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日産、ダットサンの復活1年を記念する新コンセプトカー「GO-cross コンセプト」世界初公開
ダットサン「GO+」とプラットフォームを共有。クロスオーバーの市場潜在性を探究するモデル
(2015/10/30 11:53)
- 2015年10月29日発表
日産自動車は10月29日、南アフリカ市場でダットサンブランドの車両を発売してから1周年が経過することを記念するコンセプトカー「GO-cross コンセプト」を世界初公開した。
このコンセプトカーの発表は、同日に神奈川県横浜市にある日産自動車グローバル本社で開催された「ダットサンブランドの拡大に向けた方針の発表」のなかで、今後のブランドビジョンについて示唆する施策として公開された。
この発表の席で、日産自動車 常務執行役員 グローバルダットサンビジネスユニットのヴァンサン・コベ氏は、20世紀前半から続くダットサンブランドの歴史と2012年になってブランドを復活させることになった経緯、2013年7月に新生ダットサンとしての第1号となる「GO」をインド市場に投入してから約1年半が経過したこれまでの経過などについて紹介。
このなかでコベ氏は、ダットサンブランドが持つ「運転して楽しく、日本のメーカーである日産と関連性を持つことでの信頼感があり、身近で手に届く存在である」という3種類の価値をアピールすることで、インド、インドネシア、ロシア、南アフリカの4つの市場で合計11万4000台以上のダットサン車を販売したことを語り、市場ごとの要望に合わせたクルマ造りを徹底したことで当初予定をしっかりとクリアしたと発言。さらに、現在は「GO」「GO+」という2モデルを展開するインド市場で、2016年初頭に第3のモデルをリリースし、3モデル展開に拡大する予定であること、すでに展開している4つの市場以外にもダットサンブランドを展開することを健闘していることなどを明かした。
このほかにコベ氏は、報道関係者とのラウンドテーブルの場で、当初に予定していたほどの販売台数には届いていないのではないかという質問に対し、ダットサンブランドがターゲットとしている新興国市場は多くの面で不安定さを持っているが、逆に日本や自身の故郷である東ヨーロッパのように、安定して大きな発展もない市場と異なり、この先に間違いなく市場規模が拡大すると予測されていることを述べ、事業展開として販売台数を拡大できるという面のほか、ダットサンブランドが展開している国の人々が持つ「クルマを持ちたい」という夢を実現し、クルマを保有することでオーナーがさらに活動を広げ、人生を変える手助けとなることが使命であると回答している。
コベ氏によるプレゼンテーションに続き、ダットサンモデルのデザインを統括している日産自動車 グローバルデザイン本部 エグゼクティブデザインダイレクターの長野宏司氏が登壇。新しく公開したコンセプトカーの開発コンセプトなどについて解説を行った。
長野氏は、2014年2月に公開した「redi-GO コンセプト」に続く2台目のこのコンセプトカーでもダットサンブランドの将来の方向性を示唆するデザインとしており、一方で新興国市場のユーザーが持つ若々しさや上昇志向、夢に向かう姿勢などを表現した既存のダットサン車とも共通点を持っていることを紹介。また、高く設定したロードクリアランスにより、4WDではなくてもある程度のラフロードに対応できるよう設計しているという。