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ダイハツ、ガソリン登録車で燃費トップの28.0km/Lを実現した新型「ブーン」
上級グレード「ブーン シルク」を追加した“2フェイス戦略”で個性を主張
(2016/4/12 13:30)
- 2016年4月12日 発売
- 115万200円~185万3280円
ダイハツ工業は4月12日、コンパクトカー「ブーン」をフルモデルチェンジして発売した。価格は115万200円~185万3280円。
グレード | エンジン | 変速機 | 駆動方式 | 価格 | 減税レベル(取得税/重量税) | JC08モード燃費 |
---|---|---|---|---|---|---|
X | 直列3気筒DOHC 1.0リッター | CVT | 2WD(FF) | 1,150,200円 | 80%/75% | 28.0km/L |
4WD | 1,351,080円 | 60%/50% | 24.4km/L | |||
X“SA II” | 2WD(FF) | 1,215,000円 | 80%/75% | 28.0km/L | ||
4WD | 1,415,880円 | 60%/50% | 24.4km/L | |||
X“Lパッケージ” | 2WD(FF) | 1,258,200円 | 80%/75% | 28.0km/L | ||
4WD | 1,453,680円 | 60%/50% | 24.4km/L | |||
X“Lパッケージ SA II” | 2WD(FF) | 1,323,000円 | 80%/75% | 28.0km/L | ||
4WD | 1,518,480円 | 60%/50% | 24.4km/L | |||
X“Gパッケージ SA II” | 2WD(FF) | 1,447,200円 | 80%/75% | 28.0km/L | ||
4WD | 1,642,680円 | 60%/50% | 24.4km/L | |||
シルク | 2WD(FF) | 1,431,000円 | 80%/75% | 28.0km/L | ||
4WD | 1,626,480円 | 60%/50% | 24.4km/L | |||
シルク“SA II” | 2WD(FF) | 1,495,800円 | 80%/75% | 28.0km/L | ||
4WD | 1,691,280円 | 60%/50% | 24.4km/L | |||
シルク“Gパッケージ SA II” | 2WD(FF) | 1,657,800円 | 80%/75% | 28.0km/L | ||
4WD | 1,853,280円 | 60%/50% | 24.4km/L |
ブーンは、同じ池田工場で生産するトヨタ自動車「パッソ」の姉妹車として2004年に初代モデルがデビュー。先代モデルは2010年2月に発売され、今回のモデルチェンジで3代目を数える。なお、このモデルからダイハツによって企画・開発から生産までを一括して担い、トヨタに対して供給するOEM車となっている。
3代目ブーンは、ダイハツが得意とする軽自動車の開発で培ってきた「e:Sテクノロジー」「Dモノコック」「Dサスペンション」「スマートアシストII」といった基本技術を要所に導入。また、軽自動車では定番となっている“2フェイス戦略”を採用し、ベーシックな「ブーン」、スマートさや上質感を求めた「ブーン シルク」の2種類をラインアップ。それぞれに異なる内外装を与えて幅広いユーザーニーズに応えることを狙っている。
ブーンとブーン シルクでは、まず外観ではヘッドライトやフロントグリルなどを中心にフロントマスクが大きく異なり、直線基調のブーンに対し、ブーン シルクは丸形ヘッドライトやフロントグリルのシルバー加飾、大きく左右に連続するデザインのロアグリルなどによってクラシカルテイストを強調。さらにA、Bピラーをブラックアウトして上質感を表現し、リアではバンパー形状を差別化し、ブーン シルクではLED式リアコンビネーションランプ内のリフレクターにシルバー加飾を使って華やかさを演出している。
