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SUPER GT第1戦岡山、平川亮選手がドライブする37号車 KeePer TOM'S RC Fが予選でポール獲得

GT300はマザーシャシーの25号車 VivaC 86 MC

2016年4月9日~10日 開催

GT500クラスのポールポジションを獲得した37号車 KeePer TOM'S RC F(ジェームス・ロシター/平川亮組)

 SUPER GT 第1戦 OKAYAMA GT 300km RACEが、4月9日~10日の2日間にわたり岡山国際サーキット(岡山県美作市)で開催されている。初日となった4月9日には練習走行と予選が行なわれ、10日の決勝レースのグリッドが決定した。

 GT500のポールポジションを獲得したのは、37号車 KeePer TOM'S RC F(ジェームス・ロシター/平川亮組)で、昨年の開幕戦に続き2年連続でのポールからのスタートになる。2位に6号車 WAKO'S 4CR RC F、3位が1号車 MOTUL AUTECH GT-Rで、レクサス勢とニッサン勢が入り乱れる上位グリッドとなった。その一方、ハイブリッドシステムを降ろしたことでそのパフォーマンスが注目されていたホンダ勢は、下位に沈む結果に終わった。

 GT300のポールポジションを獲得したのは、25号車 VivaC 86 MC(土屋武士/松井孝允組)で、昨年の第3戦タイ戦以来のポール獲得となる。2位は65号車 LEON CVSTOS AMG-GT、3位は7号車 Studie BMW M6となった。

GT300はQ1でチャンピオンが脱落する波乱も。ポール獲得はマザーシャシーの25号車 VivaC 86 MC

 SUPER GTの予選は、例年どおりQ1で上位が絞られ、上位の車両だけがQ2へ進むというノックアウト方式の予選で行なわれる。ただし、昨年まではGT300は上位13台、GT500は上位8台がQ2へ進むという形になっていたの対して、今年はGT300は上位14台に拡大されており、よりQ2へ進むチャンスが広がっている。

 また、昨年までは予選の結果に対してポイントは与えられなかったが、今年は1点が与えられることになっている。特に、ノーハンデとなるこの開幕戦、最終戦はそれを獲得するチャンスと言え、毎年、1点、2点が選手権の順位に大きな影響を与えていることを考えれば、これまで以上に予選の順位、特にポールポジションを獲得する価値が高まり、予選から激しい争いが展開されることになった。

 GT300のQ1でトップQ1でトップタイムをマークしたのは山内英輝選手のドライブする61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT。別記事(「新カウルを投入するSUBARU BRZ GT300」)でも紹介したとおり、タイヤ経を大きくしたことが好影響を与えているようだ。2番手は51号車 JMS LMcorsa 488 GT3、3番手は55号車 ARTA BMW M6 GT3、4番手は30号車 TOYOTA PRIUS apr GT、5番手が31号車 TOYOTA PRIUS apr GTとなった。

 このQ1で厳しい結果となったは昨年のチャンピオンカーであるアンドレ・クート選手がドライブする0号車 GAINER TANAX GT-R。順位を上げることができず17位でQ1落ちとなった。また、登場した新型車の中で厳しい結果になったのはランボルギーニ ウラカン GT3勢。その中でもトップになった88号車 マネパ ランボルギーニ GT3でも15位と、14位までがQ2に進めるQ1で惜しくもQ1落ちとなってしまった。ほかのウラカン GT3も、思うようにタイムを伸ばすことができず、このレース前に決まったBoPでウエイトハンデとして70kgを課せられてしまったことが大きく影響しているものと考えられる。

