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メルセデス・ベンツ、ハイブリッド車を加えるなど「Eクラス」を“劇的な進化”

ハイブリッドを含む新エンジンを搭載

新型Eクラスの前に立つメルセデス・ベンツ日本の上野社長
2013年5月14日発表

595万円~1817万円

 メルセデス・ベンツ日本は5月14日、新型「Eクラス」のセダンとステーションワゴンを発表した。国内ではエントリーグレードとなるE 250に成層燃焼リーンバーンとターボ、排ガス再循環装置を組み合わせた直列4気筒 2.0リッターエンジンを搭載したほか、Eクラス初となるハイブリッド仕様車の投入、AMGモデルでは0-100km/h加速が3.6秒というE63 AMG S 4MATICを追加した。価格は595万円~1817万円。

E 250 アバンギャルド。エントリーモデルとなるE 250は、展示されていなかったが、フロントグリルが異なるほか、「レーダーセーフティパッケージ」が非搭載となる

15.5km/Lの燃費から、ハイブリッドモデル、ハイパワーモデルまでラインナップ

 Eクラスは、従来とは大幅に異なるフロントグリルまわりのデザインをはじめ、内外装に及ぶデザイン変更、新エンジンの搭載、安全装備の充実、モデルラインナップの拡充などにより、メルセデス・ベンツ日本では“あらゆる面で劇的な進化を遂げた”新型と位置づけている。

 「E 250」および「E250 アバンギャルド」に搭載される直列4気筒 2.0リッターエンジンの成層燃焼リーンバーン、ターボ、排ガス再循環装置の組み合わせは世界初。最高出力は211PS(155kW)、最大トルクは350Nmを発生、アイドリングストップ機構と組み合わせ、JC08モードで15.5.km/Lの燃費を実現した。新エコカー減税により重量税、取得税の免税、グリーン税制優遇措置により翌年の自動車税50%減免を受けることができる。

 ハイブリッドモデルは「E 400 HYBRID アバンギャルド」で、V型6気筒 3.5リッターエンジンに電気モーターを組み合わせ、最高出力は306PS(225kW)、最大トルクは370Nmを発生。35km/hまではモーターのみで走行することも可能。燃費はJC08モードで15.2km/Lとなった。

 ディーゼルモデルも引き続きラインアップ。新しくなった「E 350 BlueTEC アバンギャルド」は新型のV型6気筒 3.0リッターディーゼルエンジンを搭載、最高出力は252PS(185kW)で従来比41PS(30kW)のアップ、最大トルクは620Nmで、従来比80Nmアップと性能を上げている。

 AMGモデルはさらに拡充し、従来同様V型8気筒 5.5リッターツインターボエンジンを搭載するが、パフォーマンス志向の4輪駆動「AMG 4MATIC」搭載モデルを追加したほか、動力性能をさらに上げ、最高出力を585PS(430kW)、最大トルクは800Nmまで向上させた「AMG S-model」もセダンのみ追加、4輪駆動と高出力エンジンの両方を備えた「E 63 AMG S 4MATIC」は前後トルク配分33:66により0-100km/h加速が3.6秒とセダンモデルとして世界最速クラスのパフォーマンスを持つ。

 また、安全装備面なども充実させ、次期Sクラスに搭載予定の装備を先駆けて搭載し、「レーダーセーフティパッケージ」をエントリーグレードの「E250」を除く全車に搭載した。

 これは先行車が停止した場合に減速して停止する渋滞追従機能に加え、カメラで車線と先行車をモニターし、ステアリング操作をアシスト。カメラではクルマの横切りや歩行者の飛び出しを捉えてディスプレイと音で警告する。

 後方にはリアバンパーにミリ波レーダーを備え、後方からの衝突の危険を検知すると、リアコンビネーションランプの点滅で後方ドライバーに警告するとともに、ブレーキ圧を高めて自車をロックし二次被害を軽減するリアCPA(被害軽減ブレーキ付後方衝突警報システム)を装備した。

