ニュース

GM、新型「ATS-V」「CTS-V」発表会

「ATS-V」は470PSの3.6リッターV6、「CTS-V」は649PSの6.2リッターV8を搭載

2015年7月21日~8月23日プレオーダー受け付け

 ゼネラルモーターズ・ジャパンは7月21日、2016年の第1四半期(1月~3月)にデリバリーを予定している新型「ATS-V」「CTS-V」の購入を先行申し込みする「カスタム・プレオーダー・キャンペーン」を開始した。申し込みの締め切りは8月23日で、全国のキャデラック正規販売店で受け付けを行っている。

キャデラック“Vシリーズ”のニューモデル「ATS-V」「CTS-V」の「カスタム・プレオーダー・キャンペーン」が8月23日まで実施中

カスタム・プレオーダー価格は「ATS-V」950万円、「CTS-V」1290万円

ゼネラルモーターズ・ジャパン 代表取締役社長 石井澄人氏

 7月21日に開催された記者発表会では、最初にゼネラルモーターズ・ジャパン 代表取締役社長の石井澄人氏が登壇。“アメリカンラグジュアリーブランド”であるキャデラックが、アメリカの大統領をはじめ、ハリウッドやマンハッタンなどでセレブに愛用され、成功者のシンボルになっていることを紹介。長い歴史のなかで、時代が移り変わっても「大胆に行動していくんだ」というアイデンティティが変わることなく受け継がれており、2014年10月には米ゼネラルモーターズ・カンパニーの新しい事業戦略として、社内におけるキャデラックブランドの独立性が高められ、ブランド強化が図られたことを解説した。

 また、キャデラックの車両について、88年前に業界で初めてデザインの専門家を起用し、日本の顧客でATSを購入した6割、CTSを購入した5割が「スタイルが一番の購入動機」としていることを取りあげ、今後もエクステリア、インテリアのデザインを大切にして、強く注力した商品展開を続けていくと表明した。

 本題となる新導入を予定する“Vシリーズ”については、俊敏な運動性能や快適で洗練されたドライビング体験を持つキャデラックの「ATS」「CTS」をベースに、10年にわたって活動を続けている「キャデラック レーシング」直系の最先端テクノロジーと高い走行性能を付加したモデルが“Vシリーズ”であると解説。走行性能を追求した“究極のスーパースポーツセダン”であるとしつつも、ベースモデルとなるATSやCTSが持つ快適性や安全性、乗りやすさなどは犠牲にしていないことをアピールしている。

ゼネラルモーターズ・ジャパン プロダクトマネージャー 中野哲氏

 車両解説に関しては、ゼネラルモーターズ・ジャパン プロダクトマネージャーの中野哲氏が担当。中野氏は「キャデラックの“Vシリーズ”は、2004年にハイパフォーマンスモデルに対する市場要求に応えるため、キャデラックが技術を結集して誕生させた『スーパースポーツモデル』です。2004年にデビューした『CTS-V』に続き、オープンスポーツクーペの『XLR-V』、ミドルサイズセダンの『STS-V』、さらに第2世代となるCTS-Vといった“Vシリーズ”の歴史に、新たに、最小、最軽量モデルのセダンとして『ATS-V』が加わりました」とブランニューモデルであるATS-Vを紹介。

 ATS-Vのボディーサイズは4700×1835×1415mm(全長×全幅×全高)でホイールベースは2775mm。車両重量は1750kgとなっており、エンジンは新開発のV型6気筒DOHCの3.6リッター直噴ツインターボを採用し、最高出力346kW(470PS)/5850rpm、最大トルク603Nm(61.5kgm)/3500rpmを発生する。

 また、第3世代となるCTS-Vは、ボディーサイズが5045×1870×1435mm(全長×全幅×全高)でホイールベースは2910mm。車両重量は1910kgとなっており、V型8気筒OHVの6.2リッター直噴スーパーチャージドエンジンを採用。最高出力477kW(649PS)/6400rpm、最大トルク855Nm(87.2kgm)/3600rpmを発生。エンジンは第2世代モデルと排気量こそ同じながら、最高出力で85PS、最大トルクで108Nm向上させており、軽量化を行ったボディーと合わせて「異次元の走りを実現している」(中野氏)としている。

 さらに中野氏は、キャデラックの“Vシリーズ”が持つ役割について「商品モデルの拡大、ブランドイメージの向上などによってキャデラックの成長を加速させ、より若く、より裕福で、より熱狂的な顧客誘致という面で非常に成功してきました。なにより、“Vシリーズ”はキャデラックブランドの核心部に存在する『情熱の具現化』なのです」と説明した。

 この発表日からスタートした「カスタム・プレオーダー・キャンペーン」については、いち早く正規輸入車両をオーダーでき、輸出向けとなるすべてのオプションを選択可能となっていることで、ATS-Vは960通り、CTS-Vは1296通りの組み合わせが可能となっている。これに加え、通常のエントリープライスより40万円安い、ATS-Vは950万円、CTS-Vは1290万円というキャンペーン期間限定の車両価格が設定されている。

“Vシリーズ”では「Performance without Punishment」をテーマに、「パフォーマンス」「ラグジュアリー」の2種類の志向を持つユーザーを満足させる
「パフォーマンス」志向のユーザーに向けた訴求ポイント
「ラグジュアリー」志向のユーザーに向けた訴求ポイント
“Vシリーズ”のターゲットカスタマーは既存のATS&CTSオーナーより5歳ほど若い層と設定し、“新世代エンスージアスト”と呼称。ATS-Vは1000万円を切る990万円~1090万円、CTS-Vは1330万円~1495万円に価格設定。なお、7月21日~8月23日に実施しているカスタム・プレオーダー・キャンペーンの期間中のみ、通常は標準装着される純正カーナビやスウェーデッドマイクロファイバーステアリングなどの装備がオプション選択となり、価格が40万円引き下げられている
ATS-Vの注目ポイントである“キーフィーチャー”とエンジンスペックなどのデータ。ライバルモデルとしてBMW M3、メルセデスAMG C 63などの情報が並んでいる
CTS-Vの注目ポイントである“キーフィーチャー”とエンジンスペックなどのデータ。ライバルモデルとしてBMW M5、メルセデスAMG E 63などの情報が並んでいる

新型「ATS-V」

新型「ATS-V」。ボディーカラーは「クリスタルホワイトトゥリコート」
軽量カーボンファイバー製のボンネットフードには、エンジンルーム内の熱を放出するための「エアエキストラクティング・ベント」を設定。効率よく放熱できるだけでなく、ラジエターを冷却した空気をフロア下ではなく上部から排出することにより、高速走行時の揚力低減にも貢献するという
トランクリッド上には樹脂製の大型リアスポイラーを装着
新開発となるV型6気筒DOHCの3.6リッター直噴ツインターボエンジンは、ターボチャージャーにチタンアルミナイド製タービンを採用。サーキット走行まで視野に入れた“Vシリーズ”で使用するため、高い横Gの発生時にも最適な油圧や冷却性能を維持できるよう設計されている
リアバンパー下側にカーボン製のディフューザーを装着。マフラーエンドは中央寄りに2×2でレイアウト
タイヤは専用開発されたミシュラン パイロット スーパースポーツを純正設定。ブレーキキャリパーは前後ともブレンボ製で、フロント6ピストン、リア4ピストンとなる
ATS-Vのインテリア。40万円安となるカスタム・プレオーダー・キャンペーン中のモデルでは、写真の純正カーナビやスウェーデッドマイクロファイバーステアリングなどはオプション装備となる
サイドサポートが強調されたセミバケットシートを運転席&助手席に設定。ステアリングにはマグネシウム製のパドルシフトスイッチを備えている

新型「CTS-V」

新型「CTS-V」。ボディーカラーは「クリスタルホワイトトゥリコート」
649PS/855Nmを発生するV型8気筒OHVの6.2リッター直噴スーパーチャージドエンジンを搭載。8速ATとの組み合わせにより、0-60mph加速は3.7秒。エンジンルーム内に追加されたタワーバーをはじめ、車両全体で20%のボディー剛性強化を果たしている
ATS-Vと同じく、軽量カーボンファイバー製のボンネットフードに「エアエキストラクティング・ベント」を設定。エアアウトレット部分をクリア塗装としてカーボン地を見せ、機能装備であることを表現している
フロントバンパー下側に、カーボン製の大型フロントスプリッターを装備
CTS-Vでは大型リアスポイラーがカーボン製に変更される
2×2レイアウトとなるマフラーエンドは、ATS-Vと異なり左右のバンパーコーナー寄りとなっている
専用開発のミシュラン パイロット スーパースポーツ、ブレンボ製ブレーキキャリパーなどはATS-Vと同様。第3世代マグネティック・ライドコントロールはダンピングレスポンスを40%向上させた
CTS-Vのインテリア。ベース車と同じく全車左ハンドル仕様。3眼式メーターは中央にタコメーターをレイアウトする
CTS-Vの撮影車両では白系のシート表皮を採用
フロントシートのシートバック中央に“Vシリーズ”のロゴマークを設定
ハイパフォーマンスモデルながら、サンルーフが装着されている

(編集部:佐久間 秀)