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アウディ、SUPER GTのテストが行なわれる富士スピードウェイで新型「R8」を披露
サブブランド「Audi Sport」についてや2016年のSUPER GT参戦チーム体制の発表も
(2016/3/27 12:53)
- 2016年3月26日 開催
アウディ ジャパンは3月26日、新型「R8」とAudi R8 LMSでSUPER GTに参戦するチーム体制の記者発表会を、SUPER GTの公式テストが行なわれている富士スピードウェイで開催した。あわせてサブブランド「Audi Sport」の事業戦略概要発表や、新型R8とSUPER GT参戦車両も含めた形でデモランが行なわれたので、その模様をリポートする。車両の概要については別記事を参照いただきたい。
R8 V10 plusは0-100km/h加速3.2秒、最高速330km/hをマーク
まず日本市場に導入されることとなったサブブランド「Audi Sport」について。「Audi Sport」は、これまでWEC(世界耐久選手権)やDTM(ドイツツーリングカーレース)での活動や、GT3マシン「Audi R8 LMS」のカスタマーレーシング活動への車両供給を柱としてきたが、今後はアウディのスポーティなブランドイメージを一層強調するべくR8/RSシリーズの販売や、Audi Sportブランドのグッズ開発と販売にも注力することが発表された。
活動の具体的な内容としては、正規販売店の一部にAudi Sport専用のCI/CDを導入した「Audi Sport Store(アウディ スポーツ ストア)」を展開。初年度となる2016年は、フルモデルチェンジした新型R8の販売とともに、RSモデルのパフォーマンスをさらに向上させる「RS Performance」を導入するという。また、R8/RSモデルの体験を目的にサーキットなどで試乗可能な「Audi Sport driving experience」プログラムを実施するほか、独アウディ AGが開催する「Audi driving experience」プログラムに優先的に案内される制度や、日本国内のリゾート地などでは「Audi Sport modelテストドライブイベント」を開催する予定になっている。
発表会に出席したアウディ ジャパンの代表取締役である斎藤徹氏は、「アウディは常に時代の先進的技術と素材を採用し、数々の自動車レースに参戦し勝利してきた。新しいAudi Sportのスローガンである“Born on the track, build for the road”が示すように、培ったノウハウを市販車に取り入れてきた。1980年代のクワトロがその代表的な例と言える」とコメントするとともに、「欧州ではモータースポーツは文化、あるいはライフスタイル的な側面を持っている。アウディはモータースポーツを身近に楽しむ文化を育て、成熟させることを担ってきたモータースポーツ界のリーダー的存在でもある。なので、日本でもハイパフォーマンススポーツカーのR8とRSシリーズを拡販するためにAudi Sportを立ち上げることになった。新型R8はアウディのスポーツイメージを高め、お客様との絆を深めていくためのAudi Sport Storeを通じて、2016年度は7月5日から日本市場向けに120台を販売する目標である」と語った。
quattro GmbH R8プロジェクトマネージャーであるアルウィン・ワトキンス氏は、「新型R8 V10 plusの5.2リッター自然吸気V型10気筒エンジンは高回転型であり、アウディの市販モデルとしては最強の610PS/8700rpmを誇り、7速Sトロニックデュアルクラッチトランスミッションと、アウディのフルタイム4WDシステム『クワトロ』により0-100km/h加速3.2秒、最高速330km/hの能力を持つ。また、ル・マンなどの耐久レースで培ったノウハウをフィードバックした、直噴(FSI)とポート噴射(MPI)を備えたデュアルインジェクターを採用し、低負荷時に片方のバンクを休止するシリンダーオンデマンドやコースティングモードなどにより、高出力と高効率を両立している」とコメント。
また、ベースグレードとなるR8 V10は540PSを発生し、0-100km/h加速3.5秒、最高速320km/hのパフォーマンスを有するとのことだった。
ワトキンス氏は、「新開発したフルタイム4WDシステムのクワトロは、トルク配分を路面コンディションに応じてフロントまたはリアに100%のトルクを伝達することもできる。条件に合わせ強大なパワーを4輪に効率的に伝え、2WDでは不可能な安定した姿勢でスタートダッシュでき、荒れた路面や降雨などの条件下でもドライバーを安心感で満たせる」「アルミニウムとCFRP(カーボンファイバー)素材によるハイブリッドなスペースフレーム構造としたASF(アウディスペースフレーム)ボディにより、R8 V10 plusでも乾燥重量は1465kg。旧型に比べ15%の軽量化と40%の高剛性化を実現した」とも語っていた。
新型R8とAudi R8 LMSがデモラン
続いて、2016年のSUPER GTにAudi R8 LMSで参戦する「Audi Team Hitotsuyama」と、今年度から新規参入する「Audi Team Braille」の2チームが登壇。各選手ともに大きく進化した新型Audi R8 LMSに期待している旨をコメントした。またAudi Team Brailleのピエール・カッファー選手はAudi Sportのファクトリードライバーであり、SUPER GTへの力の入れようが分かる。
その後、Audi Team HitotsuyamaのAudi R8 LMSとR8 V10 plus、R8 V10が富士スピードウェイをデモラン。3周ではあるが多くのレースファンが視線を向けていた。