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レクサス、市販化を視野に入れたスポーツクーペ「RC」
東京モーターショーで世界初公開
(2013/11/4 13:30)
レクサス(トヨタ自動車)は、東京ビッグサイトで開催される「第43回東京モーターショー」(11月20日~21日プレスデー、22日特別招待日、22日プレビュー・ナイト、23日~12月1日一般公開日)に、2台の特別なモデルを出展する。それがスポーツクーペ「RC」、コンパクトクロスオーバーSUV「LF-NX」だ。
スポーツクーペのRCはワールドプレミアとなるモデルで、近い将来市販化が予定されているものの、現状はあくまでショーモデルということもあって、すべての情報が公開されているわけではない。撮影を許可された部分およびエンジニアのインタビューを元に、可能な範囲での情報をお届けしたい。
レクサス RC
東京モーターショーが初お披露目の場であり、そしてそれほど遠くない時期の市販化を前提としているモデルだ。車名の「RC」は「Radical Coupe」の略で、Radicalを直訳すれば基礎的とか根本的なんて意味になるけれど、どちらかといえばスラングの「とても楽しい」的な含みを持たせての命名だという。
ボディーサイズは全長4695mm、全幅1840mm、全高1395mm、ホイールベース2700mm。ワイド&ロー、そしてキャビンをボディー中央に置いたシルエットはクーペの王道といえるものながら、サイドからフェンダーへのボリューム感、そこからリアエンドへの流れるような躍動感を感じさせる造形は、これまでのレクサスブランドモデルとは異なる華やかさを感じさせるものとなっている。
エンジンは3.5リッターV6ガソリンと、2.5リッター直4ハイブリッドの2タイプが用意される。駆動方式やサスペンション形式は公表されていないが、ISを踏襲していると考えるのが妥当だろう。
プロポーションとパワートレインの組み合わせから「LEXUS IS」のクーペ版と思えるかもしれないが、それは半分正解で半分間違いだ。
まず、開発コンセプトとなったのが「エモーショナルな走り」と「魅了、誘惑するデザイン」。この2つをカバーするためにISよりホイールベースを100mm短縮するとともにホイールサイズも大径化している。そして注目して欲しいのがワイド&ローなフォルムを演出する張り出したリアフェンダーまわりだ。プレス成型による絞りの深さが「従来のトヨタ基準を大きく超えている」ため、製造部署より当初は実現不可能といわれていたそうだ。
そうした部分をクリアして生まれたのがこのフォルム。前述の半分正解で半分間違いというのは、パワートレイン系を中心にパーツやユニットを共通化しているという面では正解だが、デザインをはじめ思想や作り込みといった面ではまったく別の立ち位置にいるモデルとして開発されている、そんな経緯があるためだ。また、屋根が仮になかったとしても十分な剛性をボディーで確保しているそうで、特に明言されることはなかったものの、RCをベースとしたコンバーチブルや「F」モデルといった展開も十分に考えられる。
クーペらしさの演出、という意味で採用されたのが新開発の赤いボディーカラーだ。同車のテーマカラーにもなるこの色は、ベースにシルバーフレークを塗った上で、その次に赤い色素を持ったカラークリアを、最後にクリアという順で重ねていく。クリアを重ね塗りするため塗膜が乗りにくいエッジ部の仕上げなどに難しい面が出るものの、光が当たった面と陰になる部分で異なる表情を見せてくれるのだ。
クーペという華のあるモデルによるブランド全体のイメージアップを図りたい、RCはそんなレクサスの本気を感じられる仕上がりだ。