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SF14によるスーパーフォーミュラ開幕。第1戦鈴鹿の予選はトヨタエンジン搭載車が1位~7位を独占しコースレコードを記録

ホンダエンジン搭載車最上位は8位の野尻智紀選手

2014年4月12日開催

 2014年シーズンの初戦となるスーパーフォーミュラ第1戦鈴鹿が、4月12日開幕した。12日は予選、13日は決勝が行われる。スーパーフォーミュラは、今シーズンからSUPER GTのGT500クラスと共通化した2.0リッター直噴ターボエンジンを搭載し、シャシーも従来使用してきたスイフト製の「SF13」(導入当初は「FN09」)からダラーラ製の「SF14」に変更。完全な新型車両によるレースが行われる。

 開幕前に行われた数々のテストから、その高いポテンシャルは話題となっていたが、第1戦鈴鹿の公式予選で従来のコースレコード1分37秒774を1秒半以上更新する1分36秒996を記録した。記録したのはQ1~Q3まで行われる予選のQ2において。アンドレ・ロッテラー選手がドライブし、トヨタR14Aエンジンを搭載する36号車 PETRONAS TOM'S SF14になる。

Q2で最速のコースレコードを記録したアンドレ・ロッテラー選手。Q3のタイムはQ2に及ばなかったもののポールポジションを獲得した

 予選はQ3の上位14台がQ2に進出し、Q2の上位8台がQ3に進出する仕組みだが、Q3の結果は1分37秒022でポールポジションを獲得したアンドレ・ロッテラー選手はじめ、1位~7位までがコースレコード。そしてそのすべてがトヨタエンジン搭載車だった。

予選(Q3)2位は、ナレイン・カーティケヤン選手。元F1ドライバーだけあって、マシンに慣れたQ3で最速タイムを記録し2位に飛び込んだ
日本人最速は中嶋一貴選手。2位のナレイン・カーティケヤン選手との差は、0.011秒

 ホンダHR-414Eエンジン搭載車の最上位は、今シーズンからスーパーフォーミュラに参戦する野尻智紀選手がドライブする40号車 DOCOMO DANDELION M40T SF14。タイムは1分39秒380で、7位のロイック・デュバル選手の1分37秒543との差を考えると、トヨタエンジンとホンダエンジンには予選の時点で圧倒的な差があるのは誰の目にも明らかだ。

ホンダエンジン最速は野尻智紀選手。新人選手ながらホンダエンジン搭載でただ1人Q3に進出した。しかし、7位との差は大きく、決勝では厳しい戦いが予想される

●公式予選(Q3)結果
1位 1分37秒022(レコード) 36号車 アンドレ・ロッテラー PETRONAS TOM'S SF14(TOYOTA R14A)
2位 1分37秒148(レコード) 20号車 ナレイン・カーティケヤン Lenovo TEAM IMPUL SF14(TOYOTA R14A)
3位 1分37秒159(レコード) 37号車 中嶋一貴 PETRONAS TOM'S SF14(TOYOTA R14A)
4位 1分37秒284(レコード) 3号車 ジェームス・ロシター フジ・コーポレーション KONDO SF14(TOYOTA R14A)
5位 1分37秒399(レコード) 19号車 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ Lenovo TEAM IMPUL SF14(TOYOTA R14A)
6位 1分38秒543(レコード) 38号車 石浦宏明 P.MU/CERUMO・INGING SF14(TOYOTA R14A)
7位 1分37秒543(レコード) 8号車 ロイック・デュバル Team KYGNUS SUNOCO SF14(TOYOTA R14A)
8位 1分1分39秒380 40号車 野尻智紀 DOCOMO DANDELION M40T SF14(HONDA HR-414E)

 2014年シーズンのフォーミュラニッポンは、ナレイン・カーティケヤン選手とヴィタントニオ・リウッツィ選手の2人の元F1ドライバーが参戦することも話題となっていたが、ナレイン・カーティケヤン選手は見事予選2位を獲得。ヴィタントニオ・リウッツィ選手は15位とQ2にすら進めず明暗が分かれた。ナレイン・カーティケヤン選手はトヨタエンジン搭載車、ヴィタントニオ・リウッツィ選手はホンダエンジン搭載車だ。

 SUPER GTでは性能調整やハンデなどの制度が導入されているが、スーパーフォーミュラではそのようなルールはない。スーパーフォーミュラは速くなったが、速くなったのはトヨタエンジン搭載車だけという状況が長く続かないよう望むばかりだ。ただ、レースは終わってみなければ分からない。明日の決勝レースの展開に注目したい。

(編集部:谷川 潔/Photo:奥川浩彦)