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スズキ、「ワゴンR」超えの燃費を達成した新型軽ハイトワゴン「スペーシア」

JC08燃費は自然吸気の2WD車が29.0km/L。室内長はクラストップの2215mm

新型軽ハイトワゴン「スペーシア」(ボディーカラーはホワイト2トーンルーフのキャンドルオレンジメタリック)
2013年3月15日発売

122万8500円~153万5100円

 スズキは、新型軽ハイトワゴン「スペーシア」を3月15日に発売する。価格は122万8500円~153万5100円。G、X、Tの3グレードを展開し、それぞれに4WDを設定。ターボ車を含む全グレードがエコカー減税の免税(100%減税)に適合している。

グレードエンジン変速機駆動方式価格
G直列3気筒DOHC 0.66リッターCVT2WD(FF)1,228,500円
4WD1,346,100円
X2WD(FF)1,323,000円
4WD1,440,600円
T直列3気筒DOHC 0.66リッターターボ2WD(FF)1,417,500円
4WD1,535,100円

 スペーシアは、現行「ワゴンR」で初採用した低燃費技術「スズキグリーンテクノロジー」と徹底した軽量化などにより、自然吸気エンジンを搭載する2WD(FF)車のJC08モード燃費は、現行ワゴンRの28.8km/Lを超える29.0km/Lを達成。また、開発コンセプトに「広くて楽しい、みんなのわくわくスペース」を掲げ、2425mmのロングホイールベースの新プラットフォームを採用し、クラストップの室内長である2215mmを実現した。

 ボディーカラーは新色のキャンドルオレンジメタリック、フォレストアクアメタリックを含めた全7色を設定。さらにルーフ、ドアミラー、ホイールキャップがホワイトになる「ホワイト2トーンルーフ」(4万2000円)をX、Tに設定。ホワイト2トーンルーフを組み合わせることができるのは、新色の2色とイノセントピンクパールメタリック、フィズブルーパールメタリックの4色。

スペーシアのボディーサイズは3395×1475×1735mm(全長×全幅×全高、2WD)。X、Tの後席両側には電動スライドドア(Gはスライドドアクローザー、運転席シートリフター、チルトステアリング、フロントアームレストボックスを含めオプション設定。2万6250円)を採用する
イノセントピンクパールメタリック
キャンドルオレンジメタリック
シルキーシルバーメタリック
パールホワイト(2万1000円高)
フィズブルーパールメタリック
フォレストアクアメタリック
ブルーイッシュブラックパール
イノセントピンクパールメタリック×ホワイト2トーンルーフ
キャンドルオレンジメタリック×ホワイト2トーンルーフ
フィズブルーパールメタリック×ホワイト2トーンルーフ
フォレストアクアメタリック×ホワイト2トーンルーフ
後席スライドドアの開口幅は580mm、開口高は1230mm。リアステップ地上高は340mm(2WD)とクラストップを実現
ラゲッジルームの開口幅は1130mm(最大)、開口高は1110mm、開口地上高は535mm

 ボディーサイズは3395×1475×1735mm(全長×全幅×全高、2WD)と、同じスペース系軽自動車の「パレット」から数値的な変更はないが、室内サイズは2215×1320×1375mm(室内長×室内幅×室内高)となり、145mm長く、40mm広く、10mm高くなった。

 これはAピラーを立てて前に出すとともに、バックドアを立ててルーフを後ろに伸ばしたことによるもので、さらにルーフ幅を広げ、天井の張り出しを抑えたことで広々とした空間を実現した。また、パレットと比べインストルメントパネルの上面を15mm低く、オーディオ部を50mm前に配置したことなどにより、室内の圧迫感を低減している。

 室内では静粛性にもこだわり、ペンデュラム(振り子)式エンジンマウントの採用により室内の騒音や車体の振動を軽減したほか、吸音タイプの成形天井を採用して耳障りな音を低減した。さらに、ステアリング支持部の剛性を高めてステアリング周辺の振動を低減したほか、ダッシュパネル内に吸遮音材、フェンダー内に遮音材を配置して室内に入ってくるエンジン音を低減。フロアパネルに制振材、カーペット裏に吸音材を配置してロードノイズも低減している。

 また、テールゲートの開口部は1130×1110mm(最大開口幅×開口高)とし、パレットからそれぞれ145mm、10mm拡大したほか、後席左側のリアアウターハンドルにワンアクションスイッチで解錠・自動開閉が可能な「ワンアクションパワースライドドア」を軽自動車として初めて採用(X、T)した。パレット同様にダイブダウンリアシートを備え、フラットな荷室面を実現するとともに、リアシートを両席格納することで27型自転車(形状によって搭載できない場合もある)の積載も可能にしている。

