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メルセデス・ベンツ、復活したマイバッハブランド「メルセデス・マイバッハ Sクラス」発表会

Sクラスをベースとし、ロングボディーモデルからさらに200mmホイールベースを延長

2015年2月25日開催

2200万円~2600万円

マイバッハ Sクラス発表会でオペラを披露したオペラ歌手の面々と上野金太郎社長兼最高執行経営役員(CEO、右から2番目)

 メルセデス・ベンツ日本は2月25日、新モデル「メルセデス・マイバッハ Sクラス」を発表、同日から注文受付を開始した。「メルセデス・マイバッハ S 550」と「メルセデス・マイバッハ S 600」の2モデルを展開し、価格は前者が2200万円、後者が2600万円。ステアリング位置はいずれも左のみ。

モデルエンジン変速機駆動方式価格
メルセデス・マイバッハ S 550V型8気筒DOHC 4.7リッター直噴ツインターボ9速AT2WD(FR)22,000,000円
メルセデス・マイバッハ S 600V型12気筒SOHC 6.0リッターツインターボ7速AT2WD(FR)26,000,000円
オブシディアンブラックカラーのメルセデス・マイバッハ S 600(展示車両はすべてファーストクラスパッケージ装着の4名乗車仕様)

 2013年まで販売していた「マイバッハ」が、同社のフラグシップセダン「Sクラス」をベースにして復活。従来のマイバッハは4850万円~という価格設定だったが、量産モデルのSクラスをベースにすることで価格が抑えられた。価格だけでいえば「S 65 AMG ロング」(3200万円)がSクラスシリーズでもっとも高くなるが、こちらはハイパフォーマンスカーのフラグシップモデルであり、マイバッハ Sクラスはラグジュアリーモデルのトップに君臨するという位置づけになる。

 そんなマイバッハ Sクラスでは、ホイールベースをSクラスのロングボディーから200mm延長して3365mmとし、その延長分をすべて後席の快適性向上のために充当。ボディーサイズは「S 550 ロング」と比べ210mm長い5460×1900×1495mm(全長×全幅×全高)となっている。

 エクステリアではSクラスからリアドアの幅が66mm狭められるとともに、Cピラーに三角窓が移設された結果、ドア開口部よりも後方にリアシートが位置するレイアウトとした。これにより外からの視線を遮り、後席の居住性をより向上。さらにルーフラインの形状変更も行われ、ヘッドクリアランスも拡大されている。また、Cピラーに2つのMをあしらった「Maybach Manufaktur(マイバッハ・マヌファクトゥーア)」のエンブレムを備えたほか、専用の20インチマルチスポークアルミホイール(オプションで20インチ鍛造アルミホイールも設定)を標準装備した。

マイバッハ Sクラスのボディーサイズは5460×1900×1495mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース3365mm。撮影車はアンスラサイトブルーのメルセデス・マイバッハ S 600で、オプションの20インチ鍛造アルミホイールを装着。内外装でグレードによる差は大きくはなく、外観上ではグレードを示すバッヂと、メルセデス・マイバッハ S 600のみフロントフェンダーに「V12」のエンブレムが貼られる程度の差にとどまっている

 インテリアではセンターコンソールのウッドトリムに「Maybach」のレタリングを、フロント&リアセンターアームレストには「Maybach Manufaktur」のエンブレムが飾られた。リアシートでは座面下からせり上がるレッグレストを備えるとともに、バックレストが43.5°までリクライニングする「エグゼクティブシート」を採用した。このエグゼクティブシートをフルリクライニングした際、着座位置がサイドウインドーから遠ざかり、リアウインドーやCピラーの三角窓に近づくと音響特性が変化することを踏まえ、エアロダイナミクスの向上による風切音の低減、特殊なシーリング技術などを採用したことで、「量産車として世界最高の静粛性を実現」したという。

 装備面では、他のSクラス同様(のぞくS 400 ハイブリッド)にドイツのハイエンドオーディオメーカー「ブルメスター」のサウンドシステムや、左右のフロントシート背面の10インチ大画面モニターとワイヤレスヘッドホンによる「リアエンターテインメントシステム」、ホットストーン式マッサージ機能を含む6種類のマッサージプログラム、ドアやセンターコンソールのアームレストなど手で触れる部分を温める各種ヒーター類などを標準装備。また、リアシート後端のサーモスタット制御のクーリングボックスはSクラスでもオプション設定されるが、マイバッハ Sクラスでは専用オプションとしてドイツの高級銀食器メーカー「ROBBE & BERKING(ロベ アンド バーキング)」が専用に製作したシャンパングラスも用意される。

 なお、マイバッハ Sクラスでは後席左右独立シート、クーリングボックス、格納式テーブル(後席左右)、シャンパングラス(専用収納および台座付)をセットにした「ファーストクラスパッケージ」(4名乗車仕様)をオプション設定する。

