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【日産360】各地域に最適なモデルを提供する「ダットサン」ブランド

2014年からインド、インドネシア、ロシア、南アフリカで販売を開始

グローバルイベント「日産360」では「ダットサン」ブランドのプレゼンテーションが行われた
2013年8月19日~開催

ダットサン事業本部でマネージャーを務める岡本幸一朗氏

 日産自動車は、米カリフォルニア州においてグローバルイベント「日産360」を8月19日から開催している。本稿では、日産360の中で行われた「ダットサン」ブランドのプレゼンテーションについて紹介する。解説はダットサン事業本部でマネージャーを務める岡本幸一朗氏が行った。

 ダットサンは、ニッサン、インフィニティに続く第3のグローバルブランドで、新興国向けの専用ブランド。1981年に日産ブランドに統合していたが、2012年にブランドを復活し、今年の7月にインド市場向けの新型車「GO」を発表。同モデルを含め、ダットサンブランドのモデルは2014年からインド、インドネシア、ロシア、南アフリカで販売を開始する。

 ちなみにダットサンの名称は、当時の出資者だった田健治郎(でんけんじろう)氏、青山禄郎(あおやまろくろう)氏、竹内明太郎(たけうちめいたろう)氏の頭文字を取って名付けられたもので、耐久性のある(Durable)、魅力的で(Attractive)、信頼できる(Trustworthy)という3文字をダットサンのスピリットに掲げていたそうだが、新生ダットサンでは「Dream」「Access」「Trust」をブランド価値としている。

DATの名称の由来
ダットサンの歴史

それぞれの地域にあったモデルを提供する

 プレゼンテーションの冒頭、岡本氏は先進国と新興国における1000人あたりの自動車の普及率について説明。それによると、アメリカでは1000人あたり800台、日本は600台の普及率となっているが、新興国のインドでは20台となっており、「クルマは一部の富裕層にしか行き渡っていない」と現状を説明する。

 しかし、ダットサンブランドが挑戦するエントリーゾーンのセグメントは、例えばインドでは2016年に全体需要の50%を占めるまでに急成長すると予測。また、インドネシアでは政府が自動車の普及と環境への配慮を柱とした「ローコストグリーンカープログラム」を今年発表しており、「これによってエントリーのセグメントが爆発的に増え、結果的に2016年に全体需要の40%占めることが予想される」(岡本氏)。加えてロシアではすでにエントリーゾーンの価格帯のモデルが存在するが、これらはすべてローカルブランドのモデルであり、日本ブランドとしてこの価格帯に切り込むことでチャンスが生まれると予想する。

 また、先進国では代替、増車といったすでにクルマを持ったことのあるユーザーに対し販売する機会がおのずと増えるが、新興国では初めてクルマを購入する人が多いことから、「最初の1台に特別な思いがあるはず。そうしたお客様の思いやクルマに対する経験値が、先進国と新興国で大きく異なる」と、その違いについて分析。

 これらを踏まえ、ダットサンではグローバルメーカーとしての技術・経験をフルに活用する一方で、成長市場のユーザーニーズとプライオリティを理解し、ローカルプロダクトを提供するという「グローバルブランド・ローカルプロダクト」の考えに則った戦略を打ち立てており、「新生ダットサンブランドでは従来からのDurable(耐久性のある)に加え、reliable(信頼できる)、stylish(流行にあった)、accessible(手が届きやすい)といった価値を約束する」と述べるとともに、「現地のサプライヤーと現地の部品を調達し、現地で生産するという、モノづくりの分野のみにとどまらず販売・生産の分野でも新たな挑戦を続けている」と、さまざまな分野におけるダットサンブランドの活動を解説した。

 また、今後の展開についてはロシア、インド、インドネシアに2車種、南アフリカに1車種のダットサン車を2014年に投入するとしており、ダットサンブランドすべてに共通する「運転が楽しいこと」「安心してカーライフを過ごせること」「身近で手に届く存在であること」という3つの価値を前提に、それぞれの地域にあった最適な製品を提供すると岡本氏は述べた。

先進国と新興国における1000人あたりの自動車の普及率を見ると、アメリカでは1000人あたり800台、日本は600台となっているが、新興国のインドはわずか20台にとどまる
ダットサンブランドが挑戦するエントリーゾーンのセグメントは、インドでは2016年に全体需要の50%を占めるまでに急成長すると予測
インドネシアでは2016年に全体需要の40%を占めると予測する
ロシアでは2016年に全体需要の30%と予測
先進国では代替、増車といったすでにクルマを持ったことのあるユーザーに対し販売する機会がおのずと増えるが、新興国では初めてクルマを購入する人が多いことが予想される
ダットサンブランドのターゲット層を「RISERS」と呼ぶ
新生ダットサンブランドでは従来からのDurable(耐久性のある)に加え、reliable(信頼できる)、stylish(流行にあった)、accessible(手が届きやすい)といった価値を約束するという
現地の部品を調達し、現地で生産するなど、販売・生産の分野でも新たな挑戦を行っている
新生ダットサンは「Dream」「Access」「Trust」をブランド価値とする
ロシア、インド、インドネシアに2車種、南アフリカに1車種のダットサン車を2014年に投入する
ダットサンブランドすべてに共通する「運転が楽しいこと」「安心してカーライフを過ごせること」「身近で手に届く存在であること」という3つの価値を前提に、それぞれの地域にあった最適な製品を提供する

燃費対策にも気を使った「GO」

 プレゼンテーションを行った会場にはインド市場向けの新型車「GO」も展示。このGOについては「具体的なシーンとして、インドのお父さんが納車の日を迎え、ご家族の前でクルマを披露するときに『どうだ』と誇らしげに見せられる。そんなシーンを想定しながらデザインを進めている」「車名については英語で前に進むの意である『GO』と、日本語の『剛』、さらに1958年のラリーに参戦した桜号の『号』から着想している」と述べるとともに、3785×1635×1485mm(全長×全幅×全高)というボディーサイズについては「この価格帯は軽自動車サイズが占めているなか、我々のGOはエクステリアもインテリアもひと回り大きいものを提供しようと思っている」としており、軽自動車に比べ堂々とした体躯がGOの大きな特長であることを解説した。

インド市場向けの新型車「GO」。ボディーサイズは3785×1635×1485mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2450mm。1.2リッターエンジンに5速MTを組み合わせ、アイドリングストップ機構などを備える

 なお、インドのガソリン価格は日本とほぼ同じにも関わらず、大卒の初任給は3~5万円程度だそうで、「インドではガソリン価格が非常に高く感じられているため燃費への意識が非常に高い」(岡本氏)。そのためアイドリングストップ機構を備えるなど燃費対策にも気を使ったと言う。

 最後に、岡本氏は「2014年にダットサンブランドのモデルの製造、販売を開始する。中期経営計画の『日産パワー88』の終わるタイミングまでにインド、インドネシア、ロシアにおいて全日産自動車の販売台数のうち半分から1/3程度を(ダットサンブランドが)占めるまでに育てたい」と展望を述べるとともに、ダットサンブランド展開後の地域拡大については、潜在能力の高い魅力的なマーケットを現在研究中であるとした。

GOのデザインコンセプト
GOのディメンジョン
アイドリングストップ機構などを備え、燃費対策も行っている
手持ちのスマートフォンを活用する「モバイルドッキングステーション」を新たに採用
中期経営計画「日産パワー88」の終わるタイミングまでにインド、インドネシア、ロシアにおいて全日産自動車の販売台数のうち、半分から1/3程度をダットサンブランドで占めたいと言う

(編集部:小林 隆)