 収納スペースに関しては、グローブボックス内とフロントオーバーヘッドコンソールにボックスティッシュを置ける専用スペースを新たに確保。また、後席では直射日光を遮って快適性を高める引き出し式のロールサンシェードを軽自動車で初採用(X、T)した。

 そのほか、スマートフォンと有線接続することで、ディスプレイでスマートフォンのアプリを操作できる6.2インチモニターの「スマートフォン連携ナビゲーション」(ハンズフリーマイク、ステアリングオーディオスイッチ、バックアイカメラ、外部端子付き。7万3500円)をオプション設定している。同ナビゲーションは旅行ガイドブック「まっぷるマガジン」など約130冊分のデータを収録した「マップルナビ」を搭載するとともに、AUXやUSBソケットに加えてBluetoothにも対応し、スマートフォンの音楽などを聞くことができる。

インストルメントパネル
自発光式メーターはマルチインフォメーションディスプレイを備え、アイドリングストップ節約燃料、アイドルストップ時間、エコスコア、瞬間燃費、平均燃費、航続可能距離、オドメーター、トリップメーターなどを見ることができる
インパネアッパーボックス(助手席)
インパネアンダートレイ
インパネアンダーボックス
インパネドリンクホルダー
チャイルドシートの装着イメージ
ドアポケット
フロントアームレストポケット
フロントオーバーヘッドコンソール
リアクォーターポケット
後席は左右独立でスライドできるほか、リクライニングも可能
リアドアペットボトルホルダー
助手席アンダーボックス
ロールサンシェード
後席左側のリアアウターハンドルにワンアクションスイッチで解錠・自動開閉が可能な「ワンアクションパワースライドドア」を軽自動車として初めて採用(X、T)
シートアレンジ
ラゲッジルームの積載例
スマートフォンと有線接続することで、ディスプレイでスマートフォンのアプリを操作できる6.2インチモニターの「スマートフォン連携ナビゲーション」
スペーシアでは徹底した軽量化が行われ、ボディーやエンジン、ドアパネル、シートフレームに至るまで高張力鋼板を採用

 一方で、スペーシアでは徹底した軽量化が行われ、ボディーやエンジン、ドアパネル、シートフレームに至るまで高張力鋼板を採用、最大で90kgのダイエットに成功した。軽量化の内訳ついては、ボディーでの高張力鋼板の採用により25%、外板パネルと前後バンパー類の軽量化により15%、内装・シートの材料などの見直しで25%、改良型「R06A」エンジンとCVTにより10%、足回りの材料・構造の見直しで20%としている。

 エンジンはワゴンRでも採用する「R06A」型(G、Xは自然吸気、Tはターボ)だが、新たにタイミングチェーンの細幅化により軽量化とフリクション低減を図った。また、従来から約30%薄型化した新開発のラジエーターなども採用している。

 これらに加え、減速時のエネルギーで発電・充電し、走行時の発電に使用する燃料を低減する「ENE-CHARGE(エネチャージ)」、停車前の減速時に13km/h以下でエンジンを停止し、燃料カット領域を拡大する「新アイドリングストップシステム」、蓄冷材を採用してエンジン停止中でも冷風を送ることで室内を快適に保つとともに、アイドリングストップ時間の拡大に貢献する「ECO-COOL(エコクール)」を採用し、JC08モード燃費は自然吸気エンジン(2WD)車が29.0km/L、ターボエンジン(2WD)車が26.0km/Lを達成した。

直列3気筒DOHC 0.66リッター自然吸気エンジン
直列3気筒DOHC 0.66リッター ターボエンジン
薄型ラジエーターを新採用した

主要諸元

グレードGXT
駆動方式2WD(FF)
全長×全幅×全高[mm]3395×1475×1735
ホイールベース[mm]2425
前後トレッド[mm]1295/1290
最低地上高[mm]155
室内長×室内幅×室内高[mm]2215×1320×1375
エンジン直列3気筒DOHC 0.66リッター直列3気筒DOHC 0.66リッター ターボ
最高出力38kW(52PS)/6000rpm47kW(64PS)/6000rpm
最大トルク63Nm(6.4kgm)/4000rpm95Nm(9.7kgm)/3000rpm
使用燃料無鉛レギュラー
トランスミッションCVT
JC08モード燃費[km/L]2926
定員[名]4
重量[kg]840850870
ステアリング形式ラック&ピニオン
前/後サスペンションマフファーソンストラット式/ITL式コイルスプリング
主ブレーキ形式ディスク/リーディングトレーリングベンチレーテッドディスク/リーディングトレーリング
タイヤ145/80 R13 75S155/65 R14 75S

【お詫びと訂正】記事初出時、直列3気筒DOHC 0.66リッター自然吸気エンジンと直列3気筒DOHC 0.66リッター ターボエンジンの写真が入れ替わっておりました。お詫びして訂正いたします。

(編集部:小林 隆)