メルセデス・マイバッハ S 600のインテリア
ショーファーカーらしい極上の後席空間を提供する
「ファーストクラスパッケージ」を装着すると4名乗車仕様に。後席ではバックレストが43.5°までリクライニングする「エグゼクティブシート」をはじめ、リアエンターテインメントシステムや6種類のマッサージプログラムなどが用意される

世界中でもっともお目が高いお客様にもご満足いただけるプレミアムカー

 同日に都内で行われたマイバッハ Sクラスの発表会では、上野金太郎社長兼最高執行経営役員(CEO)が会場で催されたオペラの曲に合わせてマイバッハ Sクラスとともに登場。近年、オペラ文化の中心地はドイツといわれているそうで、ドイツにはオペラを中心に公演を持つ劇場が100近くあり、ドイツ国内のどこにいてもクルマで30分ほど走ればオペラ劇場があるといわれるほどドイツに広く根付いた文化であるという。そのオペラとマイバッハ Sクラスの共通性について、上野社長は「(マイバッハ Sクラスは)プレステージ感あふれるデザインとクラフトマンシップにより仕上げられたドイツの芸術品であり、オペラと同じくドイツの文化と芸術を体感いただけるものと自負している」と紹介。

発表会でオペラを披露したバスバリトン 北川辰彦氏
ソプラノ 谷口久美さん
テノール 小貫岩夫氏

 マイバッハが今回マイバッハ Sクラスとして登場したことについては、「Sクラスは登場から今日に至るまで、世界累計販売台数は10万台を突破し、Sクラスとして史上最高のベストセラーとなった。そのような中、一部のお客様からSクラスを超えるより個性あるプレミアムカーへの要望があった。これを受けて開発されたのが、極めてゆったりとした室内空間に専用エグゼクティブシート、プレステージ感あふれるデザインとクラフトマンシップにより仕上げられた高級素材を採用し、世界中でもっともお目が高いお客様にもご満足いただけるプレミアムカーのマイバッハ Sクラス」と説明を行っている。

マイバッハ Sクラスのポイントは「五感で感じる極上の快適性」「未来へつながる知能」の2点
Sクラスから200mm長いホイールベースを採用
最大43.5°リクライニングが可能なエグゼクティブシートを装備
量産車として世界最高の後席の静粛性を実現した
ドイツのハイエンドオーディオメーカー「ブルメスター」のサウンドシステムを標準装備するが、オプションとして24個のハイパフォーマンススピーカーとそれぞれを駆動する24チャンネルアンプによる合計1540Wの出力を誇る5.1チャンネルサラウンドシステム「Burmester ハイエンド3Dサラウンドサウンドシステム」を設定
ホットストーン式マッサージ機能を含む6種類のマッサージプログラムが用意される
室内にくつろぎの香りをもたらす「パフュームアトマイザー機能」とイオン放出による空気清浄機能を追加した「エアバランスパッケージ」には、マイバッハ専用の香りが用意される
左右のフロントシート背面の10インチ大画面モニターとワイヤレスヘッドホンによる「リアエンターテインメントシステム」も装備
ドイツの高級銀食器メーカー「ROBBE & BERKING(ロベ アンド バーキング)」が専用に製作したシャンパングラスもオプションで用意
部分自動運転を実現する「レーダーセーフティパッケージ」、フロントガラス上部にあるステレオマルチパーパスカメラで最大15m前方の路面の凹凸を検知し、車高とダンピングをコントロールして常にフラットな姿勢を維持する「マジックボディコントロール」などを標準装備
前面衝突の際には座面に内蔵された「クッションエアバッグ」が展開し、リクライニング状態でシートベルトの下から身体が滑り出すサブマリン現象を防止するとともに、シートベルト幅を約3倍程度膨張させて後席乗員の肩部や胸郭にかかる衝撃を軽減する「SRSベルトバッグ」を装備するなど、後席の安全性を考慮した安全装備が奢られる
マイバッハ S 550マイバッハ S 600
乗車定員5名
ステアリング
駆動方式2WD(FR)
全長×全幅×全高5460×1900×1495mm
ホイールベース3365mm
トレッド(前/後)1635/1635mm
重量2300kg2350kg
エンジンV型8気筒DOHC 4.7リッター直噴ツインターボV型12気筒SOHC 6.0リッターツインターボ
エンジン最高出力335kW(455PS)/5250-5500rpm390kW(530PS)/4900-5300rpm
エンジン最大トルク700Nm(71.3kgm)/1800-3500rpm830Nm(84.6kgm)/1900-4000rpm
トランスミッション9速AT7速AT
JC08モード燃費9.4km/L7.4km/L
ブレーキ(前/後)ベンチレーテッドディスク/ベンチレーテッドディスク
タイヤ(前/後)245/40 R20 / 275/30 R20

(編集部:小林 隆)