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2014 スーパーフォーミュラ第1戦はロイック・デュバル選手が逆転優勝
全日本ロードレース第1戦 JSB1000クラスは中須賀克行選手が勝利
(2014/4/15 14:53)
- 2014年4月13日決勝開催
4月13日、鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)で2014 全日本選手権スーパーフォーミュラ第1戦の決勝レースが行われた。ニューマシン「SF14」で最初の勝者となったのはロイック・デュバル選手(8号車 Team KYGNUS SUNOCO SF14)。予選7位から激しいバトルを繰り広げ、逆転で優勝した。
ニューマシンのSF14は、既報のとおり予選で1分36秒996という、従来のコースレコードを1秒半以上更新する驚異的なラップタイムを記録した。参考までに、鈴鹿サーキットのF1マシンのコースレコードは2006年にミハエル・シューマッハ選手が予選Q2で記録した1分28秒954で、2013年のポールタイムはマーク・ウェーバー選手の1分30秒915。2013年に本田技研工業が音と光の演出で再現したアイルトン・セナの1989年の最速ラップは1分38秒041だ。ラップタイムは気候、コースコンディションなどさまざまな影響を受けるので一概に比較はできないが、SF14のラップタイムはひと昔前のF1マシン並みの速さになったと言えよう。また主観的な話しとしては、今シーズンのF1マシンよりSF14の方がかっこよいという声も多い。
●ホンダ、アイルトン・セナの鈴鹿最速ラップを音と光で楽しめるムービーを公開
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20130725_609044.html
ポールポジションを獲得したのはアンドレ・ロッテラー選手(36号車 PETRONAS TOM'S SF14)。予選2位のクマール・ラム・ナレイン・カーティケヤン選手(20号車 Lenovo TEAM IMPUL SF14)が3グリッド降格となり、予選3位の中嶋一貴選手(37号車 PETRONAS TOM'S SF14)がフロントローからのスタートとなった。
決勝レースのスタートでは、ポールポジションのロッテラー選手がエンジンストール気味となり出遅れ、中嶋選手が1コーナーでトップに立った。オープニングラップはロッテラー選手が2位、4番グリッドからスタートしたジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手(19号車 Lenovo TEAM IMPUL SF14)が3位、1つポジションを落としたジェームス・ロシター選手(3号車 フジ・コーポレーション KONDO SF14)が4位、カーティケヤン選手が5位、デュバル選手が6位となった。
1位、2位のTOM'S勢が序盤から後続を引き離した。5位のカーティケヤン選手と6位のデュバル選手は2周目に入るストレートからオーバーテイクシステムを使って激しくバトルを展開。4周目の1コーナーでデュバル選手がアウトから抜き去り5位に浮上した。
レースが大きく動いたのは15周目。逆バンク入り口でカーティケヤン選手がスピンしてコースをふさぐ形で止まってしまい、セーフティカーが導入された。この時点でトップの中嶋選手と2位のロッテラー選手のギャップは1秒ほど。前を走る中嶋選手はギリギリでピットに入ることができず、2位のロッテラー選手はピットイン。3位のオリベイラ選手はピットインせず、4位以下の選手は一斉にピットに向かってピット内は大混乱となった。
セーフティーカーの後ろでスロー走行する中嶋選手とオリベイラ選手の背後に追い付いたのはロッテラー選手。見かけ上は3位だが、前の2台はピットインをしなければならないので事実上のトップとなった。ロッテラー選手の後ろにはロシター選手、デュバル選手が4位、5位で続き、13周目に早めのピットインを済ませていた山本尚貴選手(1号車 TEAM 無限 SF14)が予選9位から6位にジャンプアップした。
レース再開後はピットインのマージンを稼ぎたいトップ2台がスパート。後方では5位のデュバル選手が4位のロシター選手を激しく攻め立て、さらにその後方では山本選手のペースが遅く後続が団子状態となる。
激しい攻防が続いた4位争いは、22周目のシケインでデュバル選手がロシター選手にピタッと貼り付き、23周目の1コーナーでオーバーテイクに成功。見かけ上の4位、事実上の2位に浮上した。
事実上のトップを走るロッテラー選手だが、ピットアウト後のペースが上がらない。ロッテラー選手はピットインの際にフロントタイヤを左右逆に装着していたためフロントのグリップ不足に悩まされていた。ロシター選手を抜いて勢いに乗るデュバル選手は、25周目にロッテラー選手も抜き、事実上のトップに立った。
トップの中嶋選手と2位のオリベイラ選手は30周目にピットイン。最後尾に近い12位、13位でコースに復帰した。これでトップに立ったのはデュバル選手。続いてロッテラー選手、ロシター選手が2位、3位で、30周目に山本選手を抜いた石浦宏明選手(38号車 P.MU/CERUMO・INGING SF14)が4位となった。