 ハイビームの光が対向車や先行車に当たらないように自動的に照射範囲を制御する「アダプティプハイビームアシスト・プラス」と、縦列駐車や並列駐車の際に自動でステアリング操作とブレーキ制御を行う「アクティブパーキングアシスト」は全車に標準装備。上空から見下ろすように見える360°カメラシステムは全車でオプション装備が可能となった。

 エクステリアデザインでは、フロントグリルとヘッドライトのデザインが一新された。従来、Eクラスは4灯ヘッドライトのデザインが続いているが、今回は4灯のイメージを残しながら、LEDハイパフォーマンスライトとして仕上げたほか、フロントグリルはエントリーグレードの「E 250」を除き中央に大きなスリーポインテッドスターを配置したものへと変更、「E 250」以外はボンネット上のマスコットがなくなった。

ハイブリッドモデルとなるE 400 HYBRID アバンギャルド
ハイブリッドのパワーユニットはV型6気筒3.5リッターエンジンと電気モーターの組み合わせ
E 63 AMG 4MATICはパフォーマンス志向の4輪駆動。前後トルク配分は33:66
E 300 4MATIC ステーションワゴン アバンギャルド

“劇的変化”を強調、Eクラスの進化を訴える

メルセデス・ベンツ日本の上野金太郎社長

 この日、開催された発表会では、メルセデス・ベンツ日本の上野金太郎社長兼最高執行経営役員(CEO)が登壇、Eクラスの説明を行った。

 上野社長は、Eクラスを「1947年に誕生以来、旗艦モデルとしてブランドを代表し、牽引してきた。走行性、快適性、安全性とすべての面において時代をリードし、1200万台、日本でも22万台を販売することができた」と評価した上で、新型は「劇的な変化を遂げている」と進化を強調した。

 さらに上野社長は「1~4月は前年比15%増と好調だった昨年をさらに上回り、販売状況は非常に順調に推移した。先ごろオープンした大阪のメルセデス・ベンツ・コネクションもたいへん盛況で、オープン以来3週間で来場20万人近くに達し、ブランドの勢いを実感している」とメルセデス・ベンツ全体の好調さをアピール、Eクラスの登場は「さらに弾みをつけ、今年後半に向け加速をしていきたい」と期待を語った。

メルセデス・ベンツ日本のマーク・ボデルケ副社長

 次に、副社長のマーク・ボデルケ氏がEクラスの説明を行った。3月に着任し、日本語を勉強中というマーク・ボデルケ氏だが、英語での説明中、“ゲキテキ”だけは日本語を織り交ぜて説明するほど、“劇的な変化”を強調した。

 マーク・ボデルケ氏はいくつか新型の特徴を指摘し、デザイン面では「LEDヘッドライトとフロントグリル、スポーツカーのデザイン特性を持っている。SLSのようなスポーツカーの顔を採用し、新型は、アスレチックでスポーティーな印象を持っている」と説明した。

 また、「レーダーセーフティパッケージ」の装備による安全性や、成層燃焼リーンバーンを採用した新型2.0リッターエンジンの環境性能、AMGモデルの加速性能などハイパフォーマンスぶりが語られた。

 マーク・ボデルケ氏は、「本当に、Eクラスの劇的なよさを知っていただくには、お近くのショールームで試乗をしていただく、体験していただくことが一番」と訴え、5月15日から、東京と大阪のメルセデス・ベンツ・コネクションで展示と試乗の受付を開始することが明らかにされた。また、全国の販売店におけるデビューフェアとなる5月25日と26日は、レーダーセーフティパッケージを体験できるよう、全店に新型Eクラスの試乗車を用意することも明らかにされた。

 最後に、マーク・ボデルケ氏は「ホットな製品の数々を花火のように打ち上げていく。ここ、数カ月のうちにニュースを発信していく」と述べ、新型車の登場など、近日中に発表があることも伺わせた。

(正田拓也)