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ホンダ、圧倒的な低燃費車に進化した新型「アコード ハイブリッド」「アコード プラグイン ハイブリッド」

ハイブリッドは30.0km/L、プラグインは70.4km/L(PHV燃費値)を達成

9代目アコードは「セダンの理想像」を追い求めてハイブリッドカーに進化
2013年6月21日発売

アコード ハイブリッド:365万円~390万円

アコード プラグイン ハイブリッド:500万円

 本田技研工業は、アッパーミドルセダン「アコード ハイブリッド」「アコード プラグイン ハイブリッド」を6月21日に発売する。車両価格はアコード ハイブリッドが365万円~390万円。アコード プラグイン ハイブリッドが500万円。

●アコード ハイブリッド

グレードエンジン変速機駆動方式価格
LX直列4気筒DOHC 2.0リッター+i-MMDCVT2WD(FF)3,650,000円
EX2WD(FF)3,900,000円

●アコード プラグイン ハイブリッド

グレードエンジン変速機駆動方式価格
アコード プラグイン ハイブリッド直列4気筒DOHC 2.0リッター+i-MMDCVT2WD(FF)5,000,000円

 1976年に初代モデルが登場したアコードは、これまでに世界160カ国で販売されて累計生産台数が約1920万台、日本国内だけでも118万台以上を販売した大ヒットモデル。9代目を迎える本モデルは、「あらゆるセダンが追い求めた“セダンの理想像”」をテーマに、アコードが持つ価値を大切にしながら、上質さや先進性を高めることを目的に開発が進められた。この高いハードルを達成するため、新世代パワートレイン技術「EARTH DREAMS TECHNOLOGY」を採用したハイブリッドカーとして生まれ変わり、さらに法人企業・官公庁などを中心とした販売ながら、プラグインハイブリッドモデルも設定している。

 新型アコード ハイブリッドに搭載されるのは、走行用、発電用の2つのモーターをエンジンと組み合わせて使う「スポーツハイブリッド i-MMD」。発進から低・中速域まではエンジンを止めたままモーターで走行。加速時やバッテリー容量が低くなっている場合にはエンジンで発電用モーターを回して発電。発生した電力を加速や充電に利用する。さらに高速道路などのクルージング領域ではエンジンで直接タイヤを駆動させるといった使い分けを行い、回生発電した電力を効率よく蓄えるリチウムイオン・バッテリーとセットすることで、アッパーミドルセダンにもかかわらず30.0km/Lという軽自動車でもトップクラスに迫る圧倒的な低燃費を実現している。

アコード ハイブリッドでは容量1.3kWhのリチウムイオン・バッテリーを採用し、リヤシートの背もたれとラゲッジスペースの間に搭載
アコード ハイブリッド、アコード プラグイン ハイブリッドともに直列4気筒DOHC 2リッターのLFA型エンジンを採用。エンジン出力は最高出力105kW(143PS)/6200rpm、最大トルク165Nm(16.8kgm)/3500-6000rpm。このエンジンと組み合わされる2種類のモーターのうち、エンジン側に配置される走行用のMF8型モーターは、最高出力124kW(169PS)/3857-8000rpm、最大トルク307Nm(31.3kgm)/0-3857rpmというスペックを持つ

 アッパーミドルセダンに求められる走行性能と室内空間を実現するため、基本骨格にも注力。ボディー各部に補強を入れ、高強度なハイテン材の適用を拡大。さらにアルミボンネットを採用し、軽量化と高剛性化を推し進めている。また、ハイブリッド走行領域をワイドに設定するハイブリッドの静粛性をさらに生かすべく、アクティブサウンドコントロールを全車に装備。吸音材、遮音材を効率的に配置して、重量増を抑えながらも静粛性を引き上げている。足まわりではリアにダブルウイッシュボーン式を踏襲しつつ、フロント側は新開発の軽量ストラットサスペンションに変更。ダンパーは前後とも振幅感応型ダンパーを新採用し、操縦安定性と乗り心地を高い次元で両立する。

ボディー剛性は先代と比較して曲げ剛性を36%、ねじり剛性を53%向上させた。その一方で3種類の高強度なハイテン材を組み合わせて使用し、ボディー骨格全体で大幅な軽量化を実現。ハンドリングと乗り心地の両立に加え、衝突安全性の向上にも寄与している
足まわりでも軽量化を徹底。フロントサスペンションを取り付けるサブフレームには、ホンダ独自の技術で実現した軽量かつ高剛性なオールアルミフロントサブフレームを採用。フロントの新開発ストラットサスペンションはジオメトリーの最適化、ダンパー内に設置したリバウンドスプリングなどでコーナーリング時の姿勢変化をコントロールし、操縦安定性を高めている
燃費向上とキャビンの静粛性を高める空力性能もしっかりと追求。ボディーの前後を絞って中央を張り出させる「バレルシェイプ」のほか、フロア下にはエンジンアンダーカバーとフロアアンダーカバーを設置。ホイールも空気抵抗を低減させるディッシュタイプの専用アルミホイールを採用する