5位を走る山本選手は巧みなブロックで後続を封じ込め、後方には4台のマシンが数珠つなぎ状態となった。32周目には山本選手を先頭に5位争いする5台のマシンが2.4秒差にひしめく状態。34周目に平川亮選手(7号車 ACHIEVEMENT Team KYGNUS SUNOCO SF14)が山本選手の呪縛から抜け出すが、そのころにはピットインで遅れた中嶋選手とオリベイラ選手も集団に加わり、37周目には6位の山本選手から13位のオリベイラ選手までの8台が2.7秒差という大混戦になった。
38周目のスプーンコーナーで山本選手がコースオフして一気に6位から12位に後退。これで後続のマシンは開放され、国本雄資選手(39号車 P.MU/CERUMO・INGING SF14)が6位に浮上。ラップタイムが圧倒的に速い中嶋選手が7位にジャンプアップし、ポイント圏内まで戻ってきた。
トップのデュバル選手はすでに独走態勢を築いていたが、2位のロッテラー選手は終盤になるとフロントタイヤを再三ロックさせる苦しい状態となった。41周目のヘアピンでロシター選手に抜かれると、42周目のダンロップコーナーで石浦選手、続くファイナルラップのヘアピンで平川選手にも抜かれて5位に後退した。
その後方では、6位の国本選手と7位の中嶋選手が42周目の1コーナーで接触。国本選手はコースアウトしてクラッシュ。残り2周でポイントを失ってしまった。セーフティーカーのタイミングでトップの座を失った中嶋選手は6位、オリベイラ選手が7位。ともにほぼ最後尾からポイント圏内まで浮上することができた。
優勝はデュバル選手。2位は今期からフル参戦となったロシター選手。3位は3年ぶりに国内トップフォーミュラに復帰した石浦選手。4位は自己最高位となった平川選手。フロントローからスタートしたロッテラー選手と中嶋選手が5位、6位となった。
予選同様、トヨタエンジンを積むマシンが1位から7位を独占。ホンダエンジンを積むマシンの最高位はヴィタントニオ・リウッツィ選手(11号車 HP SF14)の8位となった。今回のスーパーフォーミュラ第1戦はJ SPORTSのほか、BSフジで4月19日11時より録画放送される。
●最終結果(完走14台)
1位 8号車 ロイック・デュバル Team KYGNUS SUNOCO SF14(TOYOTA R14A)
2位 3号車 ジェームス・ロシター フジ・コーポレーション KONDO SF14(TOYOTA R14A)
3位 38号車 石浦宏明 P.MU/CERUMO・INGING SF14(TOYOTA R14A)
4位 7号車 平川亮 ACHIEVEMENT Team KYGNUS SUNOCO SF14(TOYOTA R14A)
5位 36号車 アンドレ・ロッテラー PETRONAS TOM'S SF14(TOYOTA R14A)
6位 37号車 中嶋一貴 PETRONAS TOM'S SF14(TOYOTA RI4A)
7位 19号車 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ Lenovo TEAM IMPUL SF14(TOYOTA R14A)
8位 11号車 ヴィタントニオ・リウッツィ HP SF14(Honda HR-414E)
9位 40号車 野尻智紀 DOCOMO DANDELION M40T SF14(Honda HR-414E)
10位 41号車 武藤英紀 DOCOMO DANDELION M41Y SF14(Honda HR-414E)
11位 1号車 山本尚貴 TEAM 無限 SF14(Honda HR-414E)
12位 2号車 中山友貴 TEAM 無限 SF14(Honda HR-414E)
13位 39号車 国本雄資 P.MU/CERUMO・INGING SF14(TOYOTA R14A)
14位 10号車 塚越広大 HP SF14(Honda HR-414E)
スーパーフォーミュラ第2戦は、5月17日~18日に富士スピードウェイで開催される。
全日本ロードレース選手権シリーズ第1戦
同日開催された全日本ロードレース選手権シリーズ第1戦 JSB1000クラスは、予選1位の中須賀克行選手(1号車 ヤマハYSPレーシングチーム ヤマハYZF-R1)がスタートでトップをキープするも、2周目に秋吉耕佑選手(6号車 F.C.C. TSR Honda ホンダCBR1000RR)にトップを奪われた。序盤は6台によってトップ集団が形成されたが、中盤になると秋吉選手と中須賀選手が抜け出してマッチレースとなった。
後半、2位集団を振り切った高橋巧選手(634号車 MuSASHi RTハルクプロ ホンダCBR1000RR)がトップ2台にに追い付き、終盤は3台によるバトルへ展開。残り4周で秋吉選手がハイサイドで転倒しそうになり3位に後退。ラスト3周は中須賀選手と高橋選手がテール・トゥ・ノーズの争いとなり、ファイナルラップのシケインで高橋選手が仕掛けるも、中須賀選手が逃げ切って開幕戦を優勝で飾った。