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トヨタ、燃費23.8km/Lのハイブリッド車を展開する新型「ヴォクシー」「ノア」発表会

「子育てファミリーの求める理想のミニバンを作る」ことを目標に開発

2014年1月20日開催

 トヨタ自動車は1月20日、ミドルクラスミニバン「ヴォクシー」「ノア」のフルモデルチェンジを発表した。価格はヴォクシー、ノアともに218万円~297万円。発売日や車両の詳細などについては関連記事(http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20140120_631279.html)を参照いただきたい。

 都内で開催された発表会には、開発を担当したトヨタ自動車 製品企画本部チーフエンジニア 水澗英紀氏が登壇。同車が属するコンパクトキャブワゴン市場は「子育てファミリー層の圧倒的な支持により月2万台レベルを確実に維持、非常に安定している」とし、日本独創といえるこの市場は「子育てファミリーのライフスタイルに欠かせないクルマとして浸透、定着している」と分析。新型の開発は「子育てファミリーの求める理想のミニバンを作る」ことを目標に原点に立ち返り、考え直すことから始めたという。

 その過程で導き出されたキーワードが「使い勝手がよく広い室内空間」「乗降性のよいスライドドア」「シーンに合わせた快適なシートアレンジ」の3点。それらを画期的に高めるとともに、デザインや燃費、走り、視界などを徹底的に磨き上げることで「最高のミニバンを追求した」という。

トヨタ自動車製品企画本部チーフエンジニア 水澗英紀氏
アンベールを待つヴォクシーとノア
「迫力のある」ヴォクシーと「堂々感あふれる」ノア
ユーザーが求める理想のミニバン像
開発コンセプトは「家族の夢を丸ごと載せるSpacious FUN Box」。「FUN」の「F」はFun(快適性)、「U」はUtility(使用性)、「N」はNenpi(燃費)を表す
この3点をポイントに快適で便利な魅力的なハコを目指して開発された
デザインコンセプトは「Emortional Box」。広く使いやすいハコを追求しながら上質で躍動感あるスタイリングを目指した
ヴォクシーは毒気のある格好よさを進化させつつ独自性のある大胆さを表現。ノアは5ナンバーミニバンの王道をいく堂々感を目指した
三角窓の拡大やピラーのスリム化などにより、運転しやすく心地よく使える圧倒的な広さ感と見晴らし感を追求
低床フラットフロアの採用により5ナンバーボディーながら広々とした室内空間を実現
2列目と3列目のヒザ前スペースは140mm拡大され、長時間乗車での快適さを獲得している
2列目は810mmの超ロングスライドが可能
広い室内空間とともに多彩なシートアレンジを実現する
低床フロアにより2列目だけでなく3列目の乗降性も向上
スライドドアの開口幅を拡大するとともにアシストグリップも大型化
荷室フロアは先代モデルより60mm低床化され積載性が向上
3列目シートの形状。ヒンジの工夫ですっきり広い荷室スペースを実現。荷室幅は先代モデルより200mmも拡大している
パワーユニットはハイブリッドとガソリンの2タイプが用意される
ハイブリッド車のバッテリーは低床化と薄型燃料タンクによりフロントシート下への配置を実現
ハイブリッド車、ガソリン車ともに競合車を大きく引き離す省燃費を達成している
スポット溶接点の増加などによりボディー剛性を大幅にアップ
高張力鋼板の採用により軽量化も実現。ボディー剛性アップと相まって質感の高い乗り心地を生み出している
空力性能にも磨きをかけることで、高速走行時の安定感アップとともに低燃費の実現にも寄与
吸・遮音材や制震材の最適配置により車内の静粛性をアップ。快適性を高めている
マルチインフォメーションディスプレイをインパネ中央に配置する
「R」レンジにシフトするだけで駐車枠を認識するインテリジェントパーキングアシストを用意
180度の広角レンズを採用したバックカメラにより、後方視界を拡大し安全な後退をサポート
さまざまな新装備を採用する
先行車や対向車を検知、ロー/ハイビームを自動的に切り替える「オートマチックハイビーム」を装備
安全装備も充実
ミニバンらしいスタイルのノア
2分割のヘッドライトなどにより迫力のあるスタイリングのヴォクシー
ハイブリッド車のカットモデル。フロア下に薄型燃料タンクを採用し、フラットで低いフロアを実現している
オレンジ&ブラックの内装色はヴォクシー専用
アイボリー&ブラックの内装色はノア専用
ドアトリムも同色になる
2列目はこれだけ大きなスライドが可能
3列目のシートもきちんと座れるサイズ
3列目はワンタッチで跳ね上げ収納でき、荷室への張り出しも最小限
7人乗り仕様はウォークスルーも可能
ツインムーンルーフは一部グレードにオプション設定される
インパネ中央にワイド2DINスペース、その奥にインフォメーションディスプレイを配置
最高出力73kW(99PS)/5200rpm、最大トルク142Nm(14.5kgm)/4000rpmを発生する直列4気筒DOHC 1.8リッター「2ZR-FXE」エンジンを採用するハイブリッド車。モーターを組み合わせた最高出力は100kW(136PS)となっている。JC08モード燃費は23.8km/Lを達成
フロントシート下にバッテリーが収まるため中央部にはコンソールボックスがある。「ワイヤレス充電規格「Qi(チー)」に対応の充電スペースも用意
メーターパネルは左側にパワーメーターが収まるおなじみのレイアウト
ハイブリッド車共通のテイストを持つシフトレバー
ガソリンエンジンは最高出力112kW(152PS)/6100rpm、最大トルク193Nm(19.7kgm)/3800rpmを発生する直列4気筒DOHC 2.0リッター「3ZR-FAE」エンジン。FF車のJC08モード燃費は最高16.0km/L
シート下にはエアコンダクトのみ。コンソールボックスもないのでウォークスルーがカンタン
パワーメーターの代わりにタコメーターを配置
シフトレバーはゲートタイプ
愛犬家向けのオプションが多数用意される
オットマン的な純正オプション
キャンプなどで便利な網戸なども
高齢者や要介護者向けのウェルキャブもラインアップ
手動式のスロープは845mmと幅広く、収納時は前倒し機構により3列目シートも利用可能
車イスは2列目だけでなく3列目にもセット可能。2列目の積載スペースを使わなくなった場合、後付けのシートも装着できる(車検証記載事項の変更が必要)
サイドリフトアップシートタイプも用意
畳めばラゲッジに車イスが収納できる

(安田 剛)