 インテリアでは、全長とホイールベースの拡大を受けて前後シートのタンデムディスタンスを90mm延長。リヤシートの快適性を向上させた。インパネのデザインは両端を前方に押し出して広がりを持たせ、フロントピラーの位置や形状を最適化して視界を広げ、開放感と運転しやすさを高めている。また、木目調パネルやメッキ加飾などを配置して上質感を演出する。

LXグレードのインパネ。Hondaインターナビや左右独立温度調整可能なフルオートエアコン、スマートキーシステムなどは全車標準装備
上級グレードとなるEXでは本革巻&木目調コンビステアリングホイールを装備
シートはしっかりとしたホールド感と同時に、触れた瞬間に柔らかさを感じることもこだわった。ファブリックシートのサイド部には再生PETを表皮に採用している。チルトアップ機構付きのフロント電動スモークガラス・サンルーフは全車にオプション設定
シートバック形状は体全体をしっかり包み込むようラウンドさせ、リラックスした座り心地とロングドライブでも疲れにくいスタイルとなっている
メーターパネル中央にTFT液晶のカラーマルチインフォメーションディスプレイを設置。左側にはタコメーターの代わりにハイブリッドシステムが発生させている出力の状態を表示するエネルギーメーターが配置されている
オーディオのオン/オフと音量以外の操作は5.8インチ大型液晶のタッチスクリーンに統一。また、ナビの文字入力もこのスクリーンでのタッチ入力が可能

 ハイブリッド化と並ぶ新型アコード ハイブリッドのトピックは、EXに搭載される「進化型CMBS(衝突軽減ブレーキ)+E-プリテンショナー」。フロントグリル内に備えるミリ波レーダーを使って障害物を検知する従来からのメカニズムを継承しつつ、これまで15km/h以上で作動したCMBSの自動ブレーキを5km/h以上に拡大したほか、先行車両との速度差が一定以下の場合には自動ブレーキだけで停車して衝突回避が可能となった。さらに車間距離が狭くなるとステアリングを振動させてドライバーに注意喚起し、ドライバーが回避操作をする場合はステアリングのアシスト量を増やして回避を後押し。また、これまでは同じ進行方向の車両に対象が限られていたが、進化型では対向車線との衝突に対しても注意喚起やステアリングアシストが作動するようになっている。

先行車両との速度差が一定以下の場合はCMBSの自動ブレーキで衝突回避まで可能に進化。停車状態は約2秒まで継続する
ミリ波レーダーに検知領域を拡大し、対向車線のクルマと衝突する危険性があるかもチェック可能になっている
EXにはミリ波レーダーに加え、フロントウインドー上部内側に設置するカメラが車線を認識。半径230mまでの曲線路で電動パワステのアシスト量を調整したり、車線逸脱を警告するLKAS(車線維持支援システム)も搭載

プラグイン ハイブリッドでは37.6kmのEV走行と70.4km/hのPHV燃費を実現!

 左フロントフェンダーに外部給電ポートを備えるアコード プラグイン ハイブリッドは、リチウムイオンバッテリーの容量をアコード ハイブリッドと比べ5倍以上となる6.7kWhに高めることで、JC08モードのプラグインハイブリッド燃費は70.4km/Lとなった。また、モーターでの航続距離を37.6km(JC08モード 一充電走行距離)まで伸ばし、都市内交通の日常領域をEV走行のみでカバーできるレベルとしている。JC08モードの電力消費率は9.26km/kWh。

アコード プラグイン ハイブリッドの外観。外部給電ポートのほか、フロントマスクに施されるメッキ部分の色みをわずかにアコード ハイブリッドと変え、クローム調からシルバー調としている
リチウムイオンバッテリーの設置位置は不動だが、サイズが大型化してラゲッジ容量がわずかに低下。また、燃料タンク容量も60Lから46.2Lに変化する
インテリアもハイブリッドとほぼ同じだが、ATのセレクターレバー付近に設置された「EVスイッチ」がプラグイン ハイブリッド専用の「HVスイッチ」に変更される。このHVスイッチは強制的にハイブリッドドライブモードに移行させるための装備で、市街地走行でEV走行するための電池容量を温存。高速道路や市街地走行でバッテリー残量を回復させ、住宅地などを静かなEVモードで走るといった使い分けが可能となる

(編集部:佐久間 秀)