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アウディ、「R8」をフルモデルチェンジ。日本市場向けに2016年度は100台導入

540PSの「R8 V10」、610PSの「R8 V10 plus」。SUPER GT参戦車両も新型に

2016年3月26日 受注開始

2456万円~2906万円

新型R8 V10 plus(左)とR8 V10(右)

 アウディ ジャパンは3月26日、フラグシップスポーツモデル「R8」をフルモデルチェンジして同日から受注を開始した。2016年度は日本市場向けとして限定100台が用意される。価格は2456万円~2906万円。

モデルエンジン変速機駆動方式価格
R8 V10V型10気筒5.2リッター7速Sトロニック4WD24,560,000円
R8 V10 plus29,060,000円

 2006年に欧州で第1世代が発売されたR8がフルモデルチェンジ。最高出力540PSの「R8 V10」と、そのハイパワーバージョンにあたる最高出力610PSの「R8 V10 plus」が導入される。燃料噴射方式は、両モデルとも直接噴射のFSIとポート噴射のMPIを組み合わせた「デュアル インジェクション」を採用。低負荷時にエンジンの片バンクを休止させる「シリンダー オン デマンド(COD)」機能が備わり、アクセルペダルをオフしたときにエンジンを駆動系から切り離す「コースティングモード」とあわせて、先代モデルをしのぐ燃費性能を実現したという。駆動方式は新開発のクワトロ(フルタイム4WD)で、デュアルクラッチトランスミッション「7速Sトロニック」が組み合わせられる。

最高出力540PSの「R8 V10」
最高出力610PSの「R8 V10 plus」

 プロポーションに関しては、4426mmの全長と1240mmの全高は先代モデルに近い数値になるが、全幅は約40mm広くなる1940mmとなり、よりフラットでワイドに進化。また、アルミと炭素繊維複合材料(CFRP)を組み合わせた「アウディ スペース フレーム(ASF)」を新開発したことで、フレーム重量は先代モデルを10kg下回る200kgを実現している。そのほか新型R8では、左右それぞれに37個のLEDを備えた「LEDヘッドライト」を標準装備している。

フラットなアンダーフロア
「R8 V10 plus」に搭載するV型10気筒5.2リッターエンジンのスペックなど
新開発のアウディ スペース フレーム(ASF)

 インテリアでは、アーチ型のラインでコクピットを囲い込む「モノポスト」と呼ばれるコンセプトを採用したほか、インストルメントパネルに12.3インチのTFTディスプレイを設置。このディスプレイでは、スピードメーターやタコメーターに加え、ナビゲーションシステムを始めとするさまざまな情報を表示できる「アウディ バーチャル コックピット」を標準装備。新型R8では、タコメーターを中央に大きく映し出すパフォーマンス モードも新採用されている。

メーターまわり

GT3仕様のレースカー「Audi R8 LMS」も新型に

 この量産モデルのR8が第2世代にモデルチェンジしたことを受け、GT3仕様のレースカー「Audi R8 LMS」も新型になった。

 新型Audi R8 LMSでは2016年から導入される安全規定にいち早く適合したことを特徴とし、新世代のアウディ スペース フレーム(ASF)の採用により従来モデルから25kgの軽量化を実現。さらに捻り剛性を39%向上させたうえで、エアロダイナミクスも進化させたという。

 搭載するV10 5.2リッターエンジンは最高出力585PSを発生するほか、オーバーホールのインターバルが2万kmとレーシングエンジンとしては長いことも特徴として挙げられている。駆動方式は車両規則によって4輪駆動から後輪駆動へと改められている。

 なお、新型Audi R8 LMSで2016年のSUPER GT GT300クラスに参戦するのは、2012年からAudi R8 LMS で挑戦しているAudi Team Hitotsuyamaと、今年から新たに参戦するAudi Team Brailleの2チーム。

 Audi Team Hitotsuyamaの一ツ山亮次チーム代表は、新シーズンに向けた抱負として「今年はフルモデルチェンジを受けた新型 Audi R8 LMS で参戦、ダンロップからタイヤ供給を受けることになりました。先日行ったシェイクダウンテストでは、リチャード・ライアン、藤井誠暢の両ドライバーが、新型マシンとダンロップ タイヤのコンビネーションに大きな手応えを掴んだようで、『間違いなくシリーズチャンピオン争いに加われる』と力強くコメントしてくれました。また、ヨーロッパのGT3レースなどですでに何100時間と新型Audi R8 LMSで実戦を経験しているW-Racing Team(WRT)のエンジニアが昨年同様派遣されることも決まっているので、とても心強く思っています。今シーズンは、早い段階で1勝を挙げるとともに、シリーズチャンピオンを目標にひとつひとつのレースを大切に戦っていきますので、皆さんのご声援をどうぞよろしくお願い申し上げます」とコメントしている。

(編集部:小林 隆)