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スバル、独自開発のハイブリッドモデル「XV クロストレック ハイブリッド」初公開

今秋発売予定の米国市場よりも日本市場に先に導入

XV クロストレック ハイブリッド
2013年3月29日(現地時間)発表

 スバル(富士重工業)は3月29日(現地時間)、ニューヨーク国際自動車ショー(プレスデー:3月27日、28日、一般公開:3月29日~4月7日)において、同社初のハイブリッドモデル「スバル XV クロストレック ハイブリッド」を世界初公開した。同モデルは米国市場に今秋導入予定だが、日本市場への導入の方が「早い」としている。

 XV クロストレックは日本名「XV」の米国名称。そのXV クロストレックに独自開発のハイブリッドシステムを搭載した、同社初のハイブリッドモデル。XVシリーズのハイエンドモデルに位置づけられる。走る楽しさと燃費性能を両立する、「Fun to Drive」を実感できるハイブリッド車を目指したとしており、「電動化時代におけるスバルらしさ」を追求した。

 パワートレーンは、ハイブリッド用に専用開発した水平対向4気筒DOHC 2.0リッター「FB」型エンジンとリニアトロニックCVTを採用し、これに最高出力13.4HP(10kW)、最大トルク48.0lbft(65Nm)を発生するモーター(交流同期電動機)を組み合わせた。モーターはトランスミッションケース内に収められる。駆動方式は4WDとなる。

 駆動用バッテリーにはパナソニック製のニッケル水素バッテリーを採用し、ラゲッジルーム下に配置。北米向けのXV クロストレックのトランク容量はVDA方式で340Lとなっているが、今回のXV クロストレック ハイブリッドは344Lを確保。4Lはラゲッジルーム下に設けられたサブトランク分となるので、ベース車(XV クロストレック)とまったく同じスペースを確保したことになる。このバッテリーをラゲッジルーム下に配置したことや軽量化などで、前後左右の重量配分や重心高(585mm)についてもXV クロストレックと同等と言う。

 なお、XV クロストレック ハイブリッドはエンジンスタート直後でのEV走行はできないが、条件が整えばモーターだけで発進加速させることができ、最大約25mph(約40km/h)で走行できる。EV走行での航続可能距離は条件によって異なるものの、約1マイル(約1.6km)としている。

 また、燃費についてはまだ正式な数値は出ていないが、市街地走行、高速走行、市街地・高速混合走行の3種類に分けられる米国のEPA燃費を例に挙げると、ガソリン車と比べ市街地走行では約2割、市街地・高速混合走行で2割弱ほど改善していると言う。

 エクステリアでは、新色「プラズマグリーン・パール」を採用するとともに、リアコンビランプにクリアテールレンズとLEDランプを装備。また、ハイブリッド専用となる17インチアルミホイール(タイヤサイズ:225/55 R17)は、XVで採用したユニークなデザインを踏襲しつつ、空気抵抗の低減、剛性の向上といった要件を盛り込み新たに開発したものと言う。このほかフロントドアやテールゲート、エンジンカバーに「ハイブリッド」のロゴを備えることで、ベース車との差別化を図っている。

 ボディーサイズは4450×1780×1615mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2640mm。前後サスペンションに専用チューニングやボディー剛性の向上、ステアリングギアレシオのクイック化などにより、ベース車からスポーティな走行性能をさらに高めたと言う。

 また、インテリアについては奥行き感のある立体感を表現したブルー基調のスピードメーターを装備するほか、走行状況に応じたハイブリッドシステムのエネルギーフローなどを表示できるマルチファンクションディスプレイなどを専用に設計。そのほか空調ダイヤルにメッキを採用したり、ドアのスイッチパネルにシルバーの加飾を追加したりすることで、先進感とクールなイメージ、高い質感を演出したとしている。

(編集部:小林 隆)