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ジェイテクト、軸受一体歯車「JIGB」を新開発 モビリティの小型化・軽量化・高効率化に貢献
2025年4月9日 13:57
- 2025年4月8日 発表
ジェイテクト(JTEKT)は4月8日、自動車部品・軸受・工作機械事業で培ったコアコンピタンスを活かし、ギヤとベアリング(軌道輪)を一体化した新製品「JIGB (JTEKT Integrated Gear Bearing)」を発表した。
ジェイテクトグループは、製品と製造設備に関する要素技術や知見であるコンピタンスを一堂に集約したコアコンピタンスプラットフォーム(以下、ココプラ)の活用を推進。社内のコンピタンスの掛け合わせのみならず、社外の技術や知見をつなぐことにより、社内や社会の困りごとの解決策を提案するソリューション共創センターを2025年1月に開設している。
そして今回開発したJIGBは、自動車や産建機に搭載されている減速機を構成するギヤとベアリングを一体化することで、ユニットの小型化、ギヤの強度向上、ベアリングのトルク損失低減を可能とする最適構造を実現した製品。これまで、ギヤの歯に必要な靭性とベアリング(軌道輪)に必要な耐久性の両立が困難であった点に対して、ギヤとベアリング製品で長年培ってきたコアコンピタンスを活かしたことで実現したとしている
JIGBの製品概要
シャフトにベアリングを圧入している現行品のギヤシャフトは、シャフト径の制約により、ベアリングや減速機のサイズダウンが難しく、トルク損失の低減に課題があった。これに対しJIGBでは、ギヤシャフトの外径に軸受軌道を追加しベアリングと一体化。これによりベアリングの内輪(軌道輪)が省略されることで、ベアリング外径とユニット(軸間距離)のサイズダウン、トルク損失の低減を両立。また、ベアリングの圧入工程の省略によって生産性の向上も図れるとしている。
加えて、ギヤの内部にベアリングを組み付ける場合、組み付け時のガタにより、ギヤ全体の強度が低下する可能性があるが、開発品ではギヤ内径をベアリングの外輪とすることにより、ギヤの傾きを低減し、ギヤサイズおよび搭載されるユニットのサイズダウンを実現。またギヤ内径へのベアリング圧入工程の省略による部品点数の削減も見込めるという。