 Q2で中盤からトップに立ったのは、朝のフリー走行でもトップタイムをマークした65号車 LEON CVSTOS AMG-GT。コースレコードもマークし、それで決まりかと思われたところ、残り1分半でトップを奪ったのは、土屋武士選手のドライブする25号車 VivaC 86 MC。1分25秒586というコースレコードの驚きのラップタイムで、見事にポールポジションを獲得した。マザーシャシーも2年目となり、その中の筆頭チームであるVivaC team TSUCHIYAの開発力が光った結果だ。2位は65号車、3位は7号車 Studie BMW M6、4位は61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT、5位は11号車 GAINER TANAX AMG GT3で、8位までの車両がコースレコードをマークするというレベルの高い予選となった。

GT300クラスのポールポジションを獲得した25号車 VivaC 86 MC(土屋武士/松井孝允)
2位は65号車 LEON CVSTOS AMG-GT(黒澤治樹/蒲生尚弥)
3位は7号車 Studie BMW M6(ヨルグ・ミューラー/荒聖治)。8位までのチームがコースレコードを叩き出した
GT300の予選結果
順位号車車両ドライバータイヤQ1Q2
1位25VivaC 86 MC土屋武士/松井孝允YH1'27.2921'25.586
2位65LEON CVSTOS AMG-GT黒澤治樹/蒲生尚弥YH1'27.0711'25.624
3位7Studie BMW M6ヨルグ・ミューラー/荒聖治YH1'27.0871'25.832
4位61SUBARU BRZ R&D SPORT井口卓人/山内英輝DL1'26.5601'25.875
5位11GAINER TANAX AMG GT3平中克幸/ビヨン・ビルドハイムDL1'27.1291'26.112
6位21Hitotsuyama Audi R8 LMSリチャード・ライアン/藤井誠暢DL1'27.0331'26.254
7位55ARTA BMW M6 GT3高木真一/小林崇志BS1'26.7051'26.300
8位4グッドスマイル 初音ミク AMG谷口信輝/片岡龍也YH1'27.1791'26.643
9位51JMS LMcorsa 488 GT3都筑晶裕/新田守男YH1'26.6151'26.707
10位3B-MAX NDDP GT-R星野一樹/ヤン・マーデンボローYH1'27.1171'26.812
11位31TOYOTA PRIUS apr GT嵯峨宏紀/中山雄一BS1'26.9111'26.925
12位18UPGARAGE BANDOH 86中山友貴/山田真之亮YH1'27.0511'27.017
13位30TOYOTA PRIUS apr GT永井宏明/佐々木孝太YH1'26.7351'28.035
14位2シンティアム・アップル・ロータス高橋一穂/加藤寛規YH1'27.4751'37.801
15位88マネパ ランボルギーニ GT3織戸学/平峰一貴YH1'27.617-
16位33Excellence Porsche山野直也/ヨルグ・ベルグマイスターYH1'27.669-
17位0GAINER TANAX GT-Rアンドレ・クート/富田竜一郎DL1'27.695-
18位360RUNUP Group&DOES GT-R柴田優作/田中篤YH1'27.970-
19位108DIRECTION 108 HURACAN峰尾恭輔/ケイ・コッツォリーノYH1'28.125-
20位87triple a ランボルギーニ GT3細川慎弥/佐藤公哉YH1'28.206-
21位22アールキューズ SLS AMG GT3和田久/城内政樹YH1'28.394-
22位111エヴァRT初号機 Rn-s AMG GT植田正幸/鶴田和弥YH1'28.425-
23位48DIJON Racing GT-R高森博士/田中勝輝YH1'28.478-
24位50ODYSSEY SLS安岡秀徒/久保凜太郎YH1'28.506-
25位5マッハ車検 MC86玉中哲二/山下潤一郎YH1'28.545-
26位63DIRECTION 108 HURACANエイドリアン・ザウグ/横溝直輝YH1'28.545-
27位60SYNTIUM LMcorsa RC F GT3飯田章/吉本大樹YH1'28.252-
28位9GULF NAC PORSCHE 911阪口良平/吉田広樹YH--
29位26AUDI R8 LMS密山祥吾/元嶋佑弥YH--

GT500はQ1でホンダ勢が全滅。レクサスとニッサンが入り乱れる上位グリッド

 一方のGT500も激しい争いがQ1から展開された。トップタイムをマークしたのは今シーズンからGT500に昇格した千代勝正選手がドライブする46号車 S Road CRAFTSPORTS GT-R。この時点で1分18秒855というコースレコードをマークしてトップに立った。2番手は同じくミシュランタイヤを履く1号車MOTUL AUTECH GT-R、3番手はDENSO KOBELCO SARD RC Fとなった。千代選手は今回がGT500デビュー戦で、その最初の公式予選でいきなりトップタイムと、鮮烈なデビューを飾った。

 Q2に進める上位8台の内訳は、ニッサン3台、レクサス5台となっており、NSX CONCEPT-GTの最上位は11位になった15号車 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GTで、それ以下にホンダ勢が並ぶ結果となり、ホンダ勢には厳しい結果となってしまった。

ホンダ勢最上位となった15号車 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT(武藤英紀/オリバー・ターベイ)

 コースレコードを破るタイムアタック合戦となったQ2では、まず大嶋和也選手がドライブする6号車 WAKO'S 4CR RC Fが1分18秒268を出してトップに立った。このタイムは、Q1でワンツーだったニッサン勢の2台(1号車、46号車)をコンマ1秒以上引き離す素晴らしいタイム。これで決まりかと思われた残り1分半で、朝のフリー走行でもトップタイムをマークした平川亮選手がドライブする37号車 KeePer TOM'S RC Fが、さらにコンマ1秒削り取る1分18秒126をマークし、見事にポールポジションを獲得した。平川選手がドライブする37号車は2年連続のポールポジション獲得となる。

開幕戦の予選を2年連続で制した37号車 KeePer TOM'S RC F(ジェームス・ロシター/平川亮)

 2位は6号車、3位は1号車 MOTUL AUTECH GT-R、4位は46号車 S Road CRAFTSPORTS GT-R、5位は12号車 カルソニック IMPUL GT-Rと、レクサス勢とニッサン勢が入り乱れる上位グリッドになり、10日のレースが楽しみな展開だ。

2位は6号車 WAKO'S 4CR RC F(大嶋和也/アンドレア・カルダレッリ)
昨年のシリーズチャンピオンである1号車 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)は予選3位
GT500の予選結果(編集部集計)
順位号車車両ドライバータイヤQ1Q2
1位37KeePer TOM'S RC Fジェームス・ロシター/平川亮BS1'19.1301'18.126
2位6WAKO'S 4CR RC F大嶋和也/アンドレア・カルダレッリBS1'19.0801'18.268
3位1MOTUL AUTECH GT-R松田次生/ロニー・クインタレッリMI1'18.9181'18.372
4位46S Road CRAFTSPORTS GT-R本山哲/千代勝正MI1'18.8851'18.419
5位12カルソニック IMPUL GT-R安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラBS1'19.3611'18.510
6位39DENSO KOBELCO SARD RC Fヘイキ・コバライネン/平手晃平BS1'19.0041'18.895
7位38ZENT CERUMO RC F立川祐路/石浦宏明BS1'19.0781'18.937
8位19WedsSport ADVAN RC F関口雄飛/国本雄資YH1'192511'18.939
9位36au TOM'S RC F伊藤大輔/ニック・キャシディBS1'19.397-
10位24フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R佐々木大樹/柳田真孝YH1'19.407-
11位15ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT武藤英紀/オリバー・ターベイBS1'19.606-
12位8ARTA NSX CONCEPT-GT松浦孝亮/野尻智紀BS1'19.672-
13位17KEIHIN NSX CONCEPT-GT塚越広大/小暮卓史BS1'19.685-
14位100RAYBRIG NSX CONCEPT-GT山本尚貴/伊沢拓也BS1'20.034-
15位64Epson NSX CONCEPT-GT中嶋大祐/ベルトラン・バゲットDL1'20.249-

(笠原一輝/Photo:高橋 学)