インテリアでは、インパネ形状でブーンでは「広さ」と「軽快感」、ブーン シルクでは「上質感」を重視。助手席前方部分はブーンでは水平基調のロングトレイを配して視覚的な広がりを演出し、ブーン シルクではリッド付きのボックスやレッドの差し色などを使って上質さを表現している。
装備面では、ブーン シルク全車に「Bi-Angle LEDヘッドランプ(オートレベリング機能、LEDクリアランスランプ付)」を標準装備。メーターパネルもブーンで採用する単眼メーターではなく、シルバー加飾付きの自発光式2眼メーターに変更される。
このほか、上級グレードとなるブーン X“Gパッケージ SA II”とブーン シルク“Gパッケージ SA II”は、14インチアルミホイール、革巻3本スポークステアリング、メッキ加飾のシフトレバーボタンとインナードアハンドル、オートライトなどを標準装備している。
ボディカラーは新開発した「マゼンタベリーマイカメタリック」「レモンスカッシュクリスタルメタリック」「ダークエメラルドマイカ」の3色を採用するほか、全12色をラインアップ。さらにブーン シルクではブラックルーフの2トーンカラーも7種類用意して、合計19パターンのワイドバリエーションを誇っている。
パワートレーンでは、搭載する直列3気筒DOHC 1.0リッターのガソリンエンジンは「1KR-FE」型で、CVTと組み合わせる点も先代モデルと変わらないが、「ミラ イース」などで培ってきた低燃費技術「e:Sテクノロジー(Energy Saving Technology)」を導入。吸気ポートのデュアルインジェクター&デュアルポート化が行なわれ、ピストンは形状の最適化による高圧縮比化や低フリクション化を実施。さらにスパークプラグの改良による燃焼改善、EGRバルブの応答性向上でEGR量を拡大したことによる燃焼効率の向上なども行なわれ、2WD(FF)車のJC08モード燃費が27.6km/Lから0.4km/L向上となる28.0km/Lに上昇。先代モデルから引き続き、ガソリン登録車でトップの燃費を誇っている。また、4WD車は先代の21.0km/Lから24.4km/Lに飛躍した。
CVTでは制御の見直しによって走行性能の充実を図り、日常的な使用状況における使い勝手を重視して発進加速、追い越し加速などの車速上昇幅を向上。また、上り坂などの登坂時にはECUが走行状況を感知して、制御内容を「坂道モード」に自動的にスイッチ。力強くストレスを感じさせない走行を実現する。
「Dモノコック」の技術を受け継ぐボディは、サイドアウターパネルの全面厚板ハイテン化を実施。コンベンショナルな材料を使いつつ、構造の最適化によって構造断点をなくし、負荷を骨格全体で受け止める考え方で軽量・高剛性なボディを低コスト化を見据えながら開発した。また、フロントフェンダーやスポイラー一体型バックドア、フューエルリッドといった外装パーツに樹脂外板を採用。ダイヤモンドビード構造で剛性と衝撃吸収性を確保した樹脂燃料タンクなどと合わせて2WD(FF)車で50kg分の軽量化を達成。これを操縦安定性や乗り心地などを向上させるボディ剛性強化に充て、2WD(FF)車で先代モデルと同じ910kg、4WD車で10kg軽い960kgの車両重量で、走行性能や衝突安全性能などの充実を図った。
この軽量・高剛性ボディにセットされる「Dサスペンション」は、市街地走行を想定した30km/h以下での走行中に発生する頭部のふらつきに着目。ふらつき幅の大きさを抑制するだけでなく、ふらつきをスムーズに収束させることで上質感のある乗り心地を表現。安定感のあるフラットな乗り心地でドライブ中の疲労も軽減され、日常シーンでの最適チューニングとしている。
グレード名に“SA II”と入るモデルでは、先進安全装備となる「スマートアシストII」を標準装備。フロントウィンドウのカメラ、フロントグリルのレーザーレーダー、バンパーなどに設置するソナーセンサーを組み合わせて用い、約4km/h~約50km/hの走行中に緊急ブレーキを作動させ、前方を走る車両との衝突の回避、被害軽減などを行なう「衝突回避支援ブレーキ(対車両)」など5種類の機能で安全運転をサポートする。