が付属する | 内ポケット。幅広の内ポケットも用意され、スマートフォンの使用も想定 |
チェリーレッドのランドセル。STIロゴの配色が、ブラックと異なっている |
初めてのランドセルの販売だけに、50個という数が売れるかどうかには不安があると言う。「ランドセル STIバージョン 2012の情報の一部を公開してから反響は大きかったのですが、実際に購入していただけるかどうかは、適齢の子供がいるかどうかにもよります」(坪川さん)と言う。ただ、品質には自信があり、「こだわってよいものを作り、それを(子供達に)伝えていきたい」と最後に語ってくれた。
STIブランドとランドセルの組み合わせには、意表を突かれた部分があるものの、この製品が気になる方はSTIのWebサイトをご覧になっていただきたい。
(編集部:谷川 潔)
2012年 6月 27日