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メルセデス・ベンツ、フルモデルチェンジした「Aクラス」国内導入
「AはアグレッシブのA」
(2013/1/17 20:18)
メルセデス・ベンツ日本は、新型「Aクラス」を1月17日に発売した。すべて右ハンドル仕様となる。A 250 SPORTの納車は春以降。
同社は同日、東京の同社ショールーム「メルセデス・ベンツ・コネクション」で、新型Aクラスの発表会を開催した。
モデル | 価格 |
---|---|
A 180 BlueEFFICIENCY | 284万円 |
A 180 BlueEFFICIENCY Sports(スポーツ) | 335万円 |
A 250 SPORT(シュポルト) | 420万円 |
ワイド&ローに方向転換
同社のエントリーモデルとなる5ドアFFコンパクト。先代(2代目)から7年ぶりのフルモデルチェンジとなった。同社の上野金太郎社長兼CEOは発表会で「名前以外はすべてを一新した、新世代のスポーツコンパクト」と新型Aクラスを紹介した。
先代までの“2階建てフロア”を廃し、一般的なボディー構造としたことで、スタイリングは背高のワンモーションフォルムから、ワイド&ローのスポーティーなシルエットに変更された。先代よりも全長が405mm長く、全高が160mm低くなっている。
前面に突き出したフロントグリルに大型のスリーポインテッドスターを配し、LEDを多用したヘッドライトユニットなどともに「獰猛な野生動物を彷彿とさせる」(上野社長)造形とし、サイドには2本のキャラクターラインを通して抑揚をつけた。
インテリアにはクラス唯一となるヘッドレスト一体型スポーツシートを採用。ジェット機のエンジンをモチーフとした丸型のエアアウトレットや、メルセデス・ベンツのロゴがイルミネートされるステップカバーなどを備える。シフトレバーや、ライトとワイパーのコントロールが一体となったレバーなどは、他のメルセデス・ベンツ車と共通だ。また全車、シフトパドルを備える。
なおA 180 BlueEFFICIENCY SportsとA250 SPORTは、AMGデザインの前後スカートとサイドスカート、本皮シート、レッドステッチ入りのAMGスポーツステアリングホイールなどが標準で装備される。
パワートレーンは直列4気筒DOHC直噴ターボで、A180が1.6リッター、A250が2リッター。アイドリングストップ機構を備える。トランスミッションは7速デュアルクラッチトランスミッション「7G-DCT」となる。A 180 BlueEFFICIENCYとA 180 BlueEFFICIENCY Sportsは、75%のエコカー減税の対象となる。
スポーツモデルのA250はメルセデス・ベンツのチューニング部門「AMG」が開発の初期から関与しており、高性能エンジンに加え、トランスミッション、サスペンション、電動パワーステアリング、スタビリティコントロール「ESP」には船長のチューニングが施される。また、前方の車両の有無に応じてハイビームとロービームを自動的に切り替える「アダプティブハイビームアシスト」やヘッドライトの照射範囲を状況に応じて自動的に切り替える「インテリジェントライトシステム」を標準で備える。
一方で、メルセデス・ベンツならではの安全装備の充実も図られており、レーダーにより前方車との衝突を警告する「CPA」、ドライバーの疲労を検知して警告する「アテンションアシスト」、リアビューカメラ、衝突時にボンネットを跳ねあげて歩行者の被害を軽減するアクティブボンネットを全車に標準装備した。CPAは30km/h以上で前走車との距離が近すぎる場合や衝突する可能性がある場合に警告を発し、ブレーキ操作をアシストする。
また、縦列駐車時にステアリング操作をアシストし、ドライバーはブレーキとアクセル、シフト操作だけで駐車できる「アクティブパーキングアシスト」はA 180 BlueEFFICIENCY SportsとA250 SPORTに標準装備とし、A 180 BlueEFFICIENCYにはオプションで用意した。
17万円のオプションとなる「セーフティーパッケージ」には、レーダー追尾オートクルーズ「ディストロニック・プラス」、ドアミラーの死角の危険を警告する「ブラインドスポットアシスト」、急ハンドル・急ブレーキ時に安全装備の効果を高める「PRE-SAFE」(プレセーフ)が含まれる。
A 180 BlueEFFICIENCY | A 180 BlueEFFICIENCY Sports | A 250 SPORT | |
---|---|---|---|
全長×全幅×全高[mm] | 4290×1780×1435 | 4355×1780×1420 | |
ホイールベース[mm] | 2700 | ||
前/後トレッド[mm] | 1545/1545 | 1555/1560 | |
重量[kg] | 1430 | 1440 | 1450 |
エンジン | 直列4気筒DOHC 1.6リッター直噴ターボ | 直列4気筒DOHC 2リッター直噴ターボ | |
ボア×ストローク[mm] | 83×73.7 | 83×92 | |
最高出力[kW(PS)/rpm] | 90(122)/5000 | 155(210)/5500 | |
最大トルク[Nm(kgm)/rpm] | 200(20.4)/1250-4000 | 350(35.7)1200-4000 | |
トランスミッション | 7速デュアルクラッチトランスミッション(7G-DCT) | ||
駆動方式 | 2WD(FF) | ||
前/後サスペンション | マクファーソンストラット/マルチリンク | ||
前/後ブレーキ | ベンチレーテッドディスク/ディスク | ||
前/後タイヤ | 225/45 R17 (225/40 R18) | 225/40 R18 | 235/45 R18 |
乗車定員[名] | 5 | ||
ステアリング位置 | 右 |
メルセデス・ベンツブランドの新たな境地を切り開いていく存在
発表会には、前任のニコラス・スピークス氏に代わって2月から単独で同社社長兼CEOとなる上野金太郎氏が登場、同社の概況とAクラスの狙いを説明した。
2012年のメルセデス・ベンツ日本の販売台数は5年ぶりに4万台を超え、リーマンショック前の水準に回復。この要因を「安全性、スポーティーさ、ダイナミックなデザイン、燃費効率のよさが理解され、新型車や限定車、装備の充実を継続的にやってきた」「205店舗の販売体制を強化し、チャレンジングなマーケティング活動を行った」「中古車、アフターセールス、ファイナンス、CS分野での徹底的な手直し」と分析し、「すべてが実を結んだ」とした。2013年も「チャレンジングで攻撃的なマーケティングと営業活動」を続け、メルセデス・ベンツブランドの拡大を目指すとした。
その皮切りとなるAクラスを「AはアグレッシブのA」と紹介。「メルセデス・ベンツブランドの新たな境地を切り開いていく存在」とした。
Aクラスは2012年からオリジナル・アニメーション「NEXT A-Class」によるプロモーションを展開しており、この映像はインターネットで短期間に200万回以上再生され、独メルセデス・ベンツでも高く評価されたと言う。NEXT A-Classは1月下旬からTSUTAYAでDVDが無料レンタルされるほか、Aクラスの特設Webサイトでは写真アプリ「インスタグラム」によるフォトコンテストを開催するなど、新しい試みも行われる。
また、残価設定型ローンと5年間のメンテナンスプログラムをパッケージにして、月額1万円から利用できる「まるごとプラン」も用意される。