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つながるクルマの時代が始まる。「クラウン」も新型「プリウス」も装備する「ITS Connect」
「トヨタ 安全技術説明会」で示されたトヨタの安全技術
(2015/10/21 12:57)
- 2015年10月8日実施
トヨタ自動車は10月8日、東京 お台場で「安全技術説明会」を開催。自動運転車「ハイウェイチームメイト」の自動運転による同乗走行を実施するとともに、マイナーチェンジをした「クラウン」から搭載の始まった「ITS Connect」についても同乗走行を実施した。
自動運転車については関連記事でお伝えしており、ここではITS Connectについてお届けする。
自動運転車「Highway Teammate」による首都高での自動運転を披露した「トヨタ 安全技術説明会」
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20151015_725775.html
ITS Connectは協調型安全技術に分類され、クルマと道路インフラで行う路車間通信(DSSS:Driving Safety Support Systems、V2I:Vehicle-to-Infrastructure)、クルマ同士の車車間通信システム(CVSS:Connected Vehicles Support Systems、V2V:Vehicle-to-vehicle)を実現するもの。トヨタ独自の規格ではなく、ITS協議会により定められたITS専用周波数760MHz帯とプロトコルを用いており、ITS Connectはその規格に対応していることを示すものだ。
路車間通信については、交差点に備え付けられたV2Iユニットとの通信を実演。クラウンのV2Iについては、車両・歩行者の存在をドライバーに知らせる「右折時注意喚起」、赤信号交差点進入の可能性をドライバーに知らせる「赤信号注意喚起」、信号が青に変わるまでの時間を見える化した「信号待ち発進準備案内」が搭載されており、まず右折時注意喚起を同乗走行によって体験した。
V2I対応交差点を紹介しているトヨタのWebページ
http://toyota.jp/technology/safety/itsconnect/
お台場地区では「青海一丁目」交差点がV2Iを実装しており、マイナーチェンジしたクラウンなどのITS Connect搭載車であれば、通信を行うことができる。全国の対応交差点は、ITS協議会のWebサイトに掲載されており、2015年10月現在で23個所の交差点で実装されている。
同乗走行デモでは、北側から青海一丁目交差点の右折待ちレーンに進入。信号が青に変わり右折進入すると、対向車がいたため「ピピッ」という音とともに右折時注意喚起画面がメーターパネル内のMFD(マルチファンクションディスプレイ)に表示された。対向車が通過するのを待って、実際に右折に移った際も同様の注意喚起画面が表示され、無事に通信できていた。
もう1つのデモは、V2Vに対応するユニットを搭載したプリウスをマイナーチェンジしたクラウンで追走し、V2Vによるオートクルーズを行うもの。先行車となるプリウスの加減速情報を得られるためスムーズな追従走行ができるほか、V2V搭載の緊急車両が近くに来た際は緊急車両存在通知が出るという。
こちらに関しては確かにプリウスとの通信確立については確認できたものの、同乗走行ではどのようにスムーズになったのかを感じ取ることはできなかった。V2Vについては、搭載車が増えないとそのメリットを感じる機会は少ない機能だが、先日技術発表を行なった新型プリウスにもITS Connect搭載が予定されており、数年で街中に搭載車があふれるのは確実。さらに年内には、あと1車種の搭載車の発表が予定されている。ITS Connect搭載車でV2Iのメリットを実感するのはまだ先と思われるが、V2Vであればその時期は近いのではないだろうか。