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アウディ、基本性能と装備に先進技術を投入する新型「A3 スポーツバック」発表会

グーグルの強力バックアップでIT技術を飛躍的に向上

2013年9月3日開催

308万円~544万円

 アウディ ジャパンは、プレミアムハッチバック「A3 スポーツバック」をフルモデルチェンジして9月17日に発売する。価格は308万円~393万円。また、合わせてA3 スポーツバックをベースとしたスポーツモデル「S3 スポーツバック」をA3 スポーツバックの一部グレードとともに11月に発売することもアナウンスされている。S3 スポーツバックの価格は544万円。新型A3 スポーツバックの詳しいスペックや車両価格などは、関連記事(http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20130903_613832.html)でご確認いただきたい。

A3 スポーツバック 1.8 TFSI quattro
A3 スポーツバック 1.4 TFSI

日本市場で初登場の“Wi-Fi搭載車”

 9月3日に東京・丸の内にある商業施設「KITTE」で開催された発表会では、アウディ ジャパン 代表取締役社長の大喜多寛氏が車両解説を実施。A3シリーズは17年前に初代モデルが発売され、これまでに世界で300万台以上を販売。A4と並ぶアウディブランドの主力モデルだと大喜多社長は語る。3代目となる新型A3 スポーツバックでは、従来型から全長を35mm、ホイールベースを60mm拡大しながら、アウディ独自の超軽量化技術によって最大60kg車重を低下させ、走りの軽快さや燃費向上を実現する。

 また、パワートレーンでは1.4リッターエンジンに気筒休止技術「シリンダーオンデマンド(COD)」を追加設定。11月にS3 スポーツバックと合わせて発売となるCOD採用グレード「A3 スポーツバック 1.4 TFSI with COD」では、巡航走行中といったエンジンパワーがあまり必要ない状況下で4気筒のうち2気筒を休止させ、燃費向上とCO2削減に効果を発揮。COD車はJC08モード燃費で20km/Lを達成している。

 走行関連のオプション装備では、シングルフレームグリル下側に装着するレーダーユニットを利用する「アウディ アダプティブ クルーズコントロール(ACC)」を進化させ、0km/h~150km/hで前方を走る車両に追従走行するよう設定。ただし大喜多社長は「アウディのフィロソフィーに基づき、このシステムは追従対象の急激な減速といった場合にブレーキングで完全回避するような仕様ではなく、最終的な減速操作はあくまでドライバーの操作によって行ってもらう」と説明している。

 このほか、新型A3 スポーツバックの目玉装備として、先進的なインフォテイメントシステム「アウディコネクト」を投入したことをアピールする。全車にオプション設定されるMMIナビゲーションシステムを中心に展開するアウディコネクトは、日本市場で販売される市販車では初搭載となる「Wi-Fi機能」、通信規格のUMTS(3G、HSDPA、HSUPA)による「インターネット接続」、大型ロータリープッシュボタンを持つ「MMIタッチ」、グーグルや新聞社などの提供する情報を集めてナビ画面に表示する機能など4種類で構成される。

「新しいA3のコンセプトは、“ストロンガー、ファースター、ベター”という3つのキーワードです。より走りを強化し、インターネットを使ってコミュニケーションし、燃費や環境への優しさを改善するというものです」と語る大喜多社長

 新型A3 スポーツバックに投入されたグーグルとの連携機能については、グーグル ジャパン エンタープライズ部門 マネージングディレクターの阿部伸一氏が紹介を担当。この車両に搭載されるMMIナビゲーションシステムでは、ルート案内の現在地表示をグーグルアースの航空写真、グーグルマップのストリートビューといった画像に切り替え可能。すでにスマートフォンなどを使って車内にいながら利用する人が増えてきている現状だが、さらに手軽にしっかりと情報連動できるようになっている。

「これまでの自動車のナビは情報が固定されていて、最新の情報が得られずだんだんと陳腐化していく、そんな不便な思いをしていたかと思います。しかし、今はインターネットに繋がってリアルタイムの情報が得られるようになり、さらにはいつも使い慣れたサービスを利用できる、そんな状況がここまでやってきました」と語る阿部伸一氏
新型A3 スポーツバックの前で握手する大喜多社長(左)と阿部伸一氏(右)

 さらに発表会では、新登場したアウディコネクトを分かりやすく紹介するためのスペシャルゲストとして、女優の木村佳乃さんが参加。会場中央に展示された車両を使い、漢字の手書き入力にも対応する新しいMMIタッチや音声入力、ストリートビュー表示などを紹介するデモンストレーションを実施した。

展示された新型A3 スポーツバックを目にして「すごくきれいな赤ですね、アウディといえば赤いボディーというイメージがあります。クルマには大切な家族を乗せるので安全性や利便性は大切ですが、それでもやっぱり見た目の美しさ、内装も外装も自分の好みに合った美しいクルマが好きです」と感想を口にする木村佳乃さん
新しいMMIタッチは、大型ロータリープッシュボタンのボタン自体をタッチパネルとして活用。タッチパッドのような使いかたに加え、文字入力にも対応する。漢字も判別可能で、操作デモでは木村佳乃さんが食べに行きたいと選んだ「中華」のお店を周辺検索するために指先で文字入力。見事に丸の内周辺の中華料理店がナビの画面上に表示されていた
A3 スポーツバック 1.4 TFSIに搭載する直列4気筒DOHC 1.4リッターターボの「CXS」エンジン。90kW(122PS)/ 200Nm(20.4kgm)を発生する
A3 スポーツバック 1.8 TFSI quattroに搭載する直列4気筒DOHC 1.8リッターターボの「CJS」エンジン。132kW(180PS)/ 280Nm(28.6kgm)を発生
A3 スポーツバック 1.8 TFSI quattroの装着タイヤ。サイズは225/45 R17。A3 スポーツバック 1.4 TFSIは205/55 R16となる
シングルフレームグリル内のナンバープレート下にAAC用のレーダーユニットを設置。このレーダーはクルーズコントロールのほか、前方衝突の危険がある場合にアラーム音でドライバーに通知。さらに一瞬だけブレーキを効かせて車体を揺らして注意を促し、衝突が避けられない場合にはフルブレーキングで衝突による被害を低減させる
マフラーは車両左側にレイアウト
ボディー同色のヒーター付きドアミラー。11月発売予定のS3 スポーツバックではシルバーに塗装される
ドアトリムにはシルバーの加飾パネルを備える
A3 スポーツバック 1.8 TFSI quattroのインパネ
メーターパネル中央には「オンボードコンピュータ」のディスプレイを設置
タッチパネルを備える大型ロータリープッシュボタンを中心に、前側のトグルスイッチやボタン類でナビやオーディオ、ハンズフリーフォンなどを一括制御するMMIタッチ
ナビの画面上にグーグルのストリートビューを表示可能。MMIタッチで視点移動や拡大/縮小、表示位置の移動などを自在に操れる
SIMカードか携帯電話の使用でインターネット接続する
ナビ機能や検索にインターネット接続を利用するほか、車両自体がアクセスポイントになって最大8台までのデバイスをWi-Fi接続する
軽量マグネシウム製のハウジングを使ったリトラクタブル式7インチディスプレイは厚さ11mmで視界のじゃまにならない
オーディオの操作パネルをスポークに備える本革巻きマルチファンクションステアリングを1.4 TFSI以外のグレードに標準装備
パドルシフトも1.4 TFSIには装備されない
左右独立温度設定が可能なフルオートエアコンは全車に標準装備
マラソンクロス生地を採用する1.4 TFSIのシート。ホイールベースの延長によりリアシートの居住性を向上させている
本革シートは全車にオプション設定となる
ラゲッジ容量は標準状態で340L。リアシートをすべて前に倒せば1220Lまで拡大する。荷室照明にはLEDを採用。赤い袋にはオプション品の「エマージェンシーキット」が入っている

(編集部:佐久